カンボジアは、新型コロナウイルスの感染は、他国に比べればまだ低いレベルにありますが、国内感染に歯止めがかからなくなりつつあります。4月25日の保健省の発表によれば、死者は74名(4月18日から31名増)です。累計陽性者数は9975名(同3586名増)となっています。治癒数は3400名(同924名増)です。先週の新規陽性者のうち、3580名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は6名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月25日現在陽性者9426名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
4月19日、政府は、ロックダウン区域内でさらに感染が拡大している地区について、原則外出禁止を課す「レッドゾーン」の指定を開始しました。プノンペン西部の一部地域が指定されています。これらの地区では食料購入の外出も許されないため、商業省では、食料購入のためのオンラインサイト立ち上げ、移動販売車の導入等を行っていますが、住民の不満は高まっている模様です。また、政府では、これらの地区の貧困世帯・脆弱世帯向けの緊急食糧支援を行っています。また、日本人会では、レッドゾーン内に居住する日本人向けに支援を行う予定です。本日(4月26日)8:00が締切りですが、対象の方は、下記のサイトにご登録をお願いします。
ロックダウンについては、プノンペン都及びタクマウ市(4月28日まで)に加えて、シアヌークビルの一部(5月6日まで)、ポイペトの一部(5月8日まで)等も指定されました。また、プノンペン都では。都内のすべての市場について、4月24日から5月8日までの閉鎖を決定しています。
ロックダウン規制については、警察官等が検問現場等で管理に当っており、違反者の逮捕等を行っていますが、行き過ぎて暴力をふるったり、横柄な態度をとっているケースも見られ、SNSで拡散され炎上している例が出ています。政府ではすぐに、サー・ケン内務大臣が綱紀粛正の指示を出しています。
4月25日、政府はこれまで特定国立病院に限っていたラピッド抗原検査、陽性患者の受入れと治療を特定民間病院にも認めると決定しました。陽性患者、重症者・死者の急増を受けての対応と見られます。
4月25日、政府は、州を越える移動の禁止、リゾートの閉鎖措置の終了を決定しました。ただ、各州での独自規制、ロックダウン規制は継続されますのでご留意ください。
報道等によりますと、日系の進出企業の工場等でも、ロックダウンの影響で操業を停止しているところが多数ある模様です。操業停止が長引いて、精緻な国際サプライチェーンに影響を与えてしまうと、カンボジアの競争力が低下する恐れがあるとの指摘も出ています。
こうした厳しい状況下で、在カンボジア日本大使館、カンボジア日本人会、カンボジア日本人商工会等では、休日返上で情報提供や支援を行っていただいており、敬意と感謝を表明したいと思います。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めがかからないことから、夜間外出禁止・州を越える移動の禁止・酒類販売禁止・外食禁止等の規制を矢継ぎ早に導入し、ついにはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。カンボジアの陽性者数や死者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。なお、各種の規制は、頻繁に変更され、即時適用されることが多い上、州毎に異なりますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
(写真は、ロックダウンと市場閉鎖で人気の絶えたセントラルマーケット。4月24日撮影)
日本人会のレッドゾーン向け支援登録
https://forms.gle/GUkW46NrLqcxCbwB8
カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/
在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html
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