カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

関税消費税総局 税関改革・近代化戦略の策定に向けて

2023年10月18日 | 経済
 カンボジア経済財政省の関税消費税総局(GDCE)では、税関改革及び近代化戦略2024~2028年(Customs Reform and Modernization Strategy 2024-28)を策定中です。この戦略は、税関改革及び近代化戦略2019~2023年を引き継ぐもので、2024年1月から実施されるものです。この戦略の策定のために、関税消費税総局では、日本の国際協力機構(JICA)、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)、欧州連合(EU)、国連開発計画(UNDP)等から国際的な支援を得ています。9月28日、これらの関係機関が参加する会議が開催されました。
 会議では、これまでの戦略(2019~2023年)で達成した実績として、徴税方法の改善、税関手続きの簡素化、国家シングルウィンドウ・イニシアティブ(第2期及び第3期)の実施等が報告されました。また、新たな戦略の目的として、貿易促進、投資環境改善、税収確保、国際犯罪の抑止等を掲げました。また、重要な6本柱として、徴税の効率化、貿易促進、コンプライアンスと法令順守、法規制の拡充、ITシステムの進化、組織能力の強化を挙げています。
 様々な多国間及び二国間の自由貿易協定が締結・実施されつつある中で、関税手続きの簡素化・透明化・ペーパーレス化・効率化は、重要な課題となっています。日本をはじめとする国際的な支援を受けつつ、関税システムの改善を図っていくことには重要な意義があり、カンボジア政府が継続的に取り組んでいくことが期待されます。
(写真は、関税消費税総局のフェイスブックより)

関税消費税総局のフェイスブック(クメール語です)
https://web.facebook.com/cambodiacustoms/posts/pfbid021mU1Aysc6GjkQmXb6uXunqUFbdN6PX5e8Kmt5vtHK8V6c3oPXDxTeBZvpasb8Vwgl


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カンボジア インフォーマル経済開発国家戦略を発表

2023年10月17日 | 経済
 10月10日、カンボジア政府は、インフォーマル経済開発国家戦略2023~2028年(the National Strategy for Informal Economic Development 2023-2028)を発表しました。発表式典には、フン・マネット首相も参加しました。
 インフォーマル経済は、経済の重要な一部ですが、政府の監督を受けず、課税対象ともなっていない分野を指します。この戦略は、インフォーマル経済の保護、生産性や耐久性の改善、人材開発等を促進することを目的としています。また、インフォーマル経済が国民の生活向上に重要な役割を果たし、持続可能で危機に強い開発の達成に資するようにしたいとしています。具体的には、フォーマル経済へのシフトの促進、登記や登録の簡素化、保健や教育等の社会的支援策の提供、労働者のスキルの開発と強化、インフォーマル経済主体への広報活動等を実施するとしています。
 カンボジアでは、工場等で働く正規労働者については、国家社会保障基金等により、労災、健康保険、年金等の仕組みが整いつつあります。他方、商業登記や税務登録を行っていない中小零細企業や、夜の街等のインフォーマルセクターで働いている人たちにはこうしたサービスが行き届いていません。インフォーマルセクターで働く人々は、病気やケガ、不安定な雇用等で、日々の暮らしも貧困・脆弱な状況にあります。カンボジア政府が、こうした点に着目して政策を立案したことは大きな意義があるものと見られ、今後の着実な政策実施が期待されます。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット)


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カンボジア政府 フィンテック開発政策を発表

2023年10月16日 | 経済
 10月4日、カンボジア政府は、フィンテック開発政策2023~2028年(Cambodia Financial Technology Development Policy 2023-2028)を発表しました。プノンペンで開催されたワークショップには、デジタル経済・ビジネス委員会の委員長も務めるオウン・ポン・モニロット経済財政大臣、チア・スレイ中央銀行総裁をはじめ、関係者多数が参加しました。
 フィンテック開発政策の3本柱は、金融イノベーションの促進、金融安定性の維持、金融包摂の振興となっています。具体策としては、フィンテック開発を大きな木に例えて、「土」である開発環境の促進・支援政策、「根」となるデジタル基盤の育成、「幹」となる必要な技術の採用と進化、「枝」となるフィンテックの開発と革新の振興等を挙げています。
 様々なしがらみや規制で、新たな技術の導入が進まない日本と違って、カンボジア政府は、ITやフィンテック等の分野で新技術を積極的に導入しています。すでに、モバイルバンキングや電子支払、配車サービスやデリバリー等では、日本を凌駕していると言ってもよい状況となっています。開発途上国が、新たな技術を一気に導入して先進国に追いつき追い越していく「リープフロッグ(蛙飛び)」の好例と言えます。カンボジア政府の今後の積極的な政策立案・実施が期待されます。

デジタル経済・ビジネス委員会のサイト(英文です)
https://digitaleconomy.gov.kh/index?lang=en


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年10月16日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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プチュンバン2023

2023年10月15日 | 社会・風土
 プチュンバンはカンボジアのお盆です。今年は10月13日から15日までプチュンバンの3連休です。多くの人々が田舎に帰って家族で集まるので、セントラルマーケット近くのミニバス乗り場も稼ぎ時で、お土産を抱えて地方に戻る人たちで賑わいます。昨年から、新型コロナの感染状況が改善したこともあって、プチュンバンの各種行事が解禁されています。
 プチュンバンは、仏教徒のカンボジア人にとっては、重要な宗教行事で、日本のお盆ととても似ています。お祭りは15日間続きます。この間、人々は地元のお寺だけではなく、遠くのお寺まで出かけて、お布施をします。先祖の魂と再会するために、少なくとも7か所のお寺を回らなければならないとされています。先祖の魂は、プチュンバンの15日間の間だけは自由に動き回ることを許されると言われ、食べ物等を供えてお迎えします。
 お寺にお参りする際には、男女ともに白いシャツを着てお寺に入り、まずご本尊に蓮の花とお線香を差し上げてお祈りします。その後、お坊様にお経をあげていただきます。また、ご先祖に捧げる食べ物は、お坊様に食べていただくことでご先祖様に届くということで、ご飯とおかずをお渡しします。お寺の中には、多くのごちそうがずらりと並びます。ご飯は、外に並べてあるたくさんのツボに少しずつ分けて入れます。最後に、砂で山を作ります。これは、パゴダを作ることを意味しています。
 今年は、新型コロナ前と同様に、にぎやかに行事ができたようです。
(写真は、2018年のプチュンバンのお寺の様子。多くの信者からお寺に料理が寄進されます)



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ベトナム ダラットの名物料理 野菜たっぷりの生春巻きと鳥鍋

2023年10月14日 | 生活環境
 ベトナムのダラットでは、美味しい名物料理を味わうことができました。いずれもローカルなお店で、ベトナム語しか通じない感じでしたが、グーグル翻訳等でなんとかなる時代になりました。
 一番気に行ったのは、自分で巻いて作る生春巻き「ネム・ヌオン」です。お店は、一番の有名店の「ネム・ヌオン・バー・フン」に行きました。ダラットは、お茶、コーヒー、果物、花に加えて、野菜が名産です。このとれたてのフレッシュ野菜や浅漬けと、ソーセージや天ぷらを一緒にライスペーパーで巻いて、独特のタレにつけて食べます。野菜がいい味を出していて、ビールにも合います。このお店は、この料理しかないので、何も言わなくてもネム・ヌオンが出てきて、あとはビールを頼むだけなので簡単でした。お値段は、ビールを2・3本頼んでも600円ほどです。お勧めです。
 もう一つの名物は、バジルたっぷりの鳥鍋「ラウザーラーエ」です。骨付きの鶏肉やレバー、モツ等が煮込まれた鍋が出てきて、これにお好みでバジルやハーブを入れて食べます。鳥のいい味が出ていて、ビールにも最適です。この料理は、ダラットのあちこちの食堂で食べられるようで、今回はホテルのすぐ近くに合ったお店で食べてみました。お値段は、ビールを2・3本頼んでも600円ほどです。お勧めです。
 このほか、アーティチョークを使ったスープやベトナムのたこ焼きと言われるバインカンも美味しいです。ぜひお試しください。なお、ベトナム定番のライスヌードルのフォーやブンボーも美味しいです。今回は、中心部のフォーアインがお気に入りでした。
(写真は、野菜も美味しかったネム・ヌオン)

参考にさせていただいた「ダラット観光通信ブログ」
https://vn-kankou.com/specialfood/

鳥鍋です。たっぷりと供される野菜類をお好みで入れて煮込みます。



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IMF 世界経済見通し2023秋 格差広がる世界の舵取り

2023年10月13日 | 経済
 10月10日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2023年10月版を発表しました。世界経済については、「今後は、インフレを抑制するための政策引き締めが経済活動に影響してくる見込みだ」としています。世界全体の成長率については、2022年3.5%(2023年4月予測3.5%)、2023年3.0%(同2.8%)、2024年2.9%(同3.0%)と予測しています。世界の物価上昇率については、「国際的な一次産品価格の下落が金融政策の引き締めと合わさり、2022年の8.7%から2023年は6.9%、2024年は5.8%へと安定的に鈍化する見込みである」と指摘しています。
 世界的に需要が減退している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2022年5.2%(同5.0%)、2023年5.6%(同5.8%)、2024年6.1%(同6.2%)となっています。更に、2025年以降2028年までの成長率は、6.2%~6.5%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2013年に1000ドルを突破した後、2023年は1916ドルとなり、2024年には2037ドルとついに2000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2022年5.3%(同5.3%)、2023年2.0%(同3.0%)、2024年3.0%(同3.0%)と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年42.0%、2022年27.3%にまで悪化しましたが、2023年は11.0%、2024年は8.0%に改善する見込みで、2025年以降も6%台と予測しています。
 世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済の回復・成長に向けた努力を継続することが期待されます。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2023年10月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2023/10/10/world-economic-outlook-october-2023


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AMRO 地域経済見通し2023年10月 逆風の中で成長続く

2023年10月12日 | 経済
 10月4日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し四半期改訂版」(Quarterly Update of the ASEAN+3 Regional Economic Outlook)を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 今回の改訂版見通しでは、来年にかけて世界経済の停滞が見込まれる状況下での2023年~2024年の見通し等について分析しています。
 AMROは、今回の見通しで2023年の加盟13カ国のGDP成長率見込みについては、前回(7月)予測から引き下げました。ASEAN+3では、2023年4.3%(前回7月予測4.6%)、2024年4.5%(同4.5%)、ASEAN10か国では、2023年4.4%(同4.5%)、2024年5.0%(同5.1%)と見ています。カンボジアについても若干引き下げ、2023年5.3%(同5.7%)、2024年6.2%(同6.2%)としています。ASEAN主要国については、2023年は回復傾向にあるとして、タイ3.5%、フィリピン5.9%、シンガポール1.0%、マレーシア4.2%、インドネシア5.0%、ベトナム4.7%等と予測しています。カンボジアの成長率は、ASEAN10か国の中ではフィリピンに次いで第2位となっています。
 ASEAN10カ国の物価上昇率予測は2023年8.2%(前回7.8%)と引き上げました。カンボジアについては2.3%(同2.8%)に引き下げています。中国から多額の債務を背負ってしまい、債務の罠に陥ったラオスの物価上昇率予測(2023年)が30.0%と高く、厳しいインフレに襲われていることが目を引きます。
 AMROでは、中国の国内需要の回復や米国の消費回復に支えられて、ASEAN諸国からの輸出が来年は延びるものと期待を示しています。主なリスクとしては、欧米の金融引締めの長期化による景気後退、食料やエネルギー等の一次産品価格の再度の高騰をあげています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。
(写真は、カンボジアのシアヌークビル港。日本の円借款の支援により拡充されている)

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/amro-maintains-asean3s-2024-growth-forecast-warns-on-inflation/


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日本の造幣局 カンボジア国立銀行から記念銀貨幣の製造を受注・販売

2023年10月11日 | 経済
 9月27日、日本の造幣局は、日カンボジア友好70周年を記念する銀貨幣の製造をカンボジア国立銀行から受注したと発表しました。2023年、日本とカンボジアは、外交関係樹立70周年となる節目の年を迎えました。これを契機に、相互理解を深め、友好を促進するため、様々な記念事業が行われています。造幣局でも同事業の一つとして、カンボジア国立銀行から受注したカンボジアの記念銀貨幣を1万枚製造するとしています。なお、この記念銀貨について、造幣局において通信販売の受付を10月6日から開始したと発表しました。
 本銀貨幣は、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行により記念貨幣として発行されるものです。本銀貨幣は、カンボジア王国の法令に基づき、カンボジア国立銀行が発行する貨幣ですが、収集目的のために発行される記念貨幣であり、カンボジア国内における決済には使用できないとのことです。
 銀貨の表面には、バイヨン寺院をデザインしています。裏面には、日カンボジア友好70周年公式ロゴマークをカラー印刷しています。素材は925位銀、直径35mm、重さ約20g、額面5000リエルです。日本での販売価格は、8600円(消費税・送料込)です。販売数量は、9500個です(販売数量とは別にカンボジア国立銀行に500個が納品されます)。10月6日から26日まで、造幣局のサイト等で申し込みを受け付けるとしています。
 日本とカンボジアの友好70周年を記念するにふさわしい銀貨です。詳細は、造幣局のサイトをご参照ください。
(銀貨の写真は、造幣局の発表より)

造幣局の発表
https://www.mint.go.jp/shintyaku/sale/hanbai_r5_cambodia_5000riel.html


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世界銀行 半期経済報告2023年秋 成長率の伸びは続く

2023年10月10日 | 経済
 10月1日に世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2023年10月改訂版)を発表しました。今回の報告書は「開発のためのサービス業(Services for Development)」と題されています。
 報告書では、「2023年の東アジア・太平洋地域は、5%の高成長を達成するが、中国経済の不調を主原因として2023年後半から弱含み、2024年の成長率は4.5%に低下する」と分析しています。
 カンボジア経済については、2023年のGDP成長率予測を5.5%(2023年4月予測5.2%)に引き上げました。2024年は6.1%(同5.7%)、2025年は6.3%(同6.1%)にまで高まると予測しています。更に中長期的には7%程度の高度成長への回帰が見込まれると予測しています。2023年は、世界の主要国の需要減退に伴い輸出が伸び悩んでいる一方で、観光セクター等のサービス産業が回復傾向にあり、成長を支えているとしています。外国人観光客数は、ピークだった2019年の8割程度までの回復が期待できると見ています。
 物価上昇率は、ロシアのウクライナ侵攻を発端とした資源・食料の値上がりの影響を受け、2022年は5.5%まで上昇したものの、ピークは過ぎて、2023年は2.5%に低下すると見ています。また、2024年は2.5%、2025年は2.0%と安定すると予測しています。経常収支の赤字(対GDP比)は縮小に向かいつつあり、2021年の42.6%、2022年の24.4%から、2023年13.4%、2024年11.5%、2025年9.6%と急速に改善すると予測しています。外貨準備は、2022年末の177億ドルから2023年6月末には184億ドル(輸入の7か月分)に増加し、非常に安定的なレベルを維持しています。
 貧困率は、2019/2020年の17.8%から、2021年は新型コロナの影響による悪化が見込まれるものの、貧困・脆弱世帯向けの現金支給や社会保障の拡充等もあり、今後は改善が期待できると見ています。
 リスクとしては、欧米の景気後退の悪化、世界的な金融引き締めの長期化、国際資源価格の高騰等をあげています。特に、不振となっている建設・不動産向けの貸付の不良債権化による金融機関の不良債権比率の悪化は重要なリスクとなっていると指摘しています。
(写真は、中国の投資が頓挫して廃墟化が進んでいるシアヌークビルの未完成不動産)

世界銀行の新聞発表(英文です)  
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2023/10/01/east-asia-and-pacific-sustained-growth-momentum-slowing


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新型コロナ カンボジアの状況 2023年9月30日

2023年10月09日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、感染が始まった2020年は低レベルでしたが、2021年2月から急増しました。発端は、陽性だった中国人女性が賄賂を使って隔離を脱走し、クラブ等で感染を拡大したという悪質なケースでした。2月20日市中感染事件と呼ばれるこの事件以降、感染が急拡大しました。このため、2021年4月15日からプノンペン等でのロックダウンが始まりました。その後、ワクチン接種の進展とともに感染は落ち着き始め、9月末から段階的に経済の再開が進められ、12月にはほぼ正常に戻っていました。2022年に入り、オミクロン変異株の登場で、感染者数は増加に転じましたが、5月には落ち着き、死者数、新規陽性者数ともに低レベルとなりました。9月以降は、陽性者数は減少し、10月~2023年9月には新規陽性者ゼロの日も増えています。
 10月1日のカンボジア保健省の発表によれば、9月末現在の死者は累計3056名(8月31日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8941名(同1名増)となっています。死者数は、ここ17カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も2022年7月以降一日数名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
 新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。9月30日現在で、1530万9918人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.7%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の104.0%に第1回接種を、100.7%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1075万5551人(うち成人706万7291人)が接種を完了しています。第4回・第5回・第6回の接種も進められています。
 カンボジアでは、マスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をかなり見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
(写真は、ビルが林立するプノンペン中心部。10月1日撮影)



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2023年10月09日 | 一般
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ベトナム ダラット 観光の目玉の観光鉄道

2023年10月08日 | 生活環境
 ベトナムの高原リゾートであるダラットは、湖や滝等の自然豊かな観光地にも恵まれていますが、観光鉄道も目玉の一つとなっています。フランスは植民地時代に、ホーチミンからダラットまでの鉄道を完成させています。標高差1500メートルを上る登山鉄道でした。急坂を上るために歯車を利用したラックレールも使用されていました。第2次大戦中は、日本が仏印進駐を行い、日本軍もダラットまでの鉄道を利用した模様です。ダラット駅は、フランス植民地時代に建設されたもので、アールデコ調の美しい駅舎です。
 鉄道は、ベトナム戦争で破壊されてしまったのですが、1991年からダラット駅~チャイマット駅間(約7キロ)が観光鉄道として復活しています。今回も、朝の便に乗ってチャイマット駅まで往復しました。お休みの日だったためか、韓国人の団体客もいて満席の盛況でした。危うく乗れないところでしたが、窓口の人が教えてくれた「立ち席券」(通常より安い10万ドン)でなんとか乗ることができました。席は一杯だったので、オープンデッキで過ごしましたが、風に吹かれて景色を楽しむのも楽しいものです(安全にはご留意ください)。乗車時間は、片道30分ほどです。
 駅構内には、日本が戦時中に持ち込んだ蒸気機関車(C12型)が保存されています。静態保存ですが、80年経ったとは思えないきれいな状態で保存されていて、ベトナムの関係者には感謝したいと思います。
(写真は、ベトナムで一番美しいとも言われるダラット駅の駅舎)

ダラット鉄道の詳しい記事「ベトナム ダラットのラック式鉄道」(地図と鉄道のブログ)
https://homipage.cocolog-nifty.com/map/2007/06/post_5299.html

観光鉄道の列車。終点のチャイマット駅にて。ディーゼル機関車が客車2両を牽いています。


日本が戦時中に持ち込んだ蒸気機関車C12型。きれいに保存されています。


ダラット駅構内に残るラックレール。枕木は、フランスが植民地でよく使用していた鋳鉄製。



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ベトナム ダラット 本当に涼しい高原リゾート

2023年10月07日 | 生活環境
 20年ぶりにベトナムのダラットを訪問する機会がありました。ダラットは、フランスが植民地時代に開発した高原リゾートです。ホーチミンが酷暑だったため、避暑地として涼しくてかつホーチミンから行きやすい場所を探したそうです。ダラットは、標高1500メートルほどで、大変涼しく、訪問した9月末でも朝晩は16度まで下がり、日中も23度程度と過ごしやすい気候でした。
 ダラットの名産は、お茶、コーヒー、野菜、果物等に加えて花も有名です。プノンペンで売られている花の中にもダラット産は多いと言われます。市内の中心部には観光用のラベンダー畑があります。9月末はちょうど満開で、素晴らしい美しさでした。
 現在のダラットは、ベトナム戦争を潜り抜けて、まだフランスのコロニアルな優雅な雰囲気を残しています。かつては迎賓館だったパレスホテルは、スアンフーン湖を見下ろす景色も素晴らしく、高級フレンチやアフタヌーンティーも楽しめます。また、湖の対岸には、素晴らしく美しいゴルフコースもあります。
 カンボジア・プノンペンからですと、空路でホーチミン経由で気軽に行くことが可能です。ダラットの最寄りの空港は、ダラット市街から30キロ以上離れていますが、半分は高速道路となっているので、車で1時間かからずに到着できます(ちなみに残り半分はヘアピンカーブだらけの山道です)。
 今回は、あまり観光する時間もありませんでしたが、食事はローカルな名物料理を楽しむことができました。また、雰囲気の良いカフェもたくさんあります。最近のベトナムドン安(対ドル)もあって、食事も含めて、プノンペンと比べてもかなり物価が安く感じました。
 お客さんは、日本人は少ししか見かけませんでした。最近、韓国企業のベトナム投資が増えているためか、韓国人観光客が多く、韓国語のメニュー等も見かけました。
 暑いプノンペンを抜けだして、お休みを過ごすには良い場所の一つと思います。機会がありましたらぜひご訪問ください。
(写真は、パレスホテルから見たスアンフーン湖の絶景)

満開で見ごろのラベンダー畑。写真では表しきれないくらいにきれいでした。


元迎賓館だったパレスホテルのレストランでアフタヌーンティー(25万ドン:約1500円)


アフタヌーンティーの豪華なお菓子。他にもサンドイッチやフード類が盛りだくさんでした。



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カンボジア日本人商工会 2022年度活動報告書

2023年10月06日 | 経済
 カンボジア日本人商工会(JBAC)は、2022年度活動報告書を発行しました。
 数字で見るカンボジアの日系企業のコーナーでは、JBACの会員数の増加が紹介されています。会員数は、発足当初の10社から増え続け、発足から約20年の2011年には正会員、準会員、特別会員をあわせて100社・団体の大台に乗り、2014年には200社・団体に、2022年度末には正会員184社、準会員70社、特別会員3社、賛助会員2社の計256社・団体になっています。会員数は、2019年度末の272社から2020年度、2021年度と連続して減少となっていましたが、2022年は前年から若干の増加に転じました。
 JBACの様々な活動についても報告されています。製造、建設・不動産、運輸、貿易、金融・保険、商業、サービスの各部会では、会員の親交を深める各種の活動をしています。また、総務、投資・労務、関税・物流、税制、文化・スポーツの各委員会では、日系企業がカンボジアでよりよく活動するためのカンボジア政府への働きかけ、渉外活動等、様々な活動を行っています。
 JBACの重要な活動として、日本・カンボジア官民合同会議があります。この会議では、日系企業が直面している様々な課題について、カンボジア政府と日本の官民が集まって対策を協議しています。これまでこの会議を通じて多くの課題が解決に至っています。
 日本語版は、JBACのサイトからダウンロード可能ですので、ぜひご一読ください。
(写真は、官民合同会議)

カンボジア日本人商工会のサイト
https://jbac.info/activity-report/


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