カンボジアは、新型コロナウイルスの感染は、他国に比べればまだ低いレベルにありますが、国内感染に歯止めがかからなくなりつつあります。死者は19名(3月28日から9名増)です。4月4日の保健省の発表によれば、累計陽性者数は2689名(3月28日から456名増)となっています。治癒数は1653名(3月28日から487名増)です。先週の新規陽性者のうち、451名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は5名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月4日現在陽性者2159名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。感染は地方部にも広がり、4月4日現在で、プノンペン1112名(108名増)、シアヌークビル473名(95名増)、カンダール341名(21名増)等となっています。
海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。大規模クラスターが発生しているタイから出稼ぎ労働者が帰国していることもあり、タイと国境を接しているバッタンバン州やパイリン州で帰国者91名(3月28日から変動なし)が陽性と確認されました。
4月1日、プノンペン都は、感染拡大防止策としてプノンペン都での午後8時~午前5時の移動、飲食店の営業を原則禁止すると発表しました。対象期間は4月14日までの2週間となっています。違反者には罰則が適用されるとしており、検問で午後8時を過ぎて移動していた車やバイクが多数接収されていると報道されています。
3月29日、フン・セン首相は、4月は50万人を対象に100万回のワクチン接種を行う計画を明らかにしました。更に、1カ月当たりの接種人数を100万人に引き上げる方針も示しました。フン・セン首相は、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンを100万回分、全国に配布する計画を提示し、接種会場や人員の整備を急ぐよう、地方自治体に要請しました。カンボジアはこれまでに、英製薬大手アストラゼネカから32万回分、中国国営の中国医薬集団(シノファーム)から60万回分、シノバックから150万回分のワクチンを入手済です。3月31日には、シノファームから70万回分が更に到着しました。シノバックとは今後400万回分を調達する交渉を進めているとしており、政府では2021年中に、1000万回分のワクチン接種を目指すとしています。
3月25日、カンボジア政府は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を緩和するため、観光業と航空産業に対する免税措置を、6月まで3カ月間延長すると発表しました。また、貧困・脆弱世帯向け現金給付も、3カ月延長を決定しました。
カンボジアでは、3回目の国内クラスター発生と対策法の施行で、全般的に防止対策が強化されていましたが、感染拡大に歯止めがかからないことから、夜間外出禁止にまで踏み切りました。カンボジアの陽性者数や死者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。マスク、手洗い、アルコール消毒等の感染対策を十分に行う等、十分な注意が必要です。なお、出入国手続き等につきましては、日本・カンボジアともに頻繁に変更されていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
(写真は、夜間外出禁止で人通りが絶えているプノンペン。クメールタイムズ紙より)
カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/
在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000197.html
↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村