浅草 姥ヶ池

2019年07月18日 | 東京のお散歩
浅草寺二天門から隅田川方向へ向かうと、小さな池のある花川戸公園という公園があります。
 
かつてここには、隅田川へ通じる大きな池があり、姥ヶ池と呼ばれていました。
 
姥ヶ池は、この辺りが浅茅ヶ原と呼ばれていた用明天皇の時代の鬼婆伝説に由来しています。
 
ひと気の少ないこの原野にただ一件建つ荒屋に、老婆と若く美しい娘が住んでおり
奥州や房州への旅人を泊め(ると見せかけ)ては、老婆が旅人を石で殺害し
吊るした大石で押し潰しては金品だけを奪って、旅人の亡骸を池に捨てていました。
 
娘は、老婆のその非道な行いをいつも諌め、やめさせようとしていました。
 
あるとき一人の旅の稚児を泊めて、同様に殺してみるとそこにあった亡骸は稚児ではなく
娘の亡骸で、それは自らが犠牲になることで、老婆の行為を咎めようとした結果でした。
 
殺したはずの稚児は実は浅草寺の観音菩薩の化身で、老婆に人道を説くために現れたのでした。
 
その後老婆は龍になったとも、仏門に帰依したとも、この池に身を投げたとも伝えられ
この伝説により、池は姥ヶ池と呼ばれるようになったとの事です。
 
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