ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2005年9月8日、福岡市営地下鉄七隈線に乗る。

2019年09月18日 00時00分00秒 | 旅行記

 〔以下は、「待合室」の第147回「福岡市営地下鉄七隈線に乗って(その1)」(2005年10月12日~20日掲載)、および第148回「福岡市営地下鉄七隈線に乗って(その2)」(2005年10月20日~27日掲載)をまとめ、修正したものです。写真撮影日は2005年9月8日です。なお、写真をクリックすると拡大します。〕

 

 前回に続き、今回も2005年9月の福岡を取り上げます。デジタルカメラを持って行ったので、数こそ多くないものの、写真を撮ることができました。

 台風14号のため、福岡入りが一日遅れて9月7日になりました。福岡空港に到着した後、すぐに地下鉄空港線で天神へ出て、西鉄福岡駅から徒歩数分、渡辺通にある西鉄イン天神(集中講義を担当していた時には、ここを定宿にしていました)にチェックインし、すぐに外に出ました。2005年2月に開業した地下鉄七隈線に乗ろうと思ったから、そして、六本松で夕食をとろうと思ったからです。

 地下鉄七隈線の起点、天神南駅です。福岡の都心、天神一丁目の南側、西中洲や春吉にも近い場所にあります。博多大丸のすぐそばですので、わかりやすいところですが、空港線の天神駅とは乗り換え扱いになっているにもかかわらず、500メートル近くも離れています。そのためなのか、乗り継ぎの場合は2時間以内というかなりの余裕がありました。実際、福岡空港駅でよかネットカードを手に入れた私も、ホテルに寄ったにもかかわらず、2時間以内だったので、福岡空港からは途中下車扱いにならず、終点の橋本まで通しで乗ることができました。

 時間は夜、19時を過ぎていますが、それにしても御覧の通り、あまりお客がいなかったことは非常に気になりました。天神駅や西鉄福岡駅、そして天神地下街の人通りが嘘であるかのような印象すら受けます。

 ともあれ、ここから電車に乗り、終点の橋本まで行ってみることとしましょう。

 暗い写真で申し訳ございません。七隈線に乗って終点の橋本まで来ました。ここは福岡市西区です。天神南から25分くらいでしょうか。一度、車で通ったことがあったような、なかったような、という所でした。

 それにしても、地下鉄の駅前でここまで暗い場所はあるのだろうか。橋本駅を出た瞬間に思いました。東京の地下鉄で、ここまで立派な構えではないがもう少し明るいという駅はいくらでもあります。とにかく、駅前にほとんど店などがなく、あるのは広い道路と広い歩道、そして数が多いと言えない民家だけでした。天神南駅周辺と比較にならないほど閑散としています。

 しかも、不思議なことに、駅前からは郊外型店舗が集まっている箇所を見ることができます。駅前ではなく、少し離れたところのほうが明るいのです。当時、福岡市営地下鉄のすべての駅を使ったことがある訳ではないのでよくわからなかったのですが、空港線と箱崎線にこんな駅はありません。

 やはり駅前から、おそらく野方の方向に向かって撮影したものです。駅から少し離れたところは、御覧のように明るくなっています。しかし、駅前はかなり暗いのです。七隈線の橋本駅は、中途半端なところにあります。もう少し延ばせば、野方、そして姪浜か下山門に行けるのですが。

駅前の脇道です。駐車場と畑があります。普段であれば必ず周囲を歩いてみるものですが、こんなところを歩いたら道に迷いそうなので、やめました。

 橋本駅前のロータリーですが、ほとんど車はありません。単に時間の関係か、普段から少ないのかはわかりません。この時間、私だけが、デジタルカメラを持って駅前を歩き回っていました。だんだん、変な気分になってきました。つい4時間ほど前まで川崎市におりましたし、20年前や30年前ならともあれ、こんなところは川崎市でも非常に少なくなっているからです。福岡市は、かなり前から路線バス社会あるいは自家用車社会になっています。改めて、そのことがわかったという次第です。

 駅の裏に畑がありました。何を栽培しているのかはわかりません。東京では、おそらく、地下鉄の駅の裏に畑があるようなところはありません。もっとも、田園都市線の桜新町駅や用賀駅を降り、10分から20分くらい歩けば、野菜を栽培する農家の畑などを見ることはできますが。 

 初めて行ったところでは方向感覚が麻痺するのか失われるのか、よくわかりませんが、やはり駅前からです。コンビニや焼肉屋の看板が近くに見えますが、実際はもう少し離れたところに見えます。 そろそろ空腹感を覚えてきましたし、ここで1時間ほどの時間をつぶせるような性格でもないので、七隈線に乗って折り返し、六本松へ出ようと思います。

 橋本駅の改札口から地上への階段に至るまでのスペースです。まだ開業していない駅のように見えますが、そうではありません。電車が到着すると、多少のお客が通るのです。それにしても、ここまで人がいないと……

 ホームに行き、電車に乗ります。福岡市営地下鉄のうち、七隈線 は当初からホームドアが設置されています。東京で言えば都営三田線や東急目黒線のような感じです。空港線にも、昨年辺りからホームドアが設置されています。

 後ろから、私が乗った電車を撮影してみました。システムとしては、大体ですが都営大江戸線と同様で、リニア地下鉄の一種です。厳密な寸法がどうなっているのかわかりませんが、大江戸線と同じくらいのスペースでしょうか。運転台が右にある点、ワンマン運転である点も同じです。ただ、インテリアのせいか、七隈線のほうが少し広く感じます。

 運転台を撮影してみました。車掌がおりませんので、運転台を使わない場合にはカヴァーがかけられています。乗客でも運転台に座ることが可能です。運転台の真上に案内表示機がある点は独特で、バスと似ていますが、これは非常に便利です。もう少し大きければ読みやすいし、意味が増すとは思うのですが。

 私は、それほど色々な地下鉄に乗っている訳ではありませんが、福岡市営地下鉄の路線案内図・表示などは非常にわかりやすく、評価に値すると思います(敢えて記すと、逆にわかりにくいと感じたのが大阪市営地下鉄御堂筋線と北大阪急行でした)。福岡市営地下鉄の場合は路線図が割に単純なためかもしれませんが、初めて利用される場合でも、電車の行き先、次の駅、降り口などがしっかりとしめされ、わかりやすいと感じられるはずです。以前、営団地下鉄の銀座線や丸ノ内線もよい表示方法を採用していましたが、福岡の場合はそれ以上によいと思います。

 念のためにお断りしておきますが、回送電車に乗った訳ではありません。橋本駅を発車した電車は4両編成ですが、先頭の車両と一番後ろの車両にはお客が乗っているのに、中2両には誰も乗っていなかったのでした。橋本の次の次郎丸駅でもお客がおらず、たしか、賀茂駅か野芥(のけ)駅でようやくお客が乗り込んできたはずです。20時頃、これから天神方面に行く人は少ないかもしれませんが、それにしてもこの空き方には感心しました。朝の東急田園都市線下りを思い出させます。

 しばらく走り、六本松に到着しました。以前は九州大学の教養部があったというところですが(今も、名称は違いますが同様であるようです)、2005年9月当時には比較社会文化学府・研究院と言語文化研究院がありました。ただ、この時に福岡市西区・前原市・志摩町に伊都キャンパスが建設され、一部がそちらに移転をしていました。将来的には、箱崎、六本松などに分かれていた部局を統合するとのことですから、何年か後には六本松から九州大学の校舎がなくなるのでしょう。既に、福岡市は六本松と箱崎について検討を始めているようです。

 どうして六本松で降りたかというと、美味しい料理(庶民料理ですが)を食べられる店が駅の近くにあるからです。昨年の集中講義の際も、西新からバスで六本松へ出て、この店で夕食をとり、ビールなどを飲みました。ここは地元で結構有名で、いつ行ってもにぎやかです。店の名前と詳しい場所については秘密としておきましょう。

 (もう一軒、空港線の藤崎駅近くにも私が気に入っている食堂がありますが、ここも秘密です。)

 福岡は城下町だったということもあったためか、意外に道がわかりにくく、私は、何度も行っている割にはあまり覚えていません。一度、まだ大分市に住んでいる頃のことですが、天神から歩いて(バスではありません)六本松へ行き、隣の草香江と合わせて古本屋を探しまわったのですが、そこからわからなくなり、鳥飼を経由して西新まで歩き通したことがありました。でも、六本松駅周辺はわかりやすいほうでしょう。

 福岡市営地下鉄の各駅には、六本松と薬院でおわかりのように、シンボルマークがついています。 六本松で夕食を楽しみ、ビールと焼酎を飲んで、薬院駅で降りました。西鉄天神大牟田線との乗換駅ですが、私が滞在したホテルが西鉄天神大牟田線の沿いにあり、薬院からも西鉄福岡(天神)からも渡辺通からも近いという場所にあり、薬院駅前で買い物をしてから帰ろうと思い、降りたのでした。

 ところが、この薬院から大変な目に合ってしまいました。これまで体験したことがないだけに、ショックを受けました。

 薬院駅のすぐそばにあるスーパーマーケットで買い物をして、さてホテルに戻ろうと思い、西鉄の高架に沿って歩き出しました。ホテルは、薬院から西鉄福岡(天神)へ向かう途中にあります。昨年も同じホテルに泊まっていましたし、やはり薬院から歩いて帰っています。西鉄を見ながら歩いていくのですが、もうかなり歩いているのに、いつまでたってもホテルが見えません。天神にも到着しません。そばの町名表示を見ると「那の川」と書かれています。さすがにおかしいと思いました。付近の駐車場には「平尾」と書かれています。そして、西鉄の駅が見えて完全にわかりました。西鉄平尾駅へ向かっていたのです。たしかに薬院の次の駅ですが、西鉄福岡(天神)とは反対の方向だったのです。こんな間違いをしたことは、東京周辺は勿論、大阪などでもありません。何度も福岡に行っているのに、と我ながら情けなくなり、普通電車しか停まらない西鉄平尾駅で西鉄福岡(天神)行きの電車を待ちました。

 西鉄福岡(天神)駅からは、ホテルにまっすぐ帰りました。「多少知っている街でも、方角には気をつけよう」というのが、今回得た教訓です。


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