カンボジア経済

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AMRO カンボジア調査ミッション結果2019を発表 高成長が続くと予測

2020年02月04日 | 経済
 1月29日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、2019年9月10日~18日にカンボジアで実施したサーベイランスの結果を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN10か国と日本、中国、韓国による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 GDP成長率については、2019年7.1%、2020年7.1%と引き続き高成長が続くと予測しました。縫製業の回復、建設業の好調、内需の堅調が続くと見ています。物価上昇率については、2019年2.1%に続き、2020年も安定的と予測しています。対外収支については、経常収支の赤字(対GDP比)は、2018年の12.2%から2019年にはさらに拡大すると見ています。貿易赤字が拡大する中、海外直接投資は好調であり、総合収支の黒字と外貨準備の増大が続き、外貨準備は2019年末には120億ドル(輸入の5.5か月分)を越えるものと見ています。金融セクターについては、貸付が引き続き伸びており、2019年6月末の商業銀行・マイクロファイナンス合計の貸付残高の対GDP比は109.5%に達しています。しかし、自己資本比率、収益性、不良債権比率等は問題なく、概ね健全であるとしています。
 リスクとしては、外的要因としては、EUの特恵関税制度EBAの資格停止と中国経済のスローダウンをあげています。内的要因としては、賃金上昇・物流コスト・電力料金等の上昇による輸出競争力の減退、不動産向け貸付の増加等を挙げています。
 今後の課題としては、競争力の強化と経済の多角化を挙げています。具体的には、インフラ改善、人造りの強化に加え、銀行監督の強化、特に不動産向け貸付への集中を予防する規制等を提言しています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施していくことが期待されます。

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/cambodia-addressing-structural-challenges-is-essential-to-enhance-resilience-and-long-term-growth-potential/



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