現在は全編成が5両編成で大井町線の各駅停車用として運用されている東急9000系ですが、当初から大井町線で運用されていた9007Fを除き、長らく8両編成で東横線で活躍してきました。今回は、東急で新車のVVVF制御車として登場した9000系のうち、東横線でTOQ BOX号として運用されていた9006Fを取り上げます。
二子玉川駅の2番線に各駅停車溝の口行きの9006Fが到着しました。
左側上部の「各停」の表示を御覧ください。鉄道ファンの間でもよく知られていることですが、大井町線には各駅停車が二種類あります。この写真では青地の白抜き文字で書かれており、これはB各停または青各停とも呼ばれています。これに対し、白地の緑文字で書かれているものはG各停または緑各停とも呼ばれています。
B各停とG各停との違いは停車駅にあります。「各駅停車に違いがあるのか?」と言われるかもしれませんが、違いがあるのです。もっとも、本来の大井町線である大井町駅から二子玉川駅までの間には違いがありません。
違いは田園都市線の二子玉川駅から溝の口駅までの間にあります。B各停は二子新地駅および高津駅に停車するのに対し、G各停は両駅を通過します。基本はG各停なので、大井町線の各駅停車は二子新地駅および高津駅を通過することになるのですが、本数こそ多くはないもののB各停もあります。車内放送では「田園都市線経由」と案内されます。
高津駅1番線からB各停溝の口行きが発車しました。この先で複々線の外側から内側に転線し、溝の口駅2番線に到着します。ちなみに、G各停は複々線の内側である2番線および3番線(いずれもホームなし)を通過します。
TOQ BOX号のことを書き忘れていました。これは、車内の広告が一社のものに統一されていた編成で、アドトレインの先駆的なものです。東横線ではこの9000系9006F、田園都市線では8500系8634FがTOQ BOX号となっていました。すぐにわかるように、正面、側面ともに派手ながらも和やかなデザイン(虹、トランペットなど)のシールが貼り付けられていました。既にシールなどは剥がされていますが、長らく、その跡を見ることができました。
この9000系がデビューしてから既に35年が経過しています。確たる情報とは言えないのですが、大井町線各駅停車用の新車が数年後かに登場するようです。そうなると、9000系も廃車されることになるかもしれません。
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