英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023年度 A級順位戦 6回戦終了

2023-12-24 21:41:43 | 将棋
【6回戦終了時の成績】(5回戦、6回戦の結果と今後の対戦相手)
豊島九段  6勝0敗(ランク3位) ○佐藤  ○中村  広瀬  斎藤  菅井
菅井八段  5勝1敗(ランク6位) ○佐々木 ○斎藤  渡辺  佐藤  豊島
永瀬九段  4勝2敗(ランク4位) ○広瀬  ○渡辺  稲葉  佐々木 中村
渡辺九段  3勝3敗(ランク1位) ○斎藤  ●永瀬  菅井  中村  広瀬
佐々木勇八段3勝3敗(ランク9位) ●菅井  ○稲葉  佐藤  永瀬  斎藤
斎藤八段  2勝4敗(ランク5位) ●渡辺  ●菅井  中村  豊島  佐々木
稲葉八段  2勝4敗(ランク7位) ○中村  ●佐々木 永瀬  広瀬  佐藤
佐藤天九段 2勝4敗(ランク8位) ●豊島  ○広瀬  佐々木 菅井  稲葉
中村太八段 2勝4敗(ランク10位) ●稲葉  ●豊島  斎藤  渡辺  永瀬
広瀬九段  1勝5敗(ランク2位) ●永瀬  ●佐藤  豊島  稲葉  渡辺


 前回記事(4回戦終了時)から、2局消化。成績優秀者が星を伸ばし、不振者は伸ばせなかった。
 挑戦権争いは、全勝の豊島九段、1敗の菅井八段、2敗の永瀬九段に絞られたと言ってよい。3敗の渡辺九段、佐々木八段にもプレーオフ進出の可能性はあるが、それには、豊島九段が残り3局を全敗し、菅井八段も連敗後最終局の豊島戦に勝利の場合にしか、追いつけない。さらに永瀬九段も1敗しなければならないので、可能性はゼロに近い。
 2敗の永瀬九段も星勘定では苦しいが、上位3棋士の中では、永瀬九段が残り全勝する可能性が高く、プレーオフになる可能性は低くはない。
 残留争いは、1勝しかしていない広瀬九段が一番苦しいが、順位が2位なので残りを2勝1敗でも残留できる可能性が高い。2勝の斎藤八段、稲葉八段、佐藤天九段、中村太八段も2勝しないと降級する可能性が強い。ただし、斎藤八段は1勝でも残留できる可能性は5割以上あるような気がする(暫定順位が下位の4棋士のうち、3人が2勝しなければ残留できる)
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将棋情勢 2023年12月1日現在のレーティングランキング

2023-12-20 09:32:19 | 将棋
 12月2日にこの記事の下書きを書いたまま、放置状態で今日に至りました。
 忙しいのと政治資金パーティ券不記載問題で、記事労力と時間を消耗してしまったことによるものですが、もう一つ事情がありました。
 私は順位付けが好きなので、タイトル戦や棋戦の勝敗以外に、刻々と変化するレーティングランキングを頻繁にチェックしています。そのチェックしているサイトが『将棋連盟 棋士別成績一覧』さんです。
 今記事は、そのデータを基に書いたのですが、勝手に引用するのはダメだと思ったので、「管理人宛メール」をチェックして、管理人さんに《下書きでどういう主旨・内容の記事か?》、《データを使用させてくださいというお願い》をメールしたのですが、返答はありませんでした。
 考えられる理由として……
①黙認
②データ使用は不承諾だが、返信するのを躊躇っている(多忙、面倒など理由で返信しない)
③お願いのメールに気がついていない
④メールが届いていない
…①の場合なら問題なしとして、データを記事に使用
 ②の場合は、管理人さんが「不承諾」の気持ちを持っているのなら本来は、記事をボツにするか、データを使わないで記事を書くかすべきだが、「不許可の意思表示がない」という“こじつけ”理由でデータ使用
 ③④の場合は、もう一度メールを送るべきだが、データ使用記事を強行掲載して、管理人さんの反応を待つ

 と言う訳で、記事を掲載させていただきます。
 もし、私が掲載したことについて、非難や不許可の意思があれば、遠慮なく仰ってください。いきなり著作権侵害などで訴えるのだけは、どうかご勘弁ください。
 あ、それと、この記事をお読みの方で、《記事削除した方が良い》と思った方も、仰ってください。



【8月末現在】       【12月1日現在】
1位 藤井七冠  2087   1位 藤井八冠  2125
2位 永瀬王座  1929   2位 永瀬九段  1909
3位 豊島九段  1912   3位 菅井八段  1896(4月7位1831点)
4位 渡辺九段  1872   4位 羽生九段  1875
5位 菅井八段  1871   5位 豊島九段  1866
6位 羽生九段  1864   5位 佐々木大七段1866(4月末14位1795点)
7位 伊藤匠七段 1863   7位 伊藤匠七段 1865(4月末16位1792点)
8位 佐々木大七段1859   8位 渡辺九段  1834
9位 佐々木勇八段1840   9位 佐々木勇八段1807(4月末14位1795点)
10位 広瀬八段  1819   10位 斎藤慎八段 1804
11位 服部六段  1807   11位 八代七段  1799(4月末19位1771点)
12位 斎藤慎八段 1794   12位 広瀬九段  1793(4月末5位1855点)
13位 八代七段  1790   13位 本田奎六段 1787(4月末17位1779点)
14位 斎藤明五段 1780   14位 服部六段  1784
15位 本田奎六段 1779   15位 糸谷八段  1778(4月末22位1744点)
16位 稲葉八段  1772   16位 佐藤天九段 1776
17位 佐藤天九段 1770   17位 増田康七段 1772
18位 糸谷八段  1759   18位 斎藤明五段 1771(4月末10位1814点)
19位 増田康七段 1756   19位 石井六段  1759(4月末38位1698点)
20位 近藤誠七段 1755   20位 稲葉八段  1757(4月末13位1798点)
(青字が上昇した棋士、赤字が下降した棋士)

(以下の分で、敬称、段位、称号・タイトル名を省略することが多いのは、ご容赦ください)
 藤井八冠がタイトル奪取を始めた頃は、藤井、渡辺、豊島、永瀬の“4強”と称されていたが、藤井が破竹の勢いでタイトル奪取(防衛)を続け、“1強+3強”という勢力図になった。
 その頃(22年度後半)の“1強+3強”を、やや離れて広瀬(竜王挑戦)、斎藤(A級で安定した成績)、羽生(王将挑戦など復調)、菅井(叡王戦、順位戦で藤井相手に健闘)が集団状態で追っている状況(私のイメージであるが)。

 その後、今年度(2023年度)に入って、「九段」になった渡辺九段が降下し始め、集団に飲み込まれる。渡辺九段より先に「九段」になり、やや沈みかけていた豊島九段は、4月から7月にかけて9勝1敗と復調。永瀬王座と共に、藤井七冠(当時)を追う“2トップ”を形成した。
 第2グループでは、広瀬、斎藤が後退し、代わって棋聖、王位に挑戦していた佐々木大地七段と今年度に入り22勝2敗、竜王戦も挑戦まで突っ走った伊藤匠七段が浮上。8月末のレーティングでは、それぞれ8位と7位に浮上(上表参照)

 9月以降は、何と言っても《藤井、八冠達成!》で更にブッチギリ状態を確立。永瀬九段も「九段」の仲間入り。
 その他の動きでは、豊島九段が10月末から12月1日までで2勝7敗と失速。(上表が12月1日現在時点のものなので、その間の状況を述べます)
 渡辺九段も9月以降(12月1日まで)4勝9敗と不振。佐々木大七段、伊藤匠七段は藤井八冠に叩かれたものの、伊藤は15勝9敗(対藤井を除くと15勝5敗)、佐々木は14勝4敗と好成績を維持している(ただし、この両者はクラスが下位なので予選など低い位置から参加しているので、高勝率を上げやすい)
 特筆すべきなのは(いや、当然かも)、菅井八段。10月12日以降、11勝1敗と爆走、王将位への挑戦権も獲得した。12月15日のA級順位戦の対斎藤八段戦も強さを感じる勝ち方だった。

 12月2日~19日までの動きとしては
 棋王戦挑戦者決定2番勝負は広瀬九段-伊藤匠七段の対決となった。(伊藤七段は2連勝が条件)

《12月19日現在のレーティング》
1位 藤井八冠  2127
2位 永瀬九段  1892
3位 菅井八段  1883
4位 伊藤匠七段 1879
5位 羽生九段  1866
6位 豊島九段  1855
7位 佐々木大七段1852
8位 佐々木勇八段1822
9位 渡辺明九段 1817
10位 八代七段  1804
11位 広瀬九段  1802
12位 斎藤慎八段 1793

となっている。
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(ちょっと古いのですが)『白玲 ~初代女流棋士No.1決定戦』(BSフジ)

2023-12-15 21:30:36 | 将棋
 隙間時間を利用して、録画したまま放置していた番組を視聴しています。主に、『SONGS』などの歌番組や『将棋フォーカス』などの将棋番組などです。年末から年始にかけて駅伝などのスポーツ中継や『相棒』などのSPドラマ、バラエティの録画に備えて、ハードディスクの空き容量を確保しようと努力しています(笑)

 その中に、白玲戦がらみの番組がいくつか。毎週放送されていたわけではないので、録画できなかったことがほとんど(2021年2本、2022年1本、23年1本のみ)。なので、観る意欲が薄れて放置していました。

 この記事の第1期の第7回放送分(2021年7月18日放送)。ベスト8が出揃い、準々決勝が始まったところ。この白玲戦は男性棋士の順位戦に倣ったシステムなのだが、それには、全64女流棋士の序列をつけなくてはならない。そこで、その序列付けと初代白玲位7番勝負を争うふたりを決定する2本立てとなった。おそらく、おおよその仮ランク分けを行い、実力均等に8組に分けたような気がする。各組1位がトーナメントを戦った。その他、各組同順位同士で順位決定戦を行い、1位(白玲位)~64位を決めた。

 そのベスト8棋士の紹介が面白かった。
「7つあるタイトルのうち4つ(清麗、女流名人、女流王位、倉敷藤花)を手にする里見香奈女流四冠
「残り3つのタイトル(女王、女流王座、女流王座)を持つ里見香奈最大のライバル、西山朋佳女流三冠
「通算タイトル獲得8期、打倒二強に燃える加藤桃子女流三段
「第29期女流王位、“天才肌”渡部愛女流三段
「通算タイトル獲得数19期、歴代3位、中井広恵女流六段
「タイトル戦の常連、伊藤沙恵女流三段
「謎多き女流棋士、加藤圭女流二段」
「22歳、期待の新生、石本さくら女流二段

 “謎多き女流棋士”って酷くない?……思わず、飲んでいた缶コーヒーを吹き出しそうになった。
 最初の準々決勝は、伊藤vs加藤戦
 伊藤女流三段は、タイトル戦登場8期の実力者で、受け将棋を得意とすることから、異名は…”盾の伊藤”!(かっこいい…)
 対する加藤圭女流二段は…予選リーグでは清水女流七段、室谷女流三段らを破り七戦全勝で通過を決めた。
 わずか三年という彗星のごとく現れた存在であるが、「ちょっと前まで、名前あまり聞かなかったので、急に上に上がってきた。すごい成長。謎に満ちている」(加藤桃子)、「とても一言では言えない。未知数が非常に高い。怖い存在」……まさに、“謎多き女流棋士”(“謎の女流棋士”とも)←ナレーション
 加藤女流二段への取材によると、女流棋士になったわけは「自分でも、なんでなのか分からないんですけど、将棋にその時、たまたまハマってしまって、心理学の勉強よりも将棋の方が楽しかった。ついついわき道にそれてきたら、こちらにたどり着きました」
 臨床心理士を目指し大学院で心理学を専攻していた。将棋に目覚めたのは、大学院時代の22歳にネット将棋にハマり、その後、加瀬純一七段に弟子入りし、4年で女流棋士に(26歳)。さらにそこから3年で白玲戦予選リーグを突破し、女流二段となった。
 「楽しいから指しているので、何を目指しているわけではないです。私が゛タイトルを目指している”と言うのは恐れ多いです」と。

 この伊藤vs加藤は、盾(守り)の伊藤女流が速攻を敢行、伊藤ペースに思えた(←番組ナレーションの評だったが、無理して攻めている感があった)。終盤、加藤のカウンターが炸裂、加藤の勝利となった。
 《“謎の女流棋士”加藤圭女流二段、ベスト4に進出!》←ナレーション

 この後、予選二位グループ順位決定戦で来期A級の3枠を目指す戦い、甲斐女流五段vs香川女流四段戦も取り上げていた。甲斐女流が勝ち、番組がスポットを当てていた香川女流の来期のA級はなくなった。


 そして、準々決勝の好カードの西山女流三冠vs加藤桃女流三段戦……“剛腕、西山女流三冠”vs“攻めの加藤三段”
 西山女流三冠は奨励会員だったので、女王、女流王座、女流王座の3棋戦しか参加できなかった。奨励会を退会したので、4冠目を狙っている。
 加藤桃女流三段は、ここまで女王4期、女流王座4期。鋭い攻めで一気に相手を追いつめる゛攻めの加藤”(←ちょっと違うと思う)

 加藤女流三段にとって、西山女流三冠は因縁の相手。加藤は4期連保持していた女王位を奪われた(以後、西山が女王を保持)。
「白玲を取れたら……“2強”じゃなくて“3強”と呼んでください」と闘志を燃やす。

 戦型は後手の西山女流三冠の四間飛車に、加藤女流三段が5七銀左戦法の急戦で挑んだ。
 昭和40~50年代を思わせる戦い。加藤が西山仁に切り込み、攻め切れるかどうか……
 西山女流三冠は冷静に受け止め、反撃!
 そこで、加藤が持ち時間を使い切り、1分将棋(まだ中盤戦)
 そこから、」西山の剛腕が炸裂!加藤玉を一気に追い込んでいく。
 そして、134手目……△6五銀を見て、加藤女流三段が投了。開始から4時間50分で西山に凱歌が上がった。
 「めちゃくちゃ悔しい……この将棋、勝ち切れなかったからしょうがないかな…(←ちょっと、文脈がおかしい)」
 
 西山女流三冠「強敵と当たっていたので、心して挑んだ。今日は納得いく将棋が指せた」(加藤の感触とは違うなあ。ぱっと局面を見ただけなのでよくわからないが、一見、加藤の攻めが決まっていたかのようだったが、しっかり受け止めていたように見えた」
 西山女流三冠の次の相手は、“謎多き女流棋士、加藤圭女流二段!」…あくまで“謎”を強調(笑)

 残りの準々決勝の二局は……
“天才肌”渡部女流三段 vs 若手のホープ、“追い込み”の石本女流二段
“出雲のイナズマ”里見女流四冠 vs タイトル獲得数歴代3位 中井女流六段


 次回に続く!と盛り上げて、番組終了(私の記事は続きません・笑)
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将棋情勢(2023年11月28日)

2023-11-28 11:53:55 | 将棋
王将位挑戦者決定リーグ
 菅井八段が5勝1敗で挑戦権獲得。羽生九段(4勝2敗)、永瀬九段(4勝2敗)、近藤誠七段(3勝3敗)が残留。陥落は豊島九段(2勝4敗)、佐々木勇八段(2勝4敗)、渡辺九段(1勝5敗)。
 詳細はこちら

西山四冠vs里見四冠
 白玲位七番勝負最終局は、西山女流三冠が快勝し、白玲位を奪取。里見女流は五冠から4冠に後退。これで四冠対四冠となったが、タイトル順位より西山四冠が序列1位となった。
 倉敷藤花三番勝負も、またもや二人の対決(西山女流四冠が挑戦)。里見倉敷藤花が2勝0敗で防衛

女流王位五番勝負
 加藤桃子女流四段が里見女流王座に挑戦。現在、里見女流王座の2勝0敗。第3局は12月5日に行われる。

女流名人戦
 挑戦者決定リーグ最終局が11月24日に行われた。
 この日は、朝日杯二次予選、達人戦準々決勝が行われており、その他各棋戦の予選も多くの対局が組まれていた。
 連盟職員や各棋戦関係者の勤務関係もあるかもしれないが、もう少し、バランスを取って欲しい。記録係は奨励会員だと思われるが、学業は大丈夫なのだろうか?
 それに、将棋ファンにとっては、土日に対局中継があった方が嬉しいはずだが……


 それはさておき、リーグ戦は大激戦。
 最終局を前にした成績は
里見女流四冠(2位) 6勝2敗  (最終局対戦相手は伊藤)
内山女流初段(7位) 6勝2敗  (最終局対戦相手は上田)
鈴木女流三段(3位) 4勝4敗  (最終局対戦相手は石本)
加藤女流四段(4位) 4勝4敗  (最終局対戦相手は渡部)
石本女流二段(6位) 4勝4敗  (最終局対戦相手は内山)
渡部女流三段(7位) 4勝4敗  (最終局対戦相手は加藤)
山根女流二段(7位) 4勝4敗  (最終局対戦相手は香川)
伊藤女流四段(1位) 3勝5敗  (最終局対戦相手は里見)
上田女流四段(5位) 3勝5敗  (最終局対戦相手は内山)
香川女流四段(7位) 2勝6敗  (最終局対戦相手は山根)
 4名が陥落 カッコ内の順位は前年度成績による順位、同星の場合に優先される(挑戦者決定はプレーオフが実施)

 挑戦権は里見女流四冠と内山女流初段に絞られているが、降級の可能性は暫定3位の鈴木女流三段まであるという大激戦(香川女流四段は陥落が決定している)。
 同星でも挑戦権に関してはプレーオフが実施されるので、里見と内山は星勘定に関しては全くの五分。対戦相手との棋力相性を考えると、里見-伊藤は里見が優位だが、伊藤も里見から女流名人を奪取した(前々期)実力者で、難敵である。伊藤は負けると即陥落が決定するので必死であろう(陥落が懸かっていなくても全力だが)。
 内山はまだ棋歴が浅く実績に乏しいが、相当棋力を伸ばしているようだ。里見を破ったのは驚いたが、里見に対して優勢になってもそこから勝ち切るのはなかなか難しい。終盤力もあるようだ。その他、伊藤、渡部、香川、鈴木、石本とそうそうたるメンバーを破っている。
 最終局の上田も難敵だが、勝つような気がした。

 残留争いは、上記のリーグ成績の下位ほど苦しいが、その差はそれほど大きくはない。暫定8位の伊藤を例にとると、勝てばランク1位での4勝5敗となり、上田が4勝目を上げても伊藤よりも下位、加藤ー山根戦、鈴木―石本戦の敗者2名も4勝止まりで伊藤よりも下位。これに既に陥落決定の香川を加えて、少なくとも6位以上が決定するので、勝てば残留できる。
 暫定9位の上田は勝ってもランク5位での4勝5敗で、残留は厳しい状況だが、最終局で伊藤、山根、渡部が敗れれば、この3棋士と香川より上位となり残留できる。
 暫定3位の鈴木は最終局に敗れても、伊藤、山根、石本が揃って勝たない限り、陥落しないという状況。陥落は暫定5位の石本あたりまでかなあ……と見ていた。

【最終局の結果】
○里見女流四冠-伊藤女流四段●
○内山女流初段-上田女流四段●
■加藤女流四段-渡部女流三段□ (不戦)
○山根女流二段-香川女流四段●
○石本女流二段-鈴木女流三段●


 この結果
里見女流四冠(2位) 7勝2敗  (〇伊藤) プレーオフ
内山女流初段(7位) 7勝2敗  (〇上田) プレーオフ
石本女流二段(6位) 5勝4敗  (〇内山)
渡部女流三段(7位) 5勝4敗  (□加藤)
山根女流二段(7位) 5勝4敗  (〇香川)
鈴木女流三段(3位) 4勝5敗  (●石本)
加藤女流四段(4位) 4勝5敗  (■渡部) 陥落
伊藤女流四段(1位) 3勝6敗  (●里見) 陥落
上田女流四段(5位) 3勝6敗  (●内山) 陥落
香川女流四段(7位) 2勝7敗  (●山根) 陥落


 何と、女流四強の加藤桃、伊藤を含めた女流四段がリーグ陥落。
 女流四段と言っても、現棋力が相当怪しい棋士もいるが、上田、香川の両女流四段はバリバリの実力者。
 加藤桃女流四段はインフルエンザ罹患によるものだという。無念。

立川立飛杯達人戦
準々決勝……○森内九段-阿部八段● ○羽生九段-深浦九段● ○丸山九段-谷川十七世名人● ○佐藤康九段-藤井猛九段●
準決勝………○羽生九段-森内九段● ○丸山九段-佐藤康九段●
決勝…………○羽生九段-丸山九段●
 “ひとり表彰式”も観られた(笑)
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羽生会長の“ひとり表彰式”

2023-11-26 10:59:37 | 将棋
 一昨日、昨日(2023年11月24日、25日)に達人戦の決勝トーナメントが行われ、羽生九段が優勝した(棋戦の詳細については後述)
 仕事の合間に観ていたので(将棋の合間に仕事?)、決勝が終わったところで観戦終了。ところが、その後に大珍事が繰り広げられていた!

 今年度より、羽生九段が将棋連盟の会長に就任していて、各イベントの挨拶や表彰式などに業務を行っていた。
 私は「では、この後表彰式を行いますので、その準備の為。しばらくお待ちください」というアナウンスを聴いて視聴を終えたわけだが、脳裏には《羽生九段が賞状を贈られる》シーンが浮かんだ。渡す側は具体的に想像しなかった。会長が被表彰者なので、連盟副会長?(副会長という役職あった?…昔はあったはず)や主催や共催(後援)など運営側の偉い人が贈るはず。

 まさか、会長が“ひとり表彰式”を行うとは!
 “コント”のようなシーンが繰り広げられた(もう少し、観ていれば良かった。羽生ファン失格である)
「表彰状、羽生善治殿、あなたは……」
その後、羽生九段が表彰状を、お辞儀をしながら受け取る仕草…


 何でも引き受ける羽生九段ならではのシーンだった(佐藤康光前会長も引き受けたような気がする)
 感想を尋ねられ「自分で自分の名前を呼ぶのは”面映ゆい”」と述べたようだが、「面映ゆい」とは絶妙な表現だ。


さて、この"達人戦”、今年、いきなり発表された(←私個人の感触)

2023年05月22日の将棋連盟ホームページで公表された
主催:公益社団法人 日本将棋連盟
特別協賛:株式会社立飛ホールディングス
協賛:トヨタS&D西東京株式会社

棋戦参加者:2023年4月1日付で満50歳以上の現役棋士全員
【棋戦概要】
・予選から本戦まで全てがトーナメントで、決勝も1番勝負
・予選出場者によって本戦入り4名を争う。
・永世称号呼称者・資格者4名(谷川・羽生・佐藤康・森内)は本戦へシード。(第2回以降のシード形式は今後決定)
・予選を通過した4名とシード4名の合計8名によって本戦トーナメントを実施。

・開催期間:2023年6月~2023年11月
・持ち時間
   予選はチェスクロック計測の1時間、切れたら秒読み1分
   本戦はチェスクロック計測の30分、切れたら秒読み30秒


 ちなみに、1993年度~2014年度まで開催された「達人戦」とは別もの。
 富士通主催で非公式戦。40歳・八段以上の棋士から規定によって選ばれた6人によるトーナメント戦。(富士通・達人戦公式ホームページ
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いい夢を見させてもらった

2023-11-22 20:34:30 | 将棋
 本日は王将位挑戦者決定リーグの最終局。
 7人のリーグ戦なので、空き番がひとりできてしまうのがこのリーグ戦の欠点(遠い過去に8人リーグだったような記憶も)
 その空き番が羽生九段で、4勝2敗で結果待ちの状況。4勝1敗が永瀬九段と菅井八段で、両者が共に負けないと羽生九段の挑戦権の目がない。(同成績が3人以上の場合は、前期の成績上位者優先で、羽生九段と永瀬九段のプレーオフ)

 単純に考えると両者が共に負ける確率は25%。両者の実力と調子を考えると、その確率はさらに低くなる。
 なので、全然関係ない私が言うのも何だが、《あわよくば》の心境。

 実際、永瀬、菅井両者ともに、大雑把に言うと優勢→勝勢の状況。
 ところが、終盤、両者ともに間違え、永瀬ー佐々木勇戦は勝利確率が佐々木勇八段の70%弱、菅井-近藤誠戦に至っては近藤雄七段の90%となった。
 《これは、もしかすると!》と思ったが、佐々木、近藤ともに正着を逃し、敗勢に。ただし、永瀬ー佐々木勇戦は評価値で永瀬勝勢でも、そのまま価値に結びつけるのはかなり大変そう。結局、土壇場で間違え佐々木勇八段が勝利。
 一方、菅井八段はそのまま勝ち切り、ただ一人1敗キープの5勝1敗で、王将戦の挑戦権を獲得した。
 残念ながら、羽生九段のプレーオフ進出はならなかったが、4勝2敗の2位は、明日に繋がるだろう。
 もう一局の豊島-渡辺戦は、渡辺九段の勝ち。

【最終成績】
1位 菅井八段(5位) 5勝1敗  挑戦
2位 羽生九段(1位) 4勝2敗
3位 永瀬九段(3位) 4勝2敗
4位 近藤七段(4位) 3勝3敗
5位 豊島九段(2位) 2勝4敗  陥落
6位 佐々木八段(5位)2勝4敗  陥落
7位 渡辺九段(5位) 1勝5敗  陥落 
  (括弧内の順位は前期成績によるランキング)

 ネット中継などの評価値(勝利確率)だが、順位戦と王将戦は数値が極端のように思う。
 アベマはかなり正確のように思う。NHK杯は短時間の割には優秀。(あくまで、私の感触)

 それにしても、最終盤で勝勢だった永瀬九段が正着を逃した時、
「やらかした~!」
「アマでも分かるのに」
などのコメントが殺到したが、時間切迫の中で正着を指すのは(指し続けるのは)相当困難。確か、▲2六香と守る手のみが正着で、他の手はすべて敗勢に陥る状況。攻める手でも詰み、もしくは、攻めながら自玉の詰めろを解除することも出来そう……。
 同じ勝利確率99%でも、5つの候補手が見えて3つが99%、1つが80%、1つが50%の場合と、1つだけが99%で、残りはすべて10%では、難易度に雲泥の差があるのである。
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羽生情勢…その後

2023-11-15 17:39:25 | 将棋
将棋情勢(羽生情勢)として、「その1」(10月28日)、「その2」(10月31日)をアップしている。

「その1」では、最近の対局結果
10月19日 順位戦B級1組 7回戦 山崎七段に敗れる
10月23日 王将戦リーグ戦 3回戦 豊島九段に敗れる
10月26日 王将戦リーグ戦 5回戦 菅井八段に敗れる
さらに、とその後の対局予定として
10月29日 NHK杯2回戦(収録済) 対豊島九段
10月30日 王将戦リーグ戦 4回戦   対渡辺九段
11月 2日 棋聖戦二次予選      対中村太八段
11月 2日 銀河戦(収録済)     対藤井銀河
11月9日 順位戦B級1組 8回戦  対近藤七段……今記事で追加
11月14日 王将戦リーグ戦 6回戦  対永瀬九段……今記事で追加

 3連敗していた上、NHK杯戦~銀河戦まで立て続けの4対局。
 このうち2局は収録なので、リアル時間では"立て続け”ではないが、ファンや視聴者にとっては4連戦。相手が強敵ぞろいなので、4連敗もあり得る。そうなると7連敗となり、精神的にきつい……
結果は……
○対豊島九段(NHK杯・10月29日)
○対渡辺九段(王将戦10月30日)
●対中村太八段(棋聖戦・11月 2日)
●対藤井銀河(銀河戦・11月 2日)    
○対近藤七段(順位戦B1・11月9日)
○対永瀬九段(王将戦・11月14日)
 NHK杯豊島九段に勝ったのは無茶苦茶嬉しかった(観戦後、グッタリ)。でも次戦は永瀬九段……
 王将戦はやや調子を落としている上、リーグ戦も3戦全敗で残留の目もほとんどない渡辺九段なので、勝つ期待値は高かった。内容もよかった(渡辺九段は少し淡白)
 中村太八段棋聖戦)は今期、対局前までは今期5勝8敗と成績が上がっていない。ただし、直前は4連勝しており、予断を許さない相手だが、勝っておきたい相手(ごめんなさい)。負けたのは残念だが、それ以上に、将棋が変調だった。
 銀河戦は超難敵(藤井八冠)。難易度が高い対局だが、長年積み重ねた将棋観と経験、瞬時の読みは衰えていないので、もしかしたらの期待感はあった。あと一歩勝てそうな局面が数度あり(藤井八冠も同様)、惜しい敗局。勝利確率(評価値)的には必勝でも、その手を着手するのは相当難しかった。「運がなかった」ということをご容赦ください。
 対近藤七段戦(順位戦)は難解な局面を精密な手を続け、内容がよく、快勝に近かった。でも、実は、終盤勝勢になってもハラハラしていて、近藤七段が投了した時はホッとした("羽生将棋を信用していないのか”と問われると、はっきり否定できない"ヘタレ”です)
 近藤七段は投げ方がきれいなので、投げてくれると思っていいたが、投了図で《▲5五香と打たれると、混戦になるパターンがいくつかあり、残り時間は32分とやや余裕があるとは言え、長時間頭脳を働かせた後で、きっちり勝ち切るのは難しいかもしれない》などと心配していた。
 昨日の永瀬戦王将リーグ)は超難解。中継の評価値は乱高下したが、最善手を指し続けるのは困難だったと思う。とは言え、感想戦で評価値が急降下した手を、《この一手》(当然手)という感覚で素通りしていくシーンが数度あった。羽生九段の"変調の日”だったような気がする。永瀬九段も少しおかしかった。終盤、必勝になった局面で正解手が3通りくらいあったと思うが、それを逃したのが意外だった。
 
「その2」では、羽生九段がプレーオフなしで挑戦権を獲得できる勝敗を妄想したが、11月3日に永瀬九段が近藤誠七段に勝利し、3敗する可能性がなくなったので、あっさり妄想は消滅(羽生九段以外が3敗するのがプレーオフなしの挑戦権の条件)
 さらに、菅井八段も対豊島戦(11月7日)、対佐々木勇八段戦(11月10日)に勝利し、プレーオフなしどころかプレーオフに進出するのも難しい状況だ。

 羽生九段は4勝2敗でリーグ戦を終了。
 最終局を前に、永瀬九段と菅井八段が4勝1敗なので、両者が共に敗れないと羽生九段のプレーオフはない。
 両者が負けた場合、近藤七段も最終局に勝利すると、4勝2敗で並ぶ可能性があるが、プレーオフは上位二者で行われる。勝敗が同じの場合は昨期の順位が優先するので、昨期1位の羽生九段と昨期3位の永瀬九段のプレーオフとなる。ただし、同成績者に予選勝ち上がり棋士が複数含まれる場合(例えば4勝2敗者が2位と予選勝ち上がり者2名または3名の場合)は、順位下位の予選勝ち上がり同士の対戦の勝利者と、順位上位者との決定戦となる。
 よって、菅井八段、近藤七段が4勝2敗になった場合は、プレーオフへの進出はない。(菅井八段は最終局に勝てば、プレーオフ以上、近藤七段は勝ってもプレーオフはない)

 とにかく、羽生九段のプレーオフ進出は、永瀬九段、菅井八段が共に敗れるのが条件。
 ふたりの敗局を期待するのはご容赦いただきたいのだが、最終局の熱戦を楽しみたいと思っている。
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将棋情勢2(2023王将リーグでの妄想)

2023-10-31 15:27:11 | 将棋
第4期ヒューリック杯白玲戦
 挑戦者の西山女流三冠が里見白玲を破り、四冠となった。
 これで、西山女流が白玲・女王・女流名人・女流王将、里見女流が清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花と4冠ずつ保持することになった。
 冠数は同じだが、序列1位は白玲なので西山四冠が序列1位となった。ちなみに、将棋連盟サイトのタイトル記載は、白玲・清麗・女王・女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花の順。西山四冠が1位、3位、5位、7位、里見四冠が2位、4位、6位、8位を保持。

 全棋士におけるタイトル序列は、竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖の順。竜王と名人は別格で、タイトル保持数より竜王、名人の方が優先される(竜王が名人より優先)。
 女流タイトルが、そういう慣例(例えば白玲一冠>女流三冠)になっているのかは、(私は)分からない。今後、里見女流四冠が西山女流四冠の保持するタイトル(白玲以外)のタイトルを奪取し、西山女流が白玲を維持した状態で里見女流のタイトル数が上回ることになれば、はっきりする。最短では女王戦でその可能性が浮上する。現在、ベスト8まで決まっていて、準々決勝は、上田女流四段-北村女流二段、堀女流1級-伊藤女流四段、大島女流初段-里見女流四冠、松下女流初段-加藤桃女流四段の組み合わせとなっている。
 白玲戦の第7局(最終局)は、西山挑戦者の十字飛車の筋が炸裂し、西山女流が快勝。実戦では、里見白玲がその十字飛車を避けたものの、屈伏気味の手順を受け入れたため、勝負形に持ち込むことも出来なかった。素人見解だが、十字飛車を受け入れ、その代わり、十字に動いた飛車を捕獲する手で勝負したかった。銀をポロリと取られることになるが、その前に角銀交換になっていて、先手の飛車は角と刺し違えになる可能性大なので、“後手・飛車”対“先手・銀2枚”の2枚替えの駒損で済みそう。駒の振り替わりの後、後手は王手銀取りの駒損回復手段も残っている(それでも、先手が有利)
 里見ファンとしては残念な結果だったが、捲土重来を待ちたい。

羽生情勢
前回記事(10月28日)より、3局対局進行。
10月29日 NHK杯2回戦(収録済) 対豊島九段
10月30日 王将戦リーグ戦 4回戦   対渡辺九段
11月 2日 銀河戦(収録済)     対藤井銀河  ⇐10月28(土)に無料プレミア公開で公開された(現在も公開中?)
 一応、囲碁・将棋チャンネルの初回放送が11月2日なので、この記事では将棋内容や結果は書きません。

 NHK杯トーナメントの対豊島戦は難解な攻防を潜り抜け、勝勢に。しかし、最近の羽生九段は、勝勢になってからも安心できない。詰みがあったり、寄せに行けば勝ちという局面でも読み切れず、決めそこなうということが多々。ただし、今回は自玉が受けなしなので、豊島玉を詰ますしかないので、方針ははっきりしている。とは言え、秒読み。しかも、通常の1分将棋ではなく、30秒将棋だ。
 ………最後の最後までヒヤヒヤしたが、豊島九段がきれいに頭を下げ、投了。
 対豊島戦の勝利なので、ことのほか嬉しい。連敗を払拭する勝利だったが、よく考えると収録だった。収録日は9月25日とひと月以上前(NHK杯戦は対局後2か月後に放送ということもよくあった)。連敗前で復調の兆しでは全くない。
 それはともかく、NHK杯戦の3回戦の相手は……永瀬九段。《また、永瀬かよ!》(呼び捨て、御免)
 それにしても、《永瀬出現率、高くない??》、リーグ戦なので仕方がないが、王将リーグでも対局がある。
 永瀬九段だけでなく、豊島九段、藤井八冠、それに、渡辺九段、佐々木大七段らとの対局も多い気がする。今年度は対永瀬戦3局(1勝2敗)、対藤井戦2局(1敗1未確定)、対豊島戦3局(2勝1敗)、対渡辺戦2局(1勝1敗)、対佐々木戦2局(2敗)。藤井八冠と最近のタイトル保持者、タイトル挑戦者との対局が、今年度の7か月で12局(4勝7敗、1未確定)は多いのではないだろうか。豊島九段とは、今後叡王戦でも顔が合いそうだ。
 
 王将戦リーグの対渡辺九段は、相横歩取りの空中戦。互いの玉は中住まい。飛車は相振り飛車(向かい飛車)の配置。先手は8筋、後手は2筋を攻め突破を目指すという展開。中盤の形勢はやや羽生有利。羽生九段が7六に歩を設置している分だけ、勝ちやすいように思えた。
 終盤の入り口、渡辺九段が▲8三歩と銀取りに歩を打ち、後手陣突破を図った手が厳しい手に思われたが、羽生九段は構わず△2七角成。これが、▲8三歩を上回る厳しさで、はっきり後手の手勝ちとなり、その後短手数で渡辺九段が投了。
 珍しく、終盤のドキドキ感はなかった。うん、ドキドキなしの勝利は嬉しい。

 これで王将位挑戦決定リーグは10月30日現在
永瀬九段(ランク3位)  3勝0敗
近藤誠七段(ランク4位) 2勝1敗
菅井八段(ランク5位)  2勝1敗
羽生九段(ランク1位)  3勝2敗
豊島九段(ランク2位)  2勝2敗
佐々木勇八段(ランク5位)1勝3敗
渡辺九段(ランク5位)  0勝4敗

(リーグの現状の成績はこちら

 2敗の羽生九段、豊島九段も挑戦の可能性があるが、全勝もしくは1敗の3棋士が2敗以上になるのが条件なので、挑戦権争いは、永瀬九段、近藤誠七段、菅井八段に絞られたというのが妥当だろう。(尚、渡辺九段のリーグ陥落が確定した)
 ……とは書いたが、そのくらいであきらめる私ではない(私があきらめなくても、挑戦権には何の影響はないのだが)。次の2点に望みを託す。
・羽生九段が永瀬九段戦を残している
・王将リーグはA級順位戦より厳しいメンバーなので、誰もが五分の星を残すのは難しい


 現に多少調子を落とし気味とはいえ、あの渡辺九段が4戦全敗なのだから(昨年も1勝5敗でリーグを陥落している)、残りを近藤七段、菅井八段が3戦全勝で終えるのは難しい。
 ただし、ここまで3勝0敗永瀬九段は、残り2勝1敗でよい(羽生九段にとっては、永瀬九段が2敗してくれないとダメ)。そこで、羽生九段-永瀬九段戦が残っているのが大きい。この一戦に、羽生九段が勝利すれば、永瀬九段も残りを1勝1敗なら羽生九段が追い付くことができる。
 とはいえ、3棋士の内、1棋士でも3勝0敗や2勝1敗で切り抜けてしまうと、羽生九段の王将位挑戦は泡と消える。

 ……羽生九段の挑戦権獲得、または、プレーオフ進出は、悲観的に考えれば、厳しいが、楽観的に考えると、十分あり得る。まだ未消化の3回戦(実質4回戦)の菅井-佐々木勇戦で佐々木勇八段が勝つと、希望がやや大きくなる。
 5回戦の永瀬-近藤戦は、挑戦権争いの大きな一局。どちらかが必ず1敗することになるが、どちらかが1勝を上げ挑戦権に近づくことになり、羽生ファンにとっては、“痛し痒し”だ。でも、永瀬九段が勝つと挑戦権に大きく近づくので、近藤七段が勝った方がありがたいと考える。
 とにかく、陥落が決まってしまった渡辺九段と1勝3敗で挑戦の目はなくなってしまった佐々木勇八段には頑張っていただきたい(渡辺九段には近藤七段、佐々木八段には菅井八段、永瀬九段に黒星を付けてほしい)

 私の願望はさらに強くなり、次のような妄想を抱いてしまった。
 挑戦権やプレーオフが厳しい状況にもかかわらず……羽生九段の最終局・対永瀬戦に勝利すれば、他の勝敗具合によっては、羽生九段の単独1位の目もある!

英の妄想リーグ戦(あくまでも私の妄想です) 赤字の勝敗は私の願望
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将棋情勢(羽生情勢……“嗚呼”の4倍にならなければ良いが…)2023年10月28日

2023-10-28 10:48:45 | 将棋
第36期竜王戦
 藤井竜王が勝ち、3勝0敗と防衛(八冠維持)まであと1勝となった。
 伊藤匠七段も研究と読みをフル稼働して、中盤過ぎまでは互角の戦いをしているが、徐々に引き離されてしまっている。
 藤井八冠はいつも強いが、今回は特に強いように感じる。スキがない。疑問手が少ない。
 年内のタイトル戦は竜王戦だけなので、年明けの王将戦と棋王戦のどちらかを失うとしても、2月初旬までは八冠保持できる。
 あり得ないと思うが、王将戦を4連敗して失冠するとしたら、昨期の第4局が2月9日なので、少なくともその辺りまでは八冠保持する見込み。(棋王戦五番勝負は第三局が3月5日)

第4期ヒューリック杯白玲戦
 第5局、第6局を里見白玲が連勝し、3勝3敗で第7局(最終局)に持ち込んだ。
 本日がその第7局。実力は互角、どちらが勝つかは全く分からない。
 振り駒で先手後手が決まるので、絞り込んだ研究もしにくい。これまでの二人の対局の積み重ねである程度、局面が想定できるであろう。ただし、自分の想定した局面に進むかは不明。
 でも、このふたりの場合、想定局面の一致率が高いように思うので、想定通りに進むかもしれない。(加藤桃子女流四段の場合、自分の研究手順に持ち込むのが非常に巧い。対局相手の将棋を精彩に研究して、手順を検討し想定手順を組み立てるのだろう)
 多少、互いにミス(疑問手)が出るとは思うが、自身2度目のミスを先に犯した方が負けると言っておこう。

羽生情勢
10月19日 順位戦B級1組 7回戦 山崎七段に敗れる
10月23日 王将戦リーグ戦 3回戦 豊島九段に敗れる
10月26日 王将戦リーグ戦 5回戦 菅井八段に敗れる(4回戦の対渡辺戦は10月30日予定)
 これで3連敗。順位戦は増田康七段戦に続いての連敗で順位戦成績は4勝3敗。昇級の可能性はまだまだあるが、例年の昇級ラインを考えると4敗までなので、ほぼ負けられなくなってしまった。
 また、王将戦もこれで2勝2敗。まだ挑戦の可能性はあるが、次局に負けると残留も黄色信号が灯る。

 で、今後の対局予定は……
10月29日 NHK杯2回戦(収録済) 対豊島九段
10月30日 王将戦リーグ戦 4回戦   対渡辺九段
11月 2日 棋聖戦二次予選      対中村太八段
11月 2日 銀河戦(収録済)     対藤井銀河
 尚、銀河戦・羽生-藤井戦は、『囲碁将棋プラス』で10月28日(土)13:00~、つまり今日の午後1時から、無料プレミア公開される模様。

 10月19日の順位戦山崎戦から対局ラッシュ。
 今後の4局も立て続けだ(2局は収録だが)。
 対戦メンバーも半端ない。
 収録の2局は、結果確定しているので応援しても意味がないが、それでも、かじりついて応援しよう。
 この2局はかなり勝ち目は低いが、せめて対渡辺、対中村戦には勝ってほしい。
 でないと、7連敗……
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嗚呼

2023-10-26 20:31:10 | 将棋
嗚呼……

  ………嘆きの理由が分かった方は、放電日記通です。
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