カンボジア経済

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AMRO 地域経済見通し発表 経済回復に向けて提言

2021年04月14日 | 経済
 3月31日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し2021年版を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 AMROは、今回の見通しで2021年の加盟13カ国の経済がV字回復すると見て、GDP成長率見込みを2020年マイナス0.2%(前回9月予測0.3%)、2021年6.7%(同6.7%)、2022年4.9%と予測しました。ASEAN10か国では、2020年マイナス3.4%(同マイナス3.3%)、2021年4.9%(同6.0%)、2022年5.7%と見ています。AMROでは、国・セクターにより回復の速度は異なるが、製造業と輸出が成長のカギとなると指摘しました。また、新型コロナ後の経済回復について、新型コロナ影響もあって急速に進んでいるデジタル化と第4次産業革命における競争力強化が重要となると提言しました。
 カンボジアについては、成長率を2020年マイナス3.0%(同マイナス4.5%)、2021年4.7%(同5.4%)、2022年6.1%と予測しています。物価上昇については、2020年2.9%、2021年3.5%、2022年2.4%と安定的に推移すると見ています。対外収支については、経常収支の赤字は、2020年は10.3%に縮小し、総合収支の黒字を維持したとしています。外貨準備も2020年末には213億ドル(輸入の11.6か月分)と非常に安定的なレベルにあります。政府部門は、新型コロナ対策でGDP比5.1%の巨額の財政支出を行ったため、2020年の赤字はGDP比6.7%に達しました。しかし、日本等の支援により公的債務はGDP比32.2%と問題ないレベルに留まっています。
 カンボジア経済のリスクとしては、新型コロナの影響による世界経済不況の長期化、財政支出の出口政策の影響による不良債権比率の悪化、国際的移動制限の継続による観光業への影響等を挙げています。また、新型コロナ対策については、短期的な支援から、中長期的な経済回復振興へとシフトしていくことが必要だと提言しています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。

ASEAN+3マクロ経済調査事務局の発表(英文です)
https://www.amro-asia.org/asean3-regional-economic-outlook-2021-press-release/


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