ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2004年1月31日の敷戸駅(その1)

2012年03月04日 02時23分40秒 | 写真

 私のホームページに設けている「待合室」に、2004年1月31日に撮影した敷戸駅の写真を、2回に分けて掲載しました。それから8年以上が経っていますが、再び取り上げることとしました。

 1997年4月から2004年3月まで、私は大分大学に勤務しており、大分市内に住みました。その当時の自宅の最寄り駅が敷戸駅です。最寄り駅と言いながら1キロメートルほど離れていますが、大体、首都圏生活者なら当たり前の早足ですと10分ほどで着きます。大分駅から豊肥本線の普通列車で2駅目です。2002年3月23日に大分大学前駅が開業するまでは、大分大学の最寄り駅でもありました。但し、敷戸駅から大分大学までは1キロメートル以上離れており、徒歩で20分近くかかります。

 豊肥本線は単線でして、この敷戸駅と大分大学前駅には列車交換の設備がありません。しかし、上の写真の奥には団地などの住宅地が広がっているため、大分県内の駅としてはかなり多くの乗降客数となるようです。実際、時間帯によっては、大分駅からの乗客の半分ほどが、敷戸駅で降ります。

 JR九州では、上の写真にあるようなタイプの看板がよく用いられます。右の道路は、門司から鹿児島までの国道10号線で、東木(とうぼく)団地入口の交差点が見えます。大分大学前駅ができるまでは、敷戸駅を降りて、この国道を手前から奥に歩いていきました。数年前までは、奥のほうに見える歩道橋から道幅が狭くなっていたのですが、現在は旦野原(だんのはる)の自衛隊大分分屯地(陸上自衛隊大分弾薬支所)手前まで片側2車線となっています。

 

 この写真を御覧になって、その下に改札口があるのではないかと思われた方も多いのではないでしょうか。実際、ホームの中央部分付近にあり、最初の写真と同じような三角屋根になっています。しかし、これはただの看板なのです(よくみたら、2枚目の写真で種が明かされていました)。

  敷戸は、元々、大字鴛野(おしの)の一部分であったようです。実際、敷戸バス停は大字鴛野にありますし、この駅の所在地も大字鴛野です。しかし、住宅地として発展したため、現在では、この駅の東側に敷戸新町、敷戸西町、敷戸南町、敷戸北町、敷戸東町があります。大部分は丘陵地帯です。

 敷戸駅の駅舎です。小さな駅であるということがおわかりでしょう。隣の滝尾駅は列車交換設備があるのに無人駅ですが(私が大分市に住んでいた時には、平日の朝、おそらく大分駅からの出張と思われる駅員がいました)、敷戸駅は、交換設備もないのに駅員がいます。但し、平日と休日とで時間が異なるとはいえ、早朝と夜間には駅員がいないのです。勿論、自動改札機というものもありません(今後、SUGOCAが導入されるようですが)。

 また国道10号線です。手前はタクシー乗り場ですが、自家用車なども停まっています。勿論、駅までの送り迎えのためです。東木団地入口交差点を右折すると寒田(そうだ)方面で、団地などがあります。手前は大字鴛野、大字宮崎方面です。この交差点から宮崎交差点までは、やたらと自動車販売会社が多く、国産車を探すには非常に楽な所でしたが、現在はどうでしょうか。

  駅前の自転車置き場です。奥が滝尾、大分方面です。道路の橋が見えます。左側は国道10号線、右側は敷戸団地方面です。橋の奥に住宅地が見えますが、やはり団地です。大分市では、一軒家が集まっている場所も団地という場合があります。

 実は、この敷戸駅、大分大学前駅ほどではないですが、新しい駅なのです。1987年4月、国鉄の分割民営化によってJRグループが発足しましたが、その直前とも言える同年2月、敷戸駅が開業しました。

 或るホームページでは大分大学の要請云々と書かれていましたが、そうではなく、大分県営の敷戸住宅などに居住する利用者が多く見込まれたから開業したのでしょう。実際、利用客数は滝尾駅や中判田駅より多いのです。

 1987年までは滝尾駅と中判田駅との間に駅がなかったのでした。昭和40年代に大分大学が旦野原地域に移転したのですが、それから20年近く、大分大学の近所に駅が存在しなかったのです。多分、当時の最寄り駅は中判田駅だったのでしょう。敷戸駅が開業してから大分大学前駅が開業するまで、実に15年もかかっています。その大分大学前駅も、大分大学の要請という力だけで開業できなかったのは明らかでして(もしも力があれば、敷戸駅より大分大学前駅のほうが先に開業しています)、旦野原地区(とくに旦野原ハイツ地区)の人口が増えたこと、高江ニュータウンの造成が進んだことが真の理由です。

 なお、日豊本線の牧駅も、敷戸駅と同じ日に開業しています。また、大分市内でJR九州の発足前後に開業した駅は、久大本線の古国府(ふるごう)駅と豊後国分駅、そして豊肥本線の大分大学前駅です。

  〔2004年2月21日、「待合室」第88回として掲載。2012年3月4日、一部を修正の上で再掲載。〕

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