3月21日、日本貿易振興機構(JETRO)は、カンボジアに進出する日系企業が直面する人材確保の状況やビジネス環境についての報告書を公表しました。著者は、ジェトロ・プノンペン事務所の大西俊也経済連携促進アドバイザーです。
報告書では、カンボジアで「人材不足の課題に直面している」と回答した日系企業の割合は40.2%で、他国・地域と比較すると、その比率は高くはないとしています。また、2022年比の雇用状況について、17.9%の企業が「改善」と回答したのに対して「悪化」は9.4%にとどまっており、他国・地域と比べても雇用状況が改善していることがうかがえるとしています。
職種別に人材不足の深刻度合い(「とても深刻」「やや深刻」と回答した企業の合計割合)をみると、カンボジアでは一般事務職(48.8%)や工場作業員(50.0%)では5割程度でした。他方、特定の技能・スキル、職務経験などが必要とされる職種(高度人材)での人材不足の深刻度は大きく高まります。特に法務、経理、エンジニアなどの専門職種の深刻度は85.0%にのぼり、ASEAN諸国ではカンボジアが最も高かったとのことです。プログラマーなどのIT人材(71.4%)、一般管理職(67.4%)、上級管理職(62.1%)でも6割以上に上っています。
給与に関しては、2023年の在カンボジア日系企業の月額基本給の上昇率(前年比)は5.1%でした。日系企業の賃金上昇に対する警戒心は強く、同国の投資環境上のリスクとして、人件費の上昇が毎年、上位に挙がるものの、法定最低賃金の上昇率の推移をみると、ここ数年は、物価上昇率を下回る状況が続いており、わずかな伸びにとどまっていると指摘しています。
結論として、「中長期的に人件費が上昇することを踏まえると、人件費だけでなく、南部経済回廊の物流拠点となり得る地の利、社会・政治の安定性、投資誘致策・優遇措置など、総合的な投資環境の優位性を生かした、より高度なオペレーションが求められてくるとみられる。中長期的な視点で、カンボジア拠点の機能を高度化、多角化させるなど、人件費を重視した従来の考え方を見直す過渡期を迎えているといえるだろう。」と分析しています。
JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2024/0303/706255e0eaa478fd.html
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報告書では、カンボジアで「人材不足の課題に直面している」と回答した日系企業の割合は40.2%で、他国・地域と比較すると、その比率は高くはないとしています。また、2022年比の雇用状況について、17.9%の企業が「改善」と回答したのに対して「悪化」は9.4%にとどまっており、他国・地域と比べても雇用状況が改善していることがうかがえるとしています。
職種別に人材不足の深刻度合い(「とても深刻」「やや深刻」と回答した企業の合計割合)をみると、カンボジアでは一般事務職(48.8%)や工場作業員(50.0%)では5割程度でした。他方、特定の技能・スキル、職務経験などが必要とされる職種(高度人材)での人材不足の深刻度は大きく高まります。特に法務、経理、エンジニアなどの専門職種の深刻度は85.0%にのぼり、ASEAN諸国ではカンボジアが最も高かったとのことです。プログラマーなどのIT人材(71.4%)、一般管理職(67.4%)、上級管理職(62.1%)でも6割以上に上っています。
給与に関しては、2023年の在カンボジア日系企業の月額基本給の上昇率(前年比)は5.1%でした。日系企業の賃金上昇に対する警戒心は強く、同国の投資環境上のリスクとして、人件費の上昇が毎年、上位に挙がるものの、法定最低賃金の上昇率の推移をみると、ここ数年は、物価上昇率を下回る状況が続いており、わずかな伸びにとどまっていると指摘しています。
結論として、「中長期的に人件費が上昇することを踏まえると、人件費だけでなく、南部経済回廊の物流拠点となり得る地の利、社会・政治の安定性、投資誘致策・優遇措置など、総合的な投資環境の優位性を生かした、より高度なオペレーションが求められてくるとみられる。中長期的な視点で、カンボジア拠点の機能を高度化、多角化させるなど、人件費を重視した従来の考え方を見直す過渡期を迎えているといえるだろう。」と分析しています。
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