ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

ねずみ男列車(JR西日本境線)

2023年12月01日 00時00分00秒 | 写真

最初にお断りしておくと、今回も私ではなく、妻が撮影したものです。

 境線を走るねずみ男列車です。国鉄時代に製造されたキハ40系にラッピングが施されています。米子市にある後藤総合車両所にはキハ126系も配属されており、境線でもキハ126系が運行されているようですが、ねずみ男列車および鬼太郎列車となっているのはキハ40系であり、こちらが主力となっているようです。

 ただ、キハ40系は、製造から少なくとも40年が経過しているため、そろそろ新車への置き換えが検討されてもおかしくないでしょう。問題はJR西日本の経営状況、とくに山陰地方の各路線の状況です。2023年11月28日にJR西日本が発表した「輸送密度2,000 人/日未満の線区別経営状況に関する情報開示」には境線が登場していませんが、それは同線の2022年度における平均通過人員が2000人/日であるためです。しかし、1987年度における平均通過人員が3022人/日でしたから、3分の2以下にまで減ったことになっていますから、早ければ2023年度に2000未満に下がる可能性も否定できません。

 それでも、山陰本線よりは良いでしょう。同線の落ち込みがかなりのものなのです。「輸送密度2,000 人/日未満の線区別経営状況に関する情報開示」によれば、山陰本線のうち、問題となっている区間の状況は次の通りです(線区運輸収入、線区営業費用、収支率および線区営業係数は2020年度から2022年度までの期間の平均値)。

 ①城崎温泉駅~浜坂駅

 営業キロ:39.9km

 線区運輸収入(A):1.0億円

 線区営業費用(B):10.5億円

 収支率(A/B):9.5%

 線区営業係数(100×B/A):1,053円

 1987年度の平均通過人員:4,966人/日

 2022年度の平均通過人員:721人/日

 2022年度の平均通過人員/1987年度の平均通過人員:15%

 ②浜坂駅~鳥取駅

 営業キロ:32.4km

 線区運輸収入(A):0.8億円

 線区営業費用(B):8.4億円

 収支率(A/B):10.1%

 線区営業係数(100×B/A):991円

 1987年度の平均通過人員:4,878人/日

 2022年度の平均通過人員:768人/日

 2022年度の平均通過人員/1987年度の平均通過人員:16%

 ③出雲市駅~益田駅

 営業キロ:129.9km

 線区運輸収入(A):5.6億円

 線区営業費用(B):38.7億円

 収支率(A/B):14.4%

 線区営業係数(100×B/A):694円

 1987年度の平均通過人員:2,779人/日

 2022年度の平均通過人員:860人/日

 2022年度の平均通過人員/1987年度の平均通過人員:31%

 ④益田駅~長門市駅

 営業キロ:85.1km

 線区運輸収入(A):0.6億円

 線区営業費用(B):12.0億円

 収支率(A/B):5.2%

 線区営業係数(100×B/A):1,939円

 1987年度の平均通過人員:1,663人/日

 2022年度の平均通過人員:231人/日

 2022年度の平均通過人員/1987年度の平均通過人員:14%

 ⑤長門市駅~小串駅および長門市駅〜仙崎駅

 営業キロ:52.8km

 線区運輸収入(A):0.6億円

 線区営業費用(B):8.9億円

 収支率(A/B):6.9%

 線区営業係数(100×B/A):1,457円

 987年度の平均通過人員:2,424人/日

 2022年度の平均通過人員:273人/日

 2022年度の平均通過人員/1987年度の平均通過人員:11%


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