カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

アジア経済見通し2023秋 カンボジア経済の回復続く

2023年09月29日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、9月20日に「アジア経済見通し2023年9月版(Asian Development Outlook September 2023)」を発表しました。ADBでは、2023年前半は、国内需要の回復と中国のゼロコロナ政策終了で堅調だったものの、中国の不動産セクターの破綻や欧米の金融引締めがリスクとなっているとしています。アジア開発途上国の経済成長見通しを2023年4.7%(前回2023年4月予測4.8%)、2024年4.8%(前回4.8%)と予測しています。アジア・太平洋地域のインフレ率は、国・地域によってかなりばらつきがあるものの、2022年の4.2%から、2023年3.6%、2024年3.5%と落ち着いてくると予測しています。
 カンボジアについては、2023年のGDP成長率を5.3%(前回5.5%)、2024年は6.0%(前回6.0%)と予測しています。縫製品等の輸出については、欧米の経済鈍化の影響で2023年上半期は18.6%減となりました。しかし、縫製以外(自動車部品等)が好調であることに加え、下半期は欧米の回復も見込まれるため、2023年の第二次産業の成長率は4.8%となると見ています。農業はコメの輸出は好調であるものの、それ以外は輸出が伸びておらず、2023年の成長率は0.9%(前回1.1%)にとどまると予測しています。第三次産業は観光の回復が見込まれ、2023年の成長率は8.0%(前回7.3%)まで伸びると見ています。
 物価上昇率予測については、ロシアのウクライナ侵攻等の影響もあり、2022年は5.3%まで高まりましたが、2023年は3.0%(前回3.0%)、2024年は4.0%(前回4.0%)に落ち着くとしています。
 国際収支については、輸出が伸び悩んだものの輸入が大幅に減少したこともあって、経常収支の赤字は、2023年・2024年と縮小すると見ています。また、外貨準備は2022年末の178億ドル(輸入の6.1か月分)から2023年6月末には184億ドルに増加しました。
 リスクとしては、欧米の経済停滞、中国からの観光客・直接投資の伸び悩み、欧米の金融引き締めの長期化、エネルギー価格の高騰、民間向け貸付の増大等をあげています。
(グラフは、ADBのフェイスブックより)

アジア開発銀行のサイト(英文です)
https://www.adb.org/news/adb-projects-solid-growth-rising-risks-asia-and-pacific


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« AMRO カンボジアに年次協議... | トップ | 秋分の日 アンコールワット... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事