英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

5手詰【道草編2】 合駒Xを追え!

2009-10-13 23:34:30 | 詰将棋
 道草の続きです。



 ▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
 というのが、前回の宿題でした。

 ここで、問題になるのは、2三に中合する駒は何がいいのか?ということです。

 一般に、中合する駒は、取られること(攻め駒として使われる)が前提なので、性能の低い歩が使われることが多いです。それから、桂や角のように頭の丸い駒(前に利かない)も使われる頻度が高いです。

 では、この図の場合、何が最強(最善)の合駒なのでしょう?
 2三に中合する駒を「X」とします。はたして、「X」の正体は?

 先述しましたように、中合の駒は取られる事が多いので、強力な駒の飛車や金が使われることは、まずありません。
 しかし、本問の場合、△2三合駒の後、▲2二歩と打たれることが目に見えているので、後ろの2二に利く△2三飛(金)も考えられなくはないです。
 けれども、▲2二歩に対し△同飛(金)と応じると、▲2二同香成(と)で詰んでしまうので、飛車や金を中合するメリットはなさそうです。

 ここはやはり第1容疑者の歩を検証してみましょう。
 △2三歩には先日述べましたように、▲同香不成では△1二玉するりとかわされてしまうので、▲2二歩と打つ一手です。それには、2三の地点から遠い1一に玉が逃げるのが最善です。(歩合図1)



 なので攻め方は、もう1歩使って▲1二歩と捨て△同玉と1二に引っ張り出します。(歩合図2)



 あとは、▲2三香成(▲2三“と”でもよい)△1一玉(歩合図3)と進み、


(「杏」は成香です)

 ここで▲1二歩は打ち歩詰めの禁じ手となるので、▲2一歩成△同玉▲2二と(成香)と詰ませます。

 というわけで、合駒が歩の場合、2二、1二に打つ歩が2枚必要になります。玉方が2三に合駒した歩が手に入りますが、これは後から手に入るので、合駒X図の時点では歩が2枚必要と言うことになります。

 次の容疑者は香ということになりますが、香は歩の性能を強力にしたものなので、中合の駒としては歩と同じか劣ります。
 本問の場合、歩と同じように攻め、歩合図3になった時、今度は▲1二香と打てるので、歩合のときより早く詰んでしまいます。
 さらに最初の△2三香に▲同香不成(香合図1)としても詰んでしまいます。



以下、△1二玉▲1四香(香合図2)△1三歩▲2二香成(と)で詰みます。



香合図2の▲1四香に対して、2二に利かせて△1三銀と合駒しても、1四の香が間接的に玉をにらんでいるので、同じです。


 次に桂合ですが、これは歩合の時とまったく同じです。

 以下、次回に続きます。

 ああ、終わらんなあ~。
 夕焼けさん、ついて来てる?
コメント (6)
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『20世紀少年』(漫画)

2009-10-13 20:31:53 | ドラマ・映画
 ようやく、最後まで読みました。(1巻だけ未読です)

 面白かったです。
 が、不満や疑問が少々。

 私が今思い浮かぶこういうジャンルの漫画の最高峰は『寄生獣』(岩明均)だと思っています。
 比較して比べることは無意味かと思いますし、得点をつけること自体傲慢だと思いますが、『寄生獣』の評価を100点とすると、『20世紀少年』は84点ぐらいでしょうか。
 ちなみに、『うしおととら』(藤田和日郎)98点、『からくりサーカス』(藤田和日郎)95点、『手天童子』(永井豪)92点が思い浮かびます。

 『20世紀少年』はフィクションと言っても、現実世界にリンクした設定で、他の3作品のようなSFや伝奇ものに比べて、自由度が少ない面もあることを考慮しないといけませんが、私の評価はそのくらいです。


 面白さとしては、昭和の自由な子ども時代を原点にして、そのころの純粋な気持ちを取り戻そうという生き方に共感します。
 さらに、それよりも増して、少年時代に遊びで書いた予言の書の通り、悪事が進んでいくという奇想天外なストーリーで、これからどうなっていくんだというワクワク感、そして、なんと言っても「ともだちの正体は誰だ?」という興味で、ぐんぐん先が読みたくなりました。
 また、作品にいい意味でのこだわりを感じました。初期の『ウルトラマンシリーズ』の中で異彩を放つ『ウルトラセブン』と同じにおいがしました。

 不満な点は
【以下は、多少のネタバレを含みます】


①長編にはいくつかのヤマ場があります。その例に漏れず、『20世紀少年』もいくつかのヤマ場があります。
 映画で3部作になっているように、大きく分けるとクライマックスを含めるとヤマ場が3つです。
 ヤマ場が複数あることには異論はありませんが、そのヤマ場の消化の仕方に納得がいかないのです。
 「さあ、どうなるんだ?」というところで、場面も時間も飛ぶのです。「えっ、どうなったの?」という思いを抱かせながら、少しずつ回想させて、明らかにさせていきます。読み手としては、非常に消化不良に陥ります。

②ケンヂの同級生や知り合いが、ほとんどすべて優秀な技能を持ち合わせ、いろんな分野である程度の地位などを確立したこと。ちょっと、できすぎかなあと。

③脇役ひとりひとりの行く末も決着をつけている点は、丁寧だと思うが、かえって、クライマックスが間延びしてしまった感がある。

④悪役だと思われていた人が、わりと普通だったり、改心したりしてしまった点。これは作者のポリシーかもしれないので、ケチをつけるところではないのかもしれないが、盛り上がりを欠いてしまった。


【さらに、細部までイチャモンをつけるので、かなりのネタバレになります】

⑤名刑事チョーさんが「ともだち」を調べ上げ、ほとんどすべてを予見していたのは凄過ぎ。
 それにしても「ゴリさん」でなく、なぜ「チョ-さん」なのか?
 作者は竜雷太氏でなく、下川辰平氏を意識していたのかもしれない。

⑥「血のおおみそか」で死んだはずのケンヂが、実は助かっていて(記憶喪失)、終盤、活躍するのは、お約束かもしれないが、「ちょっとなあ」と思った。
 ケンヂの歌が、人々の心を動かす力を持っているというのも、しっくりこない。

⑦ケンヂの姉(カンナの母)のキリコが、どういういきさつでフクベエの子どもを身ごもったのかが不明。フクベエと愛情で結ばれたのかどうかが、よくわからない。
 キリコは聡明で優しく芯の強い女性であったように思えたが、それがどんな経緯で殺人ウィルスにかかわるようになったのか、また、フクベエのどういうところに惹かれたのか、あるいはだまされたのかが、想像できない。

⑧高須は尻すぼみだった。身ごもったからか?

⑨「ともだち」、「新ともだち」の動機は理解できても、目的が理解できない。当人から語られないのも、欲求不満の感がある。

⑩「ともだち」は自分が殺されることを予見していたのだろうか?その時点まで、新ともだちは何をしていたのだろうか?
 二人一役?しかし、ヤマさんは「旧ともだち」と、生き返った後の「ともだち」は別人だと断言している。
 「旧ともだち」は、自分が殺され、そして復活することで、「キリスト」と同じような存在になれると思い、自分の死後を「新ともだち」に託したのだろうか?
 私としては、二人一役で、殺された「ともだち」が本当は「新ともだち」だったという方が、納得できる。しかし、チョーさんの調査では私の説では、ないらしい。

⑪過去の自分の過ちを、バーチャルワールドでの少年時代の自分に落とし前をつけさせると言うのも、筋が通らない。


かなり、独断と偏見が入っています。
「それは違うよ」と思ったら、ご指摘願います。
コメント (4)
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