ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

再度の緊急事態宣言もありうる? / アベノマスク第2弾の顛末は

2020年07月31日 00時00分00秒 | 国際・政治

 7月に入ってから新型コロナウイルスの感染者数が激増しています。29日には、これまで感染者がいなかった(報告されていなかった)岩手県でも、残念なことに感染者が出ました。30日には愛知県で初めて100人を超える感染者が確認されましたし、東京都ではこれまでで最も多い367人の感染者が確認されました。ちなみに、アメリカ合衆国では新型コロナウイルスによる死者が15万人を超えています。

 ここまで来たらGo toも何もないはずですが、撤回される、あるいは取り下げられる気配はありません。人が旅行に行けば、多少とも気が緩むのが当然なので、感染の機会が多くなるだけです。変な表現を使うならば、感染のカクテル状態になりかねないのです。

 伝え聞くところによると、政府は再度の緊急事態宣言には消極的で、Go toも続けるようです。理由として、4月、5月と比べて重症者が少ないからということが言われているらしいのですが、多い少ないの問題ではないでしょう。症状の軽重に関わらず、厄介な後遺症があるという記事も読みました。

 30日の夕方に速報が入りました。何かと思ったら「小池東京都知事が感染拡大特別警報を発出。さらに悪化なら独自の緊急事態宣言も」でした。これは「感染拡大で小池知事『特別警報』 独自で緊急事態宣言も」という、7月30日18時2分付の記事(https://www.asahi.com/articles/ASN7Z5VTVN7ZUTIL04B.html)にリンクしています。内容は、東京都知事が「都内全域の酒類を提供する飲食店とカラオケ店を対象に、営業時間を短縮するよう要請すると発表した」というものです。理由は「会食を通じた感染例が増えているためで、営業時間は午前5時から午後10時までとするよう求める。対象期間は8月3日から31日までで、全面的に要請に応じた中小事業者には協力金20万円を支給する」と書かれていました。さらに、場合によっては東京都が独自に緊急事態宣言を出さざるをえない旨も述べられた、とのことです。

 一方、Yahoo! Japan Newsに7月30日15時21分付で掲載された「東京都医師会長『法的拘束力ある休業要請を』 特措法改正を要求『火種消す唯一の方法」(https://news.yahoo.co.jp/articles/ac8502e1a296fe6fc7bfbacfa46470570976c15a)という記事では、東京都医師会の尾崎会長が特別措置法の改正を訴え、都道府県が休業や検査をお願いするのではなく(検査はついでなのでしょうか?)、国が法的拘束力のある休業要請を行い(勿論、対象も東京都に限られないでしょう)、かつ補償もする必要がある旨を主張したと報じられています。医師、看護師、そして医療施設の危機感が強く出されていました。コメント欄を少しばかり見ると、賛同の意見が多いようです。

 私は第二波がやってきたのではなく、第一波が収まっていないうちに緊急事態宣言が解除されたので再び勢いが増しただけだと考えていますが、この夏は耐える季節、耐乏の季節となりそうです。元々、夜の街を飲み歩くような趣味はないのですが、危うきには近寄らないのが一番です。

 ここから話を変えます(関連はします)。

 Go toをキャンペーンとしてやっている割には東京都を除外して(これには伊豆諸島や小笠原諸島も入るのでしょうか?)航空会社や旅行会社に打撃を与えており(東京株式市場の値動きなどを見てください)、よくわからない状況となっているのですが、わからないと言えばアベノマスク第2弾の配布が報じられたことです。最初にこのニュースを目にしたときには訳がわからなかったのですが、どうやら本当に行うつもりだったようです。

 第一弾は、4月中に全国に配布がなされていれば、まだ意味はあったのでした。しかし、実際には不良品などが多数見つかり、5月に入ってから東京都以外の全道府県で配布が始まりました。4月に先行配布された東京都でも、世帯によって時期の違い(しかも大きな)があったようです。川崎市高津区でも、5月中旬に配布された所もあれば、うちのように6月16日に届いたところもあります。しかも、宛名も何も書かれていません。これでは何処に配達したか、されたのかがわからないでしょう。全世帯に届いたのかも疑問が残ります。

 とかく不評であったにも関わらず、何処からどのように発案されたのかがわからないのですが、第二弾として8000万枚が配布されると報じられました。今度は全世帯にではなく、介護施設などへ配布するということでした。

 しかし、私も近所のスーパーマーケットやドラッグストアで見ますが、不織布マスクはかなり出回るようになっています。どういう訳か、うちの近所ではドラッグストアよりスーパーマーケットのほうで多く売られています。コンビニエンスストアでは品薄か売り切れ状態が続いていますが、店によるということでしょうか。ハンズ・ビーでも売られていました(しかも購入枚数またはセットの限定なし)。

 アベノマスク第二弾は、介護施設などのニーズに合わないということで批判が高まり、結局は断念されたようです。それはそうでしょう。介護施設などで必要とされるのはアベノマスクではなく、不織布マスクです。私も不織布マスクを見つけたら買うようにしています。今年の4月中旬頃まではよほどのことがなければマスクを付けなかった私ですが、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、3月から5月まで、買いたくても買えなかったから付けなかっただけです。そのため、なるべく外出しないようにしていました(今もあまり出歩きません)。

 東京新聞社の7月29日6時付の記事「アベノマスク8000万枚の追加配布に批判殺到 『ありがた迷惑』『税金の無駄遣い』」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/45502)には、改めて「記者会見に登場する閣僚もほとんど使っていない」という指摘がなされていますし、私も、報道で安倍内閣総理大臣が着用しているのを見る以外に、ほとんど見る機会がありません。川崎市高津区にはそこそこの人口がありますが、老若男女を問わず、あのなかなか配布されなかったアベノマスクを付けている人を見たことがないのです(むしろ、マスクを全く付けない人のほうをよく見かけます)。この東京新聞社の記事によれば、官房長官は28日の記者会見において「『相対的にコスト面でも安価であり、マスク需要の抑制に資する。継続配布は有意義だ』と強調した」とのことですが、老人介護施設や認可保育所などからは、現場を知らないのかという趣旨の批判が上がっています。

 このような批判に対しては、おそらく「お上の御慈悲に文句を付けるな」というような非難がよせられそうです。どうかすると政府が強化してきた(?)道徳の教材としてアベノマスクを(題材として)利用しようとする動きがあるかもしれません。しかし、テレビなどでみる限りでは国務大臣も国会議員も着用していないのですから、道徳教育には使えません。こういう方々が着けていないのに、我々国民が着けなければならないというのもおかしな話です。

 うちでは、アベノマスク2枚を保存しています。救急箱に入っています。


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