
12月7日、世界銀行は「カンボジア経済アップデート2022年12月:世界経済の逆風の中で」を発表しました。
カンボジアの成長率予測については、2020年のマイナス3.1%から、2021年3.0%、2022年4.8%(前回6月予測4.5%)、2023年5.2%(同5.8%)、2024年6.3%(同6.6%)へ回復すると予測し、中期的には6%程度の成長を続けると見ています。新型コロナの影響は、特に観光業や建設・不動産業で深刻でしたが、縫製品や部品等の輸出等が堅調であったことから、2021年後半から経済回復の途上にあるとしています。また、影響が深刻だった観光業も、「Withコロナ政策」の成功により、観光客数が回復しつつあると指摘しています。しかし、2022年後半から、ウクライナ侵攻や欧米での金利上昇等により世界経済がスローダウンしていて、逆風を受けつつあるとしています。
物価上昇率は、世界的な原油価格の上昇の影響を受けて大きく上昇するとしていましたが、予測を引き下げています。2022年6.0%(前回6月予測7.2%)、2023年4.2%(同4.5%)、2024年3.8%(同4.0%)と予測しています。石油製品を全量輸入しているカンボジアでは、ガソリン価格上昇から交通費、食料価格、肥料価格等に伝播してインフレが進行すると懸念しています。インフレは、消費の落ち込みや財政収支にも影響を与えると見ています。
対外収支は、石油輸入価格上昇の一方で輸出が健闘していることから、経常収支赤字(対GDP比)は2021年の41.9%から、2022年25.0%、2023年15.6%、2024年12.6%と次第に落ち着いてくると予測しています。また、対外債務も「低リスク」であるとして問題ない状況としています。財政については、新型コロナ対策で歳出が増加したことから、赤字(対GDP比)は、2021年7.6%にまで上昇しましたが、2022年4.6%、2023年5.3%、2024年3.5%と落ち着きつつあります。
カンボジア経済のリスクとしては、世界経済のスローダウン、欧米の金利上昇、国際商品価格の高騰等をあげています。対応する政策としては、柔軟な新型コロナ対策、不動産融資等の不良債権化に備えた金融安定化、国内需要の喚起(道路インフラ拡充、上下水道の整備、電力へのアクセス改善等)、物流の改善等を提言しています。
なお、特別フォーカスとして、「カンボジアのインフレの貧困と分配への影響」と題する調査報告も含まれています。
世界銀行の発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2022/12/07/cambodia-s-economy-is-recovering-but-could-face-headwinds-world-bank-report-says
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カンボジアの成長率予測については、2020年のマイナス3.1%から、2021年3.0%、2022年4.8%(前回6月予測4.5%)、2023年5.2%(同5.8%)、2024年6.3%(同6.6%)へ回復すると予測し、中期的には6%程度の成長を続けると見ています。新型コロナの影響は、特に観光業や建設・不動産業で深刻でしたが、縫製品や部品等の輸出等が堅調であったことから、2021年後半から経済回復の途上にあるとしています。また、影響が深刻だった観光業も、「Withコロナ政策」の成功により、観光客数が回復しつつあると指摘しています。しかし、2022年後半から、ウクライナ侵攻や欧米での金利上昇等により世界経済がスローダウンしていて、逆風を受けつつあるとしています。
物価上昇率は、世界的な原油価格の上昇の影響を受けて大きく上昇するとしていましたが、予測を引き下げています。2022年6.0%(前回6月予測7.2%)、2023年4.2%(同4.5%)、2024年3.8%(同4.0%)と予測しています。石油製品を全量輸入しているカンボジアでは、ガソリン価格上昇から交通費、食料価格、肥料価格等に伝播してインフレが進行すると懸念しています。インフレは、消費の落ち込みや財政収支にも影響を与えると見ています。
対外収支は、石油輸入価格上昇の一方で輸出が健闘していることから、経常収支赤字(対GDP比)は2021年の41.9%から、2022年25.0%、2023年15.6%、2024年12.6%と次第に落ち着いてくると予測しています。また、対外債務も「低リスク」であるとして問題ない状況としています。財政については、新型コロナ対策で歳出が増加したことから、赤字(対GDP比)は、2021年7.6%にまで上昇しましたが、2022年4.6%、2023年5.3%、2024年3.5%と落ち着きつつあります。
カンボジア経済のリスクとしては、世界経済のスローダウン、欧米の金利上昇、国際商品価格の高騰等をあげています。対応する政策としては、柔軟な新型コロナ対策、不動産融資等の不良債権化に備えた金融安定化、国内需要の喚起(道路インフラ拡充、上下水道の整備、電力へのアクセス改善等)、物流の改善等を提言しています。
なお、特別フォーカスとして、「カンボジアのインフレの貧困と分配への影響」と題する調査報告も含まれています。
世界銀行の発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2022/12/07/cambodia-s-economy-is-recovering-but-could-face-headwinds-world-bank-report-says
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