大学の中にある書店で、山家悠紀夫『日本経済30年史』(2019年、岩波新書)を買い、読んでいました。
その234頁に、次のような件があります。
「『アベノミクス』と呼ばれることになった安倍内閣の経済政策には、三つの特徴がある。(1)科学性、論理性に欠ける政策、(2)企業のための政策、(3)暮らしの視点が抜け落ちた政策、の三つがそれである。」
すぐ後に実例が続きますが、ここでは詳細な引用を避けます。ただ、2013年6月4日閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針2013)について山家氏が評価している部分は紹介しておきましょう。
氏が骨太の方針2013を取り上げたのは「第二次安倍内閣の経済政策についての初期の文書のうち、最も長く記したもの」であるからですが、「どうして20年間、総じて低い経済成長に甘んじてきたのか、どうして政府の政策が効かないのか、どうすればよかったのか、その分析は一切ない」ところに「いきなり『三本の矢』政策が登場する」と記しています(235〜236頁)。
私自身も薄々、あるいはぼんやりと考えていたところでしたが、やはりそうか、と納得しました。2013年のものに限らず、骨太の方針を読んでみても、或る政策についてどのような分析がなされているのかが明確になっていない部分が多いのです。このことは、これまで私が地方自治総合研究所発行の「自治総研」に何度か発表した論文のテーマとなっている法律についても同様です。
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