【まず、前回の復習です】
答は▲2四香△同角▲3二馬△1三玉▲2五桂までの5手詰です。
初手の▲2四香(妙手図)は逃げ道封鎖のタダ捨ての妙手なのですが、
「香は下段から」と▲2九香(疑問図)としたほうが得なのではないかという疑問が生じました。
もし、△2四歩と合い駒すれば、パクリと▲2四同香と取って、単に▲2四香と打つより1歩得だというのです。
妙手図と比べると、攻め方の持ち駒が1歩増えていますね。ところが、初手▲2九香(▲2八香や2七香も同様)だと、詰まないのです。
その理由は?
ここまでが、前回の復習です。
と、この疑問を解決する前に、詰将棋の考え方と玉方の抵抗例を語らせていただきます。
★詰将棋のルール 玉方(受け方)の考え方
詰将棋の玉方は最善の頑張り(しのぎ)をするのが決まりです。
①手数が伸びるように
②攻め方の駒を使わせるように
最善を尽くすのです。
詰めた時、駒が余ってしまう場合、玉方の頑張りが足りない(最善ではない)とお考えください。
ここで問題になるのは、①手数が伸びるようにと言って、無駄な合駒をすることです。
たとえば、
▲7二飛と王手されたとき、△6二歩と合駒する手が考えられます。しかし、これは▲同飛成とされると、まったく効果がなく攻め方の持ち駒を増やすだけになります。詰将棋の場合、こういう無意味な合駒は無効と考えます。
つまり上図の場合、▲7二飛△6二歩▲同飛成△5二歩▲同龍△4二歩▲同龍△3二歩▲同龍の9手詰めではなく、▲7二飛の1手詰と考えます。
★玉方の抵抗例
無駄合の話が出ましたので、本題に入る前に、玉方の抵抗のひとつの「中合」を取り上げます。
▲2九香と王手を掛けたところです。
2二に合駒をしても▲同香成(▲同と)で詰み。また、△1二玉とかわしても、▲2三香成(▲2三とでも詰みます)△1一玉▲2二成香(▲2二と)で詰んでしまい、図の玉は詰んでいるように見えます。
ところが、ポンと△2三歩(中合図)と打たれると詰まないのです。
王手を続けるには、▲2三同香不成(渋々図)ですが、
そこで△1二玉(サイドステップ図)とかわされると
▲2二香成△1三玉▲2三と△1四玉(するり図)と
(2二の駒の「杏」は成香です)
逃げられてしまいます。ラグビーのタックルをサイドステップでかわす俊足バックスのようですね。
ちなみに、最初の▲2九香に2四~2八に合駒するのは、先ほど説明しましたように、「無駄合」となります。
こういう玉方の中合の抵抗は、将棋の奥深さで、魅力でもありますが、初級者には難関のひとつとなっています。私が詰将棋を取り上げる場合、合駒の絡む問題は避けようと思っています。
今回は、5手詰めなのに、あまりにも見事に合駒の妙が出てくるので(しかも裏に潜んでいるだけ)取り上げてしまいました。
さて、
この局面は詰まないのですが、持ち駒に歩が何枚かあれば詰みます。何歩あれば、詰むのでしょうか?
答は▲2四香△同角▲3二馬△1三玉▲2五桂までの5手詰です。
初手の▲2四香(妙手図)は逃げ道封鎖のタダ捨ての妙手なのですが、
「香は下段から」と▲2九香(疑問図)としたほうが得なのではないかという疑問が生じました。
もし、△2四歩と合い駒すれば、パクリと▲2四同香と取って、単に▲2四香と打つより1歩得だというのです。
妙手図と比べると、攻め方の持ち駒が1歩増えていますね。ところが、初手▲2九香(▲2八香や2七香も同様)だと、詰まないのです。
その理由は?
ここまでが、前回の復習です。
と、この疑問を解決する前に、詰将棋の考え方と玉方の抵抗例を語らせていただきます。
★詰将棋のルール 玉方(受け方)の考え方
詰将棋の玉方は最善の頑張り(しのぎ)をするのが決まりです。
①手数が伸びるように
②攻め方の駒を使わせるように
最善を尽くすのです。
詰めた時、駒が余ってしまう場合、玉方の頑張りが足りない(最善ではない)とお考えください。
ここで問題になるのは、①手数が伸びるようにと言って、無駄な合駒をすることです。
たとえば、
▲7二飛と王手されたとき、△6二歩と合駒する手が考えられます。しかし、これは▲同飛成とされると、まったく効果がなく攻め方の持ち駒を増やすだけになります。詰将棋の場合、こういう無意味な合駒は無効と考えます。
つまり上図の場合、▲7二飛△6二歩▲同飛成△5二歩▲同龍△4二歩▲同龍△3二歩▲同龍の9手詰めではなく、▲7二飛の1手詰と考えます。
★玉方の抵抗例
無駄合の話が出ましたので、本題に入る前に、玉方の抵抗のひとつの「中合」を取り上げます。
▲2九香と王手を掛けたところです。
2二に合駒をしても▲同香成(▲同と)で詰み。また、△1二玉とかわしても、▲2三香成(▲2三とでも詰みます)△1一玉▲2二成香(▲2二と)で詰んでしまい、図の玉は詰んでいるように見えます。
ところが、ポンと△2三歩(中合図)と打たれると詰まないのです。
王手を続けるには、▲2三同香不成(渋々図)ですが、
そこで△1二玉(サイドステップ図)とかわされると
▲2二香成△1三玉▲2三と△1四玉(するり図)と
(2二の駒の「杏」は成香です)
逃げられてしまいます。ラグビーのタックルをサイドステップでかわす俊足バックスのようですね。
ちなみに、最初の▲2九香に2四~2八に合駒するのは、先ほど説明しましたように、「無駄合」となります。
こういう玉方の中合の抵抗は、将棋の奥深さで、魅力でもありますが、初級者には難関のひとつとなっています。私が詰将棋を取り上げる場合、合駒の絡む問題は避けようと思っています。
今回は、5手詰めなのに、あまりにも見事に合駒の妙が出てくるので(しかも裏に潜んでいるだけ)取り上げてしまいました。
さて、
この局面は詰まないのですが、持ち駒に歩が何枚かあれば詰みます。何歩あれば、詰むのでしょうか?