アジア開発銀行(ADB)は、9月21日に「アジア経済見通し2022年改訂版(Asian Development Outlook 2022 Update)」を発表しました。ADBでは、各国の中央銀行による金融引き締めの強化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響、また、中国における新型コロナウイルス対策のためのたび重なるロックダウン措置などの課題が山積する中、アジア・太平洋地域の開発途上国の経済見通しを再び下方修正したとしています。アジア開発途上国の経済成長見通しを2022年は4.3%(4月予測5.2%)、2023年は4.9%(同5.3%)と予測しています。
カンボジアについては、2022年のGDP成長率を5.3%(前回5.3%)、2023年は6.2%(6.5%)と予測しています。2022年上半期も輸出は好調で、縫製品は対前年同期比39.8%増、縫製品以外も22.8%増となっています。第二次産業の成長率は、2022年9.1%と予測しています。観光については、回復途上にあるとして、第三次産業の成長率は2022年4.0%、2023年6.5%と予測しています。物価上昇率予測については、ロシアのウクライナ侵略等の影響もあり、2022年は5.0%(4月予測4.7%)に引き上げましたが、2023年は2.2%(同2.2%)に落ち着くとしています。国際収支については、経常収支の赤字(対GDP比)が2021年には45.7%に達しましたが、2022年は23.8%、2023年には17.0%にまで縮小してくると見ています。また、この赤字は、外国直接投資等で埋め合わされて、外貨準備は2022年6月末で195億ドル(輸入の7か月分)と十分なレベルにあります。新型コロナ対策としては、2022年7月までに貧困世帯等の270万人に対し総額7億4460万ドルの現金支援を行ったことを評価しています。
リスクとしては、新型コロナ変異型の感染拡大、不良債権比率の上昇、主要輸出先国の経済減速、国際サプライチェーンの分断、エネルギー・国際商品価格の予想以上の上昇等をあげています。
アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/adb-lowers-developing-asia-growth-outlook-global-risks-mount
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