2011年12月23日付で「渋谷のBUNKAMURA地下1階で購入した2枚組CDがなかなか良い(妻がすぐに気に入りました)」として記事を書いた。取り上げたのは、渋谷のナディッフ・モダンで購入した2枚組CD、Dustin O'Halloran, Piano Solos Vol. 1 and 2である。渋谷区宇田川町にあるインパートメントが発売している。
このピアノ曲集は、ぼくはもちろん、妻も気に入った。或る時、NHK総合テレビの番組(おそらく震災関係であったと記憶する)に、この2枚組CDに収録されている曲がバックに使われており、「さすがNHKだ」と感心したが、先に気づいたのは妻だった。
You Tubeを見ていると、彼のコンサートかライブの映像も見ることができる。Opus 28が、ピアノと弦楽合奏で演奏されているというものである。他にも、美しい写真や動画とともに流れるというものがあり、ファンが少なくないということを知った。もっとも、ぼくが知る限り、日本人がアップした動画はない。
また、ダスティン・オハロランは、日本ではあまり有名でないため、Piano Solos Vol. 1 and 2を初めとした作品の入手は難しいようである。ぼくもこの2枚組CDしか持っていないし、購入まで全く知らなかった。先月であったか、HMVのオンラインストアを見たらPiano Solos Vol. 1 and 2を購入することが可能であったようであるが、元々あまり出回っていないためか、今は入手困難らしい。iTunes Storeでは購入不能である(iTunesにCDを入れると「トラック1」などとしか表示されなかった)。
しかし、有名でないということと、作品のグレードとは別の問題である。以前、ナクソスのCDの販売モットーにもあったように、有名な音楽家の演奏だから良いという訳ではなく、むしろ逆のことも少なくない。
少し音量を落として、静かに流れるという感じで聴いてみるとよい。邪魔にならないBGMでもあり、深く聴きこむことができる芸術作品でもある。番号順に収録されていないのが難点と言えるかもしれないが、佳曲揃いの逸品として推薦できる。
ここで、2枚組CDの収録曲を記しておこう。
Disc 1: Piano Solos Vol. 1
1. Opus 12
2. Opus 13
3. Opus 9
4. Opus 14
5. Opus 16
6. Variazione Di Un Tango
7. Opus 7
8. Opus 15
9. Opus 11
10. Opus 17
11. Opus 18
12.Fine
13. Opus 24 (Bonus Track)
Disc 2: Piano Solos Vol. 2
1. Opus 20
2. Opus 22
3. Opus 21
4. Opus 23
5. Opus 26
6. Opus 34
7. Opus 28
8. Opus 35
9. Opus 30
10. Opus 38
11. Opus 37
12. Prelude N. 3 (Bonus Track)
13. Opus 54 (Bonus Track)
先程記したように、どれも佳曲である。あえてぼくがとくに気に入った曲を番号順に記すと、Opus 7、12、17、20、28、30、35である。望むところを記せば、せっかくなので、Opus 1から番号順に並べて聴いてみたい、と思っている。
こういう音楽がメジャーレーベルから販売されないから、日本の音楽業界が衰退するのも当然であろう。間章が1970年代に書いたように、日本の音楽業界は必要以上に音楽ファンを馬鹿にしている。今、どこかの集団が一人勝ちであるらしいが、大体、一人勝ちというのは繁栄の時期に生じない。一つの業界で一つの会社なり集団なり個人なりだけが勝利するということは、全体的に見れば確実に衰亡期の深みに入り込んでいるのである。
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