彼女を探すべく
アンコールワット群の
一つに立ち寄った。
そこは
確かに見覚えのある場所だ。
間違いない。
ちょうど一年前、
ボクは彼女にここで初めて出会った。
その同じ場所に今来ている。
心をときめかせながら
ボクはトゥクトゥクを降りた。
ボクの周りに
あっという間に
土産売りの人だかりができる。
この中に彼女は要るはずだ。
ボクは
一人一人の顔を確かめた。
いない。
「女の子を探してるんだけど
一年前にキーホルダーを売っていた子だ」
みんなに大きな声で聴いた。
「私よ」
「この子じゃない?」
いろんな子が
口から出まかせに適当なことを言う。
まるで
シンデレラの姉たちが
競い合って
小さな靴を履こうとするように。
「違う、君じゃない」
「いや、あの子でもない」
この中には
いない。
ボクは
一軒一軒お土産屋の中を見て回った。
やはり
それらしき女の子は見当たらない。
あきらめかけて
トゥクトゥクのほうに戻ろうとした時、
少し離れたところに
数人のお土産の売り子たちがたむろっていた。
ボクは
神に祈るような気持ちで
その数人の子の顔を見た。
一人の子に目が留まった。
「アッ、この子だ」
大人びた感はあった。
「覚えているかい、
一年前、
君はここにいて
キーホルダーを売っていたよね」
彼女は
きょとんしてボクを見ている。
「あの時
きみが7ドルといった
キーホルダーを
ボクは3ドルに値切って買ったんだ、
君だよね、売ってくれたのは」
彼女は何のことか分からず
相変わらずキョトンとボクを見ている。
あの時の
彼女の悲しそうな眼を覚えている。
3ドルを渡すと
「もう1ドル」
と、
手を差しし出しながら
彼女はか弱い声でボクに言った。
ボクは
冷たく
「No」
といってその場を去ってしまった。
そのあと
急激にボクに後悔の念が襲った。
その時の気持ちは
以前のブログに書いている。
自分を恥じた。
1ドルの重みが
嫌というほど分かった。
だから
だから
ボクはもう一度
そこに戻って
彼女の
正規の代金(いい値)で
も一度買いたかったのだ。
彼女の返事を待たずに、
その時と同じキーホルダーの値段を聞いた。
「10ドル」
他の女の子が
彼女に代わって答えた。
「10ドルかい?」
彼女に聞くと
恥ずかしそうに小さく頷いた。
「じゃあ、それおくれ」
ボクは
10ドル札を出して渡した。
彼女はにっこり笑った。
周りから歓声が上がる。
ボクは待っていたトゥクトゥクに乗り込むと
手を振って立ち去った。
正直なところ
彼女が本当にあの時の子なのか
自信がない。
一年という歳月は
子供を大きく成長させる。
だけど
いい。
もし違っていも
あの時からズッと引きずっていた
嫌な気持ちが
スーッとボクの中から消えていったのは事実だ。
これで
贖罪はすんだのか。
いや、そうは思わない。
が、
一つの気持ちの区切りがついたのは
事実だ。
今回カンボジアに来た
理由の一つが
果たされた。
澄み切ったここの青空のような
爽快感が
体を通りぬけていった。
アンコールワット群の
一つに立ち寄った。
そこは
確かに見覚えのある場所だ。
間違いない。
ちょうど一年前、
ボクは彼女にここで初めて出会った。
その同じ場所に今来ている。
心をときめかせながら
ボクはトゥクトゥクを降りた。
ボクの周りに
あっという間に
土産売りの人だかりができる。
この中に彼女は要るはずだ。
ボクは
一人一人の顔を確かめた。
いない。
「女の子を探してるんだけど
一年前にキーホルダーを売っていた子だ」
みんなに大きな声で聴いた。
「私よ」
「この子じゃない?」
いろんな子が
口から出まかせに適当なことを言う。
まるで
シンデレラの姉たちが
競い合って
小さな靴を履こうとするように。
「違う、君じゃない」
「いや、あの子でもない」
この中には
いない。
ボクは
一軒一軒お土産屋の中を見て回った。
やはり
それらしき女の子は見当たらない。
あきらめかけて
トゥクトゥクのほうに戻ろうとした時、
少し離れたところに
数人のお土産の売り子たちがたむろっていた。
ボクは
神に祈るような気持ちで
その数人の子の顔を見た。
一人の子に目が留まった。
「アッ、この子だ」
大人びた感はあった。
「覚えているかい、
一年前、
君はここにいて
キーホルダーを売っていたよね」
彼女は
きょとんしてボクを見ている。
「あの時
きみが7ドルといった
キーホルダーを
ボクは3ドルに値切って買ったんだ、
君だよね、売ってくれたのは」
彼女は何のことか分からず
相変わらずキョトンとボクを見ている。
あの時の
彼女の悲しそうな眼を覚えている。
3ドルを渡すと
「もう1ドル」
と、
手を差しし出しながら
彼女はか弱い声でボクに言った。
ボクは
冷たく
「No」
といってその場を去ってしまった。
そのあと
急激にボクに後悔の念が襲った。
その時の気持ちは
以前のブログに書いている。
自分を恥じた。
1ドルの重みが
嫌というほど分かった。
だから
だから
ボクはもう一度
そこに戻って
彼女の
正規の代金(いい値)で
も一度買いたかったのだ。
彼女の返事を待たずに、
その時と同じキーホルダーの値段を聞いた。
「10ドル」
他の女の子が
彼女に代わって答えた。
「10ドルかい?」
彼女に聞くと
恥ずかしそうに小さく頷いた。
「じゃあ、それおくれ」
ボクは
10ドル札を出して渡した。
彼女はにっこり笑った。
周りから歓声が上がる。
ボクは待っていたトゥクトゥクに乗り込むと
手を振って立ち去った。
正直なところ
彼女が本当にあの時の子なのか
自信がない。
一年という歳月は
子供を大きく成長させる。
だけど
いい。
もし違っていも
あの時からズッと引きずっていた
嫌な気持ちが
スーッとボクの中から消えていったのは事実だ。
これで
贖罪はすんだのか。
いや、そうは思わない。
が、
一つの気持ちの区切りがついたのは
事実だ。
今回カンボジアに来た
理由の一つが
果たされた。
澄み切ったここの青空のような
爽快感が
体を通りぬけていった。
わからないけど
涙があふれてしまいました
後悔のねん
そうだったんですね
無事にけがなく帰ってきてくださいね
カンボジアの子供達がこれから平和な日が訪れることを祈りたいです