カンボジア経済

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アジア動向年報2022 カンボジア経済は回復傾向に

2022年06月22日 | 経済
 5月26日、アジア経済研究所は、毎年発行しているアジア各国の動向についての報告書である「アジア動向年報」の2022年版を公表しました。カンボジアを含むアジア23か国・地域の2021年の動向について、国別に政治、経済、対外関係にわたって分析されています。また、「2021年のアジア-高まる政情不安」、「アメリカとアジア-分断のなかの国際秩序再建戦略とその限界」を取り上げ、アジア情勢の総合的な分析も行われています。
 カンボジアについては、アジア経済研究所の新谷春乃先生が執筆されています。国内政治については、「世襲による権力継承がフン・セン首相によって示されるなど次期指導体制をめぐる準備が急速に進んだ。政府は新型コロナウイルス感染症の急拡大への対応に翻弄されながらも、フン・セン首相を中心とした人民党一党支配体制のさらなる安定のため、野党勢力の分断や言論統制を強化した。」と分析しています。
 国内経済については、「2020年のマイナス成長から脱し、世界銀行と IMFの推計では2.2%、政府推計では3%の実質国内総生産(GDP)成長率が達成される見込みである。」としています。対外関係では、「ワクチン外交や治安・経済協力を通して中国との蜜月が継続した一方、中国軍によるカンボジア領内の軍事施設利用疑惑や人権問題により対米関係は悪化した。」としています。
 2022年の課題としては、政治面では、6月のコミューン評議会議員選挙があり、政治的に重要な年となると指摘しています。2017年の救国党解党後最初の地方選挙であり、各党の集票状況を把握するという意味で2023年の国民議会選挙の前哨戦となります。経済面では、政府が2021年末に「COVID-19との共生下における経済開発のための戦略的枠組みとプログラム:2021~2023年」を打ち出し、高いワクチン接種率を背景に社会経済活動を制限せずに GDP 成長率5.6%を目指しているとしています。また,最大の輸出相手国であるアメリカとはGSP 再適用問題をめぐり関係改善が課題であると指摘しました。
 この他、重要日誌、参考資料、主要統計等のデータも満載です。全文がネットで公開されていますので、ぜひご覧ください。

アジア動向年報2022
https://www.ide.go.jp/Japanese/New/2022/20220526.html


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