6月26日、新投資法の実施に関する政令がフン・セン首相の承認を受けて、公布されました。投資優遇分野や免税等の投資優遇策を定めた新投資法は、2021年10月15日に公布されていました。改正に当っては、カンボジア日本人商工会をはじめとして、民間からの意見を取り入れたとしています。今回の新投資法では、今後のカンボジア経済の主軸として期待される分野・業種や、税制優遇の適用範囲および選択肢の拡大に関する規程や、適格投資プロジェクト関連手続の迅速化や投資家や投資資産の保護拡充などに関する規程が拡充されています。今回の政令では、この新投資法の実施に関連してさらに細かい規定を定めたもので、今後の外資誘致に役立つことが期待されます。
投資優遇分野としては、「革新的なハイテク産業」、「付加価値の高い製品を持つ、革新性及び高い競争力を有する新産業や製造業のベンチャー企業」、「デジタル産業」、「環境管理・保護のための投資及び生物多様性・循環型経済の開発」といった先進的産業が指定されています。また、これまでの外資の誘致の中心だった縫製業は、明確には含まれておらず、日系企業が得意とする「地域及び世界の生産チェーンに貢献する産業」、「電気・電子産業」、「スペアパーツ、組立て及び取付け産業」、「機械産業」等が含まれています。また、国内の中小企業振興を目指して、「農業、観光及び製造業に関する裾野産業」、「農業、農産業、農産加工業及び食品加工業」、「観光産業及びその他観光に関連する活動」等が指定されています。この他、インフラ、物流、保税倉庫等も対象となっています。
優遇措置についても、法人所得税の免除に加えて、オプションとして特別償却も選択できるようになりました。また、特定の活動(研究開発、人材育成、福利厚生拡大など)について課税標準から150%の控除も追加されました。
カンボジア政府は、産業開発政策で、外資の誘致を目標として掲げ、既存の投資家の意見を取り入れた新投資法の策定はその一環として進められてきました。更に、新投資法の実施に関する政令が完成したことには大きな意義があるものと見られます。外資誘致の基盤としての役割を果たしていくことが期待されます。
(写真は、新投資法策定の中心人物であったカンボジア開発評議会のソクチェンダ・ソピア大臣。クメールタイムズ紙より)
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投資優遇分野としては、「革新的なハイテク産業」、「付加価値の高い製品を持つ、革新性及び高い競争力を有する新産業や製造業のベンチャー企業」、「デジタル産業」、「環境管理・保護のための投資及び生物多様性・循環型経済の開発」といった先進的産業が指定されています。また、これまでの外資の誘致の中心だった縫製業は、明確には含まれておらず、日系企業が得意とする「地域及び世界の生産チェーンに貢献する産業」、「電気・電子産業」、「スペアパーツ、組立て及び取付け産業」、「機械産業」等が含まれています。また、国内の中小企業振興を目指して、「農業、観光及び製造業に関する裾野産業」、「農業、農産業、農産加工業及び食品加工業」、「観光産業及びその他観光に関連する活動」等が指定されています。この他、インフラ、物流、保税倉庫等も対象となっています。
優遇措置についても、法人所得税の免除に加えて、オプションとして特別償却も選択できるようになりました。また、特定の活動(研究開発、人材育成、福利厚生拡大など)について課税標準から150%の控除も追加されました。
カンボジア政府は、産業開発政策で、外資の誘致を目標として掲げ、既存の投資家の意見を取り入れた新投資法の策定はその一環として進められてきました。更に、新投資法の実施に関する政令が完成したことには大きな意義があるものと見られます。外資誘致の基盤としての役割を果たしていくことが期待されます。
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