私が木曜日に担当している「基本法学概論」の受講者に、このブログを見ている学生がいるかどうかわかりませんが、記しておきます。「まさか」と思ったのですが、正解者が一人もいなかった小問がありました。
10月16日、つまり先々週の木曜日に行った小テストで、「事理弁識」能力が正解となる小問を出しました。ところが、全員が不正解でした。
この言葉は、少なくとも法学部法律学科の1年生であれば、「現代社会と法」で頭に叩き込まれているものであるはずです。事理弁識能力に衰えがあるから、制限行為能力者とされうる訳です。いかに普段から民法の条文を読んでいるかいないかがわかるというところでしょう。
突飛な問題を出したりしたのであれば、正解者ゼロであっても不思議ではありません。しかし、1年生、2年生と、小テストで何回も登場している言葉です。
参考までに、民法の条文を引用しておきます。
(後見開始の審判)
第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
(保佐開始の審判)
第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
(補助開始の審判)
第十五条 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。
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