カンボジア経済

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IMF IV条協議結果2018 マクロ経済の好調を評価

2019年01月08日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。2018年9月19日から10月2日に行ったカンボジアとの協議結果詳細について、12月17日にIMFから発表がありました。
 主なポイントは、(1)カンボジア経済は好調を持続。2018年の成長率は7.3%、2019年は7.0%と予測。それ以降も2022年まで6.0%~6.7%の高度成長が続く。(2)物価上昇は問題なし。2018年は2.5%、2019年は2.7%と予測。(3)経常収支赤字は、対GDP比で2018年には10.1%だが、2023年には7.3%に低下する。(4)外貨準備は2018年96億ドル(輸入の5.0か月分)、2019年103億ドル(輸入の4.9か月分)を見込み安定的。(5)財政赤字も対GDP比2.2%程度で安定的である、等です。なお、添付されている債務持続性分析報告書(DSA)では、カンボジアの対外債務の状況を、2018年の債務返済比率(DSR)が1.4%と非常に低いことなどから、「低リスク(青信号)」に分類し、当面問題ないものとしています。
 IMFの理事会では、このレポートに基づき、カンボジア経済の良好な実績と高度成長、低インフレ率、それに伴う貧困削減を高く評価しています。財政については、健全化努力を評価しつつ、公共支出を優先度の高いインフラ、保健、教育にフォーカスすることを提言しています。金融セクターについては、健全性維持のための規制強化を評価しました。一方、不動産セクターのリスクについては、懸念を表明しています。また、不動産セクターの成長に対応して資産課税の段階的強化を提言しました。今後の課題としては、競争力強化と産業多様化に向けた構造改革が重要であると指摘し、具体的にはビジネス環境の改善、電力料金の引下げ、運輸リンクの改善、労働者訓練、社会保障の拡充等を提言しました。最後にガバナンスの改善努力継続も求めています。
 非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。
(写真は発展するプノンぺ市内)

IMFの発表(英文です)
https://www.imf.org/en/News/Articles/2018/12/17/pr18480-cambodia-imf-executive-board-concludes-2018-article-iv-consultation?cid=em-COM-123-38147


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