カンボジア経済

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米国 カンボジアの財閥に制裁 特殊詐欺関連で

2024年09月18日 | 経済
 9月12日、米国財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control: OFAC)は、カンボジアの財閥グループであるLYPグループ(L.Y.P. Group Co., LTD)及びその総帥であるLy Yong Phat上院議員(オクニャ)、関連会社のO-Smach Resortに対し、人身売買・強制労働・特殊詐欺に関わっているとして制裁を科すと発表しました。なお、ガーデンシティホテル・コッコンリゾート・プノンペンホテルも関連企業として指定しています。
 OFACは、O-Smach Resortにおいて組織的な特殊詐欺が実行され、そのために集められた被害者は暴行を受ける等して犯行を強要され、逃げようとした2名が死亡しているとしています。
 OFACでは、「本日の行動は、人身売買やその他の虐待に関与した人々の責任を問うという厳格な方針に則ったものであり、アメリカ人を含む無数の無防備な個人を標的とする投資詐欺スキームを運営する能力を弱体化させるためのものである」としています。
 制裁は、米国内にある指定者のすべての資産凍結、指定者との米国人または米国内(または通過)によるすべての取引禁止等となっています。
 カンボジア外務省は、9月13日に今回の制裁措置について遺憾であるとする声明を発表しています。
 なお、OFACによる制裁措置の実施は、原則として米国人・米国企業に義務付けられるものですが、特定の場合には非米国人も制裁を遵守しないと罰則の対象となるケースもあるとのことです。2022年にはオーストラリアの企業が罰金刑を受けたケースもある模様です。日系企業においても米国から疑念を持たれないよう、専門家に相談する等の慎重な対応が求められるものと見られますので、十分ご留意ください。
(写真は、コッコンリゾート。2008年撮影)

米国財務省の外国資産管理局(OFAC)の発表
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy2576


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   カンボジア総合研究所 CEO/チーフエコノミスト 鈴木 博


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