今回も敷戸駅です。歩道からすぐに駅舎に入ることができるこの駅には、自動券売機があります。しかし、御覧のように1台しか設置されておらず、近距離切符を買う場合でも、自動券売機の反対側にある窓口で切符を買うことが多いのです。私の場合も、敷戸駅・大分駅間の往復乗車券を購入することが多いので、よく窓口を利用します。ちなみに、改札口らしいものはありません。大分県内の駅で立派な改札口を持つ所は少なく、自動改札機が置かれているのは、2004年1月の時点では大分駅だけでした。しかも、設置されたのが2001年か2002年のことです。
敷戸駅は有人駅です。しかし、私が大分市に住んでいた当時は、平日ですと20時半か21時まで、休日ですと19時くらいまでしか駅員がおりません。そのため、夜などにワンマン列車に乗ると、切符を運転手に渡すか、この切符入れに入れるか、ということになります。大分県で、このような切符入れがない駅、つまり、駅員常時配置駅は非常に少ないのです。豊肥本線ですと、大分駅と豊後竹田駅以外であれば、切符入れがあるはずです(三重町駅にはないかもしれません)。
列車(と言っても1両だけのことも少なくなかったのですが)の待ち時間を、このホームで過ごします。キハ58やキハ200などの4両編成までなら大丈夫という長さです。御覧のように、交換設備のない単線で、カーブの途中にある駅です。左側には、敷戸川に沿って広いスペースがありますから、交換設備を置くことも可能ではないかと思われます。
線路の向こう側には花壇がありました。駅員が手入れをしていたようで、何度か作業の様子をみたことがあります。その少し奥が敷戸川なのですが、小さな川ですし、この写真ではよくわかりませんね。
花壇の南側です。丘のほうに団地が広がっていることがわかります。いつのことだったか、この駅で鼬(いたち)をみました。線路のすぐそばに山が迫っている古国府駅でならわかるのですが、この敷戸駅付近のどこに鼬が住んでいるのか、不思議な気分になりました。ちなみに、大分大学では、昼間に狸が歩いていることもあります。
大分県内の駅には、必ずと言ってよいほど名所案内があります。もっとも、「これが最寄りの名所なのか?」と首をかしげる場合もあります。何しろ、当駅下車・バスで1時間とか、当駅下車・徒歩1時間などと書かれている場合が多いからです。その点、敷戸駅はまだよいほうでしょう。ただ、西寒多(ささむた)神社まで、本当に徒歩30分で行けるのでしょうか。実際に歩いたことがないのでよくわからないのですが、車でも5分以上はかかります。距離もかなりのものです。大分駅付近から敷戸駅前を通って西寒多神社、さらに美し野へ向かうバス路線があったのですが、私が大分大学を離れて程なく、大分バスの事業再編に伴い、廃止されています。
また、大分大学も登場します。2002年3月まで、大分大学の最寄り駅は敷戸でした。そのため、大分大学前駅ができてからも、案内板に「大分大学 徒歩20分」と書かれているのです。但し、これも人によりけりです。また、大分大学の正門までということですから、注意が必要です。正門からは急な登り坂ですので、一番近い経済学部の校舎までであってもかなりの時間を必要とします。
駅名標です。大分大学前駅が新しい駅であることがよくわかります。大分方面の次の駅は滝尾で、熊本方面の次の駅は中判田だったのです。駅名標には「なかはんだ NAKAHANDA」と書かれているのですが、その上から「おおいただいがくまえ ŌITADAIGAKUMAE」のシールが貼られています。
首都圏の鉄道であれば、1年も経つと新しい駅名標を作るでしょう。東急線などがそうです。しかし、敷戸駅の駅名標は、しばらくの間、このままではなかったかと思われます。現在はどうなっているのか、それはわかりません。
大分市に住み始めてからの7年間、この敷戸が最寄り駅でして、私は、この駅から色々な所に行きました。そして、大分市を離れてから8年が経ちます。その間、何度か大分市を訪れ、この駅の近くを通ったこともありますが、一度も利用したことがありません。
(2004年2月28日、「待合室」第89回として掲載。2012年3月5日、一部を修正の上で再掲載。)