IMF 世界経済見通し2024秋 カンボジアは高成長が続く

　10月22日、国際通貨基金（IMF）は、世界経済見通し（WEO）2024年10月版を発表しました。世界経済については、「世界経済の成長は、今後も安定し続けることが見込まれるものの、勢いが欠けそうだ。財の価格は安定したが、サービス価格は今も、多くの地域で高止まりしている」としています。
　世界全体の成長率については、2024年3.2％（2024年4月予測3.2％）、2025年3.2％（同3.2％）と予測しています。開発途上国の物価上昇率については、2023年の8.1％から2024年は7.9％、2025年には5.9％へと鈍化する見込みであるとしています。
　中国の成長見通しが弱いことが、カンボジア等の貿易相手国の見通しに影響している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2024年5.5％（同6.0％）、2025年5.8％(同6.1％)となっています。更に、2026年以降2029年までの成長率は、6.0％～6.2％と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2011年に1000ドルを突破した後、2024年には2744ドルに達するとしています。更に、2026年には3181ドルと、ついに3000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2024年0.7％（同2.3％）、2025年2.1％(同3.0％)と安定すると見込んでいます。経常収支の赤字（対GDP比）は、2021年29.6％、2022年18.8％にまで悪化しましたが、2023年は黒字に転換してプラス1.3％となりました。今年以降は赤字となりますが、2024年3.3％、2025年3.6％と問題ないレベルとなると見ています。
　世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済成長と貧困削減に向けた努力を継続することが期待されます。

国際通貨基金（IMF） 世界経済見通し2024年10月版（和文新聞発表）
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2024/10/22/world-economic-outlook-october-2024


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