カンボジア経済

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シアヌークビルで中国のビル崩壊 28名が死亡

2019年06月28日 | 社会・風土
 6月22日未明、シアヌークビル市街で建設中のビルが崩壊し、寝泊まりしていた作業員等のうち、28名が死亡、24名が負傷するという大惨事となりました。中国からの投資を受けて建設中だった同ビルは7階建てで、7~8割完成した状況でした。事故の原因は、基礎工事の欠陥等と見られています。カンボジア当局は、違法建築であるとして、これまでに2回警告したとのことですが、工事は進められていたとしています。
 フン・セン首相は、鋭い政治感覚で即座に対応しました。アセアン首脳会議から、帰国するや直ちに現地に入り、州知事や災害担当官を更迭しました。また、中国人2人を過失致死の疑いで拘束しました。他に、中国人3人、ベトナム人1人、カンボジアにン1人が共謀容疑で拘束されているとのことです。被害者には、首相自身も一人当たり1万ドルを支払うとし、寄付も募って、死亡者の遺族には6万ドルを手当てするとしています。
 カンボジアの一般の見方では、中国人がカンボジアの法を守らず、カンボジア当局と癒着してごり押しした結果と見ています。中国のネット上でも、中国の「おから工事(手抜き工事)」を輸出したとの批判が出ていると報道されています。フン・セン首相は、こうした批判の火消しに追われていますが、中国からの投資はカンボジアにとって不可欠となりつつあり、板挟みの状況と見られます。シアヌークビルで進む中国化や中国人による傍若無人なやり方に対して、カンボジアでは反中感情が確実に高まっており、危険水域にあるとの意見もあります。リスクに対し十分な警戒が必要となりつつあります。
 なお、今回の事故では、隣接する和食店「空海」も被害を受けました。オーナーの新井さんとご家族は事故に巻き込まれ、軽傷を負ったとのことです。「空海」はシアヌークビルの和食の老舗であり、心配です。

 事故で無くなられた方々に心からの哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一日も早いご回復を祈念しております。

(写真はAKPより)


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