英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

5手詰 【道草編】

2009-10-12 10:01:04 | 詰将棋
【まず、前回の復習です】



 答は▲2四香△同角▲3二馬△1三玉▲2五桂までの5手詰です。

 初手の▲2四香(妙手図)は逃げ道封鎖のタダ捨ての妙手なのですが、
 「香は下段から」と▲2九香(疑問図)としたほうが得なのではないかという疑問が生じました。



もし、△2四歩と合い駒すれば、パクリと▲2四同香と取って、単に▲2四香と打つより1歩得だというのです。



妙手図と比べると、攻め方の持ち駒が1歩増えていますね。ところが、初手▲2九香(▲2八香や2七香も同様)だと、詰まないのです。

 その理由は?
 ここまでが、前回の復習です。


と、この疑問を解決する前に、詰将棋の考え方と玉方の抵抗例を語らせていただきます。

★詰将棋のルール 玉方(受け方)の考え方

 詰将棋の玉方は最善の頑張り(しのぎ)をするのが決まりです。
①手数が伸びるように
②攻め方の駒を使わせるように
 最善を尽くすのです。
 詰めた時、駒が余ってしまう場合、玉方の頑張りが足りない(最善ではない)とお考えください。
 ここで問題になるのは、①手数が伸びるようにと言って、無駄な合駒をすることです。

 たとえば、


 ▲7二飛と王手されたとき、△6二歩と合駒する手が考えられます。しかし、これは▲同飛成とされると、まったく効果がなく攻め方の持ち駒を増やすだけになります。詰将棋の場合、こういう無意味な合駒は無効と考えます。
 つまり上図の場合、▲7二飛△6二歩▲同飛成△5二歩▲同龍△4二歩▲同龍△3二歩▲同龍の9手詰めではなく、▲7二飛の1手詰と考えます。


★玉方の抵抗例
 無駄合の話が出ましたので、本題に入る前に、玉方の抵抗のひとつの「中合」を取り上げます。

 

 ▲2九香と王手を掛けたところです。
 2二に合駒をしても▲同香成(▲同と)で詰み。また、△1二玉とかわしても、▲2三香成(▲2三とでも詰みます)△1一玉▲2二成香(▲2二と)で詰んでしまい、図の玉は詰んでいるように見えます。
 ところが、ポンと△2三歩(中合図)と打たれると詰まないのです。



 王手を続けるには、▲2三同香不成(渋々図)ですが、



 そこで△1二玉(サイドステップ図)とかわされると



 ▲2二香成△1三玉▲2三と△1四玉(するり図)と


(2二の駒の「杏」は成香です)

 逃げられてしまいます。ラグビーのタックルをサイドステップでかわす俊足バックスのようですね。
 ちなみに、最初の▲2九香に2四~2八に合駒するのは、先ほど説明しましたように、「無駄合」となります。


 こういう玉方の中合の抵抗は、将棋の奥深さで、魅力でもありますが、初級者には難関のひとつとなっています。私が詰将棋を取り上げる場合、合駒の絡む問題は避けようと思っています。
 今回は、5手詰めなのに、あまりにも見事に合駒の妙が出てくるので(しかも裏に潜んでいるだけ)取り上げてしまいました。


 さて、

 

 この局面は詰まないのですが、持ち駒に歩が何枚かあれば詰みます。何歩あれば、詰むのでしょうか?
コメント (3)
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