日々の生活の中で、ボクが最も大切にしているものがある。
それは、
「時(とき」)である。
時間ほど、全ての人に平等に与えられ、
規則正しいものはない。
「時」 に美さえ感じる。
一方、時とは、取り返しのつかないものである。
ただ、思い出に残るだけだ。
それもまた、時と共に風化していく。
時とはそれほどまでに切ないものであり、悲しいものなのかもしれない。
だが、時にも効用がある。
それは、忘却である。
「忘却とは、忘れ去ることなり。
忘れ得ずして忘却を誓う心の 悲しさよ」という有名なセリフがある。
時は、悲しみを、憎しみを忘れさせてくれる。
積年の恨みも、時と共に薄れ、馬鹿らしく思えることさえある。
いつまでも根に持つとロクなことにはならない。
だが、いつまでも悲しんでいては、先には進めない。
どこかで割り切る必要がある。
時は、背負った傷さえも癒してくれる。
それが、今朝起こった。
ずっと気になっていた人から、一通のメッセージが。
ボクはその人を傷つけ、ボクも傷ついていた。
このまま遠い人となっていくことを覚悟していた。
それこそ、忘れえずして忘却を誓ったものだ。
その傷はお互い消えていなかった。
「元気?」
その一言が嬉しかった。
同時に、彼女と過ごした日々が昨日のことのように蘇った。
「元気だよ。君は?」
彼女はそのことには答えなかった。
彼女は一度は死にかけた人なのだ。
ボクはその時彼女の命を繋いだ。
ボクの質問に答える代わりに、
「あなたと友達になれる?」
彼女はそう聞いてきた。
恋人だった。
友達という言葉に、いささかショックを覚えながら、
「ああ、もちろんさ」と快諾した。
恋人にはもう戻れない。
お互いそれは分かっている。
彼女は生き延び、もう一度ボクに光明を見ようとしているのだろうか。
思い上がりかもしれない。
だが今のボクは、それに精一杯答えることができる。
これからは友達でいようね、って
別れるカップルがいる。
バカ言うな。
それは詭弁でしかない。
恋人からいきなり友達にはなれないことぐらいは分かっているだろう。
それに、ボクはそんなに器用ではない。
だが、時がそれを可能にする。
これからお互い友情を育めるだろうか。
戸惑いはある。
もう会うことはないだろう。
これから先のことは誰にも分からない。
だが、時がボクにそれを引き受けさせてくれた。
清々しい晩秋の朝にふさわしい
一日の始まりだ。
時とはこれほどに暖かく、物悲しい。
それは、
「時(とき」)である。
時間ほど、全ての人に平等に与えられ、
規則正しいものはない。
「時」 に美さえ感じる。
一方、時とは、取り返しのつかないものである。
ただ、思い出に残るだけだ。
それもまた、時と共に風化していく。
時とはそれほどまでに切ないものであり、悲しいものなのかもしれない。
だが、時にも効用がある。
それは、忘却である。
「忘却とは、忘れ去ることなり。
忘れ得ずして忘却を誓う心の 悲しさよ」という有名なセリフがある。
時は、悲しみを、憎しみを忘れさせてくれる。
積年の恨みも、時と共に薄れ、馬鹿らしく思えることさえある。
いつまでも根に持つとロクなことにはならない。
だが、いつまでも悲しんでいては、先には進めない。
どこかで割り切る必要がある。
時は、背負った傷さえも癒してくれる。
それが、今朝起こった。
ずっと気になっていた人から、一通のメッセージが。
ボクはその人を傷つけ、ボクも傷ついていた。
このまま遠い人となっていくことを覚悟していた。
それこそ、忘れえずして忘却を誓ったものだ。
その傷はお互い消えていなかった。
「元気?」
その一言が嬉しかった。
同時に、彼女と過ごした日々が昨日のことのように蘇った。
「元気だよ。君は?」
彼女はそのことには答えなかった。
彼女は一度は死にかけた人なのだ。
ボクはその時彼女の命を繋いだ。
ボクの質問に答える代わりに、
「あなたと友達になれる?」
彼女はそう聞いてきた。
恋人だった。
友達という言葉に、いささかショックを覚えながら、
「ああ、もちろんさ」と快諾した。
恋人にはもう戻れない。
お互いそれは分かっている。
彼女は生き延び、もう一度ボクに光明を見ようとしているのだろうか。
思い上がりかもしれない。
だが今のボクは、それに精一杯答えることができる。
これからは友達でいようね、って
別れるカップルがいる。
バカ言うな。
それは詭弁でしかない。
恋人からいきなり友達にはなれないことぐらいは分かっているだろう。
それに、ボクはそんなに器用ではない。
だが、時がそれを可能にする。
これからお互い友情を育めるだろうか。
戸惑いはある。
もう会うことはないだろう。
これから先のことは誰にも分からない。
だが、時がボクにそれを引き受けさせてくれた。
清々しい晩秋の朝にふさわしい
一日の始まりだ。
時とはこれほどに暖かく、物悲しい。