ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

留萌本線は完全に廃止されることに

2022年08月31日 00時00分00秒 | 社会・経済

 2022年7月16日の14時付で「留萌本線は全廃の方向へ」という記事を載せましたが、ついに完全廃止ということで決着したようです。8月30日の19時付で、朝日新聞社が「留萌線、26年3月末までに廃止 JR北が廃止方針の全5線区で決着」(https://digital.asahi.com/articles/ASQ8Z64BGQ8ZIIPE002.html)として報じています。

 留萌本線は、元々、深川駅〜増毛駅の路線でしたが、それは2016年12月4日までのことであり、現在は深川駅〜留萌駅の50.1キロメートルの路線です。しかし、単独維持困難路線の一つとなっており、廃止に向けた議論が重ねられてきました。結果として、2段階での廃止となりました。8月30日、留萌市において行われた会議の場で、沿線自治体(深川市、秩父別町、沼田町、留萌市)がJR北海道の提案を受け入れることを決定したためです。

 まず、2023年3月末をもって、石狩沼田駅〜留萌駅の35.7キロメートルが廃止されます。次に、2026年3月末をもって、深川駅〜石狩沼田駅の14.4キロメートルが廃止されます。このようになったのは、深川駅〜石狩沼田駅の区間については高校生の通学利用が多いことが理由となっています。

 単独維持困難路線のうち、2016年にJR北海道が廃止の方針を打ち出したのは5線区です。既に石勝線夕張支線(新夕張駅〜夕張駅)、札沼線の北海道医療大学駅〜新十津川駅、日高本線の鵡川駅〜様似駅の各区間は廃止されており、2022年1月には根室本線の富良野駅〜新得駅の廃止が決まっています(詳細はわかりません)。留萌本線の全廃によって、5線区の全てがバス転換で決まったことになります。

 もっとも、ただ廃止ということでは地元が受け入れないことでしょう。深川駅〜石狩沼田駅の区間については、3年間の存続ということで、1年あたりの営業赤字(3億円程)、折り返し設備の整備の費用(6000万円程)をJR北海道が負担すること、完全廃止から最大で18年間分の代替バスの運行費をJR北海道が支援することも決まったようです。また、「廃線後の街づくりの支援金」として、JR北海道は深川市、秩父別町、沼田町および留萌市に対してそれぞれ7000万円を支出することも決まったようです。

 5線区の全てが廃止になると言っても、それだけで終わる訳ではありません。むしろ、JR北海道を巡る状況は悪化しています。さらに廃止される線区が出るのではないかと懸念されるところでしょう。


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