世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

脅しに乗るな

2015年01月02日 | 人生
主に中国の脅威に対して軍備をそそのかす意見がある。

日米安保を強化して、軍備を強化しろと。


中国が攻めて来れば今の日本ではひとたまりもない、という。

話し合いにも限界があり、

そのためにも軍備の後ろ盾がないと説得力がない、とも言う。

ましてや、話し合いで片付く相手ではない。


それはその通りだと思う。

中国の動きは日本のみならず、南シナ海にも触手を伸ばしている。

確かに脅威である。


だが、その論理は戦後レジームと共に今や時代錯誤となっている。


1990年前後、ベルリンの壁が壊れ(1989年)、ソ連が解体(1991年)した。

それを機に、世界は冷戦から徐々にグローバル化に進んでいく。



グローバル化とはどういうことなのか。

グローバル時代だとか、グローバル人間だとか言われているが、

具体的にはどういう状態のことなのだろうか。


それは帝国主義の時代が終わったことを意味する。

つまり、覇権国家がいてもはや他国を支配するような時代ではなくなったのだ。


帝国主義時代なら、中国が日本を攻め、日本の領土を支配するということも考えられる。

最近では、ロシアがウクライナの内紛に乗じてクリミアを領土化した事例がある。

だが、その結果いまロシアがどうなっているか。

欧米から経済制裁を受け、ルーブルは暴落し、今や瀕死の状態に陥っている。


ロシアのように、中国が尖閣、そして沖縄を領土化しようとしている、という。

確かに、中国が本気になれば、いや気が振れればそれはあり得ることだ。

ブータンも中国によって侵略されている。


もしそのような中国に対抗するには、単なる軍事力強化にとどまらず、

北朝鮮やイランのように日本は核を持たなければならなくなる。

だが、それでなくても財政難の日本にそんな余裕はない。

幸い、日本はウクライナやブータンのように陸続きではない。


仮に中国の脅威を逃れても、日本にもテロという新たな敵が現れるだろう。

アメリカと同じ轍を踏むことになる。



ましてや、帝国主義時代ならまだしも、今やグローバル時代。

つまり、どんな大国でも一国ではやっていけないのである。

アメリカでさえそうなのだから。


アメリカの目の上のたん瘤ともいわれるキューバとも国交回復の兆しが見えてきた。

国同士がいがみ合っている時代ではない。


ヒトやモノ、カネ、情報が軽々と大量に国境を超える時代。

社会が抱える問題も国境では区切られなくなっている。

金融危機や地球温暖化、感染症……。

一国だけの問題にはと留まらない。


被害に遭うのは多くの国の経済弱者だったり、農民だったり、人類全体だったりする。

解決に取り組む人々のネットワークも国という枠におさまらない。


現代はどんな国も世界のほかの国や人とつながり、混ざり合って「混血化」「雑種化」している。


これがグローバル時代の意味するところだ。


現時点でも日本には自衛隊があり、個別的自衛権を行使できる。

そして日米安保条約は曲がりなりにも生きている。


戦後レジームからの脱却などをスローガンに掲げて平和憲法を歪曲するより、

改革すべきはグローバル時代に即した教育であるべきだ。



内には、経済の停滞や少子高齢化などの課題がある。

外では、中国が力を増し、米国のパワーにもかげりが見える。

先行きの見えない不安や閉塞(へいそく)感が漂う。

ともすると、隣国とのあつれきや、社会のほころびに目がいく。

焦燥感ばかりが高まる。


だが、そのときその場の勢いで、短絡的にものごとを判断してはいけない。

それは、

いたずらに中国脅威論を煽り、大海を知らぬ権威風に吹かれた臆病者のやることだ。


現状は、ぎくしゃくした国同士の関係にもかかわらず、

昨年の中国からの訪日者は前年の1,8倍に増えている。

まさに国というボーダーを越え個の時代の象徴ともいえる現象だ。


国境の意味は薄れ、国と国より個人や個性の出会いが世界を動かしているのだ。


明治維新から太平洋戦争までが73年あまり。

戦前と戦後の二つの日本は、歴史上ほぼ同じ長さを占める。

戦前の日本は、大きな戦争を幾度も繰り返した。

対照的に、戦後日本は70年の平和を享受できた。


いったい何がこのように安定した日々を日本に可能にしたのか。


政治や経済といったマクロの視点も欠かせないが、

国際関係は、平和憲法を守り抜いたひとりひとりの生き方の集積に他ならない。


日本は、武器のいらないも経済は外に向かって進むべきであるが、

軍事は内なる防衛に徹しなければならない。


こんな逸話がある。


子供が学校で段ボールを使って銃を作った。

先生が聞いた。

「それで誰をやっつけるの?」

子供が答えた。

「やっつけるんじゃないよ。好きな人を守るんだ」と。


日本がなぜ戦後の廃墟から脅威的な経済発展を遂げ、

今なお、中国と韓国・北朝鮮を除く世界中の国から尊敬され、敬意を払われ、

好かれ、一目置かれるのか。


そのことを今一度よーく自分の頭で考えて

一人一人がグローバルに行動してほしい。


(㊟ 一部、新聞等のコラムから抜粋させていただきました)



【追記】


非暴力平和論を唱えるボクの考えに毎回不快感を示す人がいる。

中には脅迫じみたコメントをしつこく送りつけてくる人もいる。

それはそれで一向に構わない。


人それぞれいろいろな考え方があってしかるべきなので

異論、反論は歓迎する。

ただ、コメント上での議論は差し控えさせて頂きますのでご了承ください。





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