世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

お客百景

2006年08月13日 | 
お盆休みの真っ只中。めちゃくちゃくたびれた。けど、ちょっ特筆に価するお客様がいらしたので、よれよれの身体に鞭打って書きます。
5人家族。女の子ばかり3人。小学生2人、中学生一人。
夕食を提供する。途中、一匹ののハエが飛んできた。食べ物にとまる。
「あっ、ハエが止まってる」
親父の弁。ハエは数箇所食べ物にとまる。みんなが見ている。隣にいるお母さんもただ見ている。ハエは次から次とコース料理を楽しんでいるかのようだ。
「取り替えてもらわないと」
さらなる親父の弁に僕は唖然とした。そしてうろたえた。
「ハエ、止まりそうになったら追っ払おうね」
僕は女の子に声をかけた。するといきなりしくしく泣き出したではないか。
「この子は虫が嫌いなんです。だからハエを追えないんです。あなたが娘に追っ払えと言ったから、ショックを受けて泣き出したじゃないですか」
またまた親父の弁に、僕は理解不能に陥った。ハエを追えない人間がいるなんて、想像もしなかった。食事中ハエが自分の食べ物にとまりそうになったら、僕は箸で飛んでるハエを掴む。ナイフとフォークだったら切り刻むか串刺しにする。これはジョークだが、少なくとも手で追っ払う。満に一つ子が出来なきゃ横にいる親が追っ払うだろうが。違うかな?なんか自分が間違ってるような錯覚に陥った。
「全とっかえだ」
親父は僕に畳み掛けた。
「キャンプ場にきたんじゃないんですよ。室内に虫がいるなんて、どうやって食事するんですか!」
おふくろさんの激しい言葉と厳しい視線が僕を刺す。
さてどうするか。一瞬考えた。人数分しか料理は作ってない。後は想像にお任せしますが、問題はそういうことじゃない!
この子はいったいこれからどうやって生きていくんだろうか。ハエや蚊のいない無菌の温室だけで暮らしていこうと言うのだろうか。これが今の子の常識なのか。こうした親の言葉や態度が当たり前なのか。ならば世も末か?
僕はショックでしくしく泣き出しました。
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