ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

内閣総理大臣辞任、すなわち内閣総辞職の意向?

2021年09月03日 12時50分00秒 | 国際・政治

 9月は政局の月なのでしょうか。

 菅義偉内閣総理大臣が自由民主党総裁選挙に立候補しないことを表明したようです。従って、菅内閣は総辞職ということになりそうです。短命内閣であろうとは予想していましたが、もとから残任期間のみであったのでしょうか(定かではありませんが)。

 憲法第67条第1項には「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ」としか定められていませんが、議会制民主主義の不文法というべきものでしょうか、慣習の一種として、衆議院議員であり、かつ、衆議院の多数会派の領袖であることが求められています。現在の衆議院の多数政党は自由民主党(会派は自由民主党・無所属の会)であり、その代表は自由民主党の総裁です。つまり、総裁であるから内閣総理大臣であるというのが暗黙の前提(?)なのです。

 従って、内閣総理大臣が、自ら所属する政党の代表選挙(自由民主党の場合は総裁選挙)に立候補しないということは、早晩、内閣総理大臣を辞職するということです。さらに、憲法第70条に「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない」と定められているように、内閣総理大臣が辞任することは内閣総辞職をも意味します。ちなみに、この場合、衆議院の解散があるか否かは無関係です(より正確に記すならば、時間の問題に過ぎません。衆議院が解散されたとしても、衆議院議員総選挙が行われた後の特別国会(または臨時国会)で次の内閣総理大臣が指名され、次の内閣が組織されれば、その段階で内閣総辞職であるためです。

 COVID-19の猛威が昨年(2020年)以上になっている今年、菅内閣の下では緊急事態宣言が出されていない日のほうが少ないという状況が続いています。今後の政局がどのようになるのかは不透明ですが、それだけに国民の選択が重要になってきます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東京メトロ17000系17102F | トップ | 東急3020系3123F »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事