英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

学力テストのデータ公表と知事の品格

2008-12-25 21:49:35 | 時事
 秋田県が各市町村別の平均正答率などのデータを公表しました。これまで、都道府県単位としては、大阪府が情報公開請求に応じる形で市町村別のデータの一部を公表していますが、すべての市町村のデータを公表したのは、秋田県が初めてです。

 学力テストのデータ公表については、10月23日の『自慢したかったの』で、熱く語っていますので、ここでは詳しく述べませんが、私は反対です。


 まず、秋田県知事の言葉を紹介します。
「私は、純粋に、公表することが秋田県の教育の向上につながると、一途に考えて公表させていただいてます。
 公教育はプライバシーを除いて、公開は基本だと思っています」

 データの公表が、学校の序列化や行過ぎた競争につながるのではないかという指摘については
「子どもたちにとっては、序列化や過度の競争はないと思っている。他の市やよその学校のよさを理解して、自分たちの教育の向上につなげることが、あるべき姿だとおもっています」

 これに対し、公表に反対してきた秋田県内の市町村の教育委員会は強く反発しています。
 八幡町教育長は
「まさか公表されるとは思ってなかったので、動揺しています。(中略)公表されたのは非常に残念だと率直に思います」
 秋田市教育長は
「数字が一人歩きをするということを、大いに懸念せざるをえない。序列化や競争激化ということで、教育現場に決していい影響は与えない。平均正答率の公表は好ましくない。すべきでないと考えている」


 文部科学省は来年度以降も、市町村別や学校別の結果の一覧表は公表すべきではないとして、昨日、来年度のテストの実施要領を示したばかりでした。

 文部科学省は
「実施要領では、市町村の結果の公表は市町村の教育委員会にゆだねられている。秋田県が教育委員会の意思に反して公表したことはまことに遺憾である。今回の公表の狙いと教育の改善につながるのかきちんと確認したい」
と、コメントしています。


 まず、文部科学省のコメントは少しおかしいと思います。文部科学省の方針もデータは公開すべきではないであったはず。秋田県の市町村の教育委員会の意向を盾にとって批判するのはおかしいと思います。

 まあ、それは措いておいて、秋田県の知事のやり方はおかしいです。
 たとえ、正しいと思っても、正式な手順を踏まないで断行するのはルール違反です。(今回の場合、正しいかどうかも甚だ疑問ですが)
 知事は県のトップです。そのトップが、ルール違反をしていいものでしょうか?まず、データ公表の利を文科省や教育委員会や世間に説いて理解を得るべきです。 ニュースでは「市町村の教育委員会は公表に反対していた」と表現しているので、知事はそう訴えてきたのかもしれませんが、それでも、今回の断行は賛成できません。知事の経歴を知らないので、断言はできませんが、教育は畑違いなのではないでしょうか。教育現場や教育委員会の意見を尊重するのが筋だと思います。

 これに関連して、大阪府の橋下府知事についても語らせてください。
 少し前ですが、文部科学省の指針について「ばっかじゃないの!」と「ばか」を5、6回連発していました。知事はわざとこういう言い回しをして、世論を煽っているのではないかという節も見られますが、府のトップが、こういう言い方をしていいものかと、腹立たしく思いました。

 あと、「情報開示請求」という件もあり、これについてはよく分かりません。何でも情報を公開すればいいというものではないと思うのですが、どうなのでしょう。公表した場合、不都合が生じると判断できる場合は拒否すべきだと思います。その基準は難しいですが。


 「学力テストのデータ公表は学力の向上につながる」という考え方もあるでしょう。確かに、データを公表すれば、現場の尻を叩くことになり、学力向上に今以上に力を注ぐようになるでしょう。もちろん、学校の序列化や過度の競争という弊害も生じます。これらのプラス・マイナスを比較して、また他の要素も考慮して総合的に公表の是非を下す必要があります。

 しかし、その前に根本的な問題があります。データ公表のような成果主義の下で、本当に学力向上が望めるのでしょうか?
 教育現場が殺伐としたものになり、その状況で本当の教育が行われるのでしょうか?
 もっと端的に言うと、点数は伸びても学力が向上するかは疑問です。成果主義に陥ると、「ここはテストに出る可能性が高いから覚えておくように」とか「余計なことは考えなくていいから、この公式を覚えて使えるようにしなさい」とかいう教え方が横行するのではないでしょうか。
 小学校というのは、点数よりも、今後勉強していくのに基本的なものの考え方や思考力、論理的な思考の積み重ね方を身に付けるのが大きな目的だと思います。だいいち、成果主義では勉強の面白さは、まったくわからないと思います。
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クリスマス・イブの思い出②

2008-12-25 19:18:56 | 日記
 子ども時代には、ロマンティックな想い出がまったくない私でした。青春時代は割愛して、時は今から7、8年前に跳びます。

 サンタの存在とは縁遠い私でしたが、まあ子どもたちには人並みの想い出をと頑張っていました。しかし、仕事は年末年始は平常の3倍くらい忙しくなるので、その中でクリスマスプレゼントを用意するのはけっこうきついのです。
 子どもたちの希望をさりげなくリサーチしなければなりません。希望が変わる恐れもあるので、あまり早く用意もできません。しかし、あまり遅いと売切れてしまいます。
 妻は働いていますし、おもちゃやゲームには疎いので、それは私の役目になっていました。

 その年も忙しかったです。子どもは長女は小学5年生、長男は小学4年生、次男は4歳でした。
 次男はともかく、上ふたりは、サンタがプレゼントを持ってくるとは思っていないだろう。そう思い、ふたりに打ち明けました。
「改めて言うのもなんだけど、クリスマスプレゼントだが、希望のものを言ってくれ。サンタは世界のどこかにいるとは思うが、うちには来ない。まあ、もう知っていたとは思うけど。
 好きなものを言ってくれた方が間違いがないし、助か…」

 と、ここまで言って、長男のほうに目をやると、ショックを受けて、固まっている長男の姿があった。
(娘のほうは、とうに気づいていたようだが、あわせてくれていたようだ)


 もうちょっと、頑張ればよかったと思っています。 
コメント (4)
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