英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『赤い指』(東野圭吾ミステリー) ~ 新参者エピソード・ゼロ ~

2011-01-05 21:26:47 | ドラマ・映画
 面白かったと思います。嘘を見破り、真実を看破し、クライマックスで相手を追い詰めていく加賀刑事(阿部寛)は、やはり怖いです(本当は優しい人なんですが)。
 また、加賀親子の繋がりも深いものがありました。通信?対局も味がありました。将棋の内容もかなりレベルの高いものだったように思います。特に加賀は盤駒無しなので、かなりの実力者ですね。
 特にファンではなかったのですが、看護師役の田中麗奈さんがとても素敵でした。私も彼女に「ちょっとだけですよ」と言われたいです(笑)。

 主人公は加賀ですが、このドラマにおいては前原家の葛藤がテーマでした。崩壊した家族関係の中で起こってしまった殺人。大激震によって家族それぞれが互いに面と向かいあっていく…家族を守ろうとする思いが歪んだ方向に………重い内容でした。
 しかし、その中で私には理解不能なことがありました。それは、前原昭夫(杉本哲太)の母・政恵(佐々木すみ恵)の認知症が芝居だったことです。いじめ・引き籠もり・家庭内暴力・嫁姑の確執・家庭を顧みない夫など、「家族にしか分からないこと」「本人にしか分からないこと」があると言え、それはないだろうと思いました。
 認知症の母(祖母)という存在は、他の家族にしてみれば相当の心の負担となったはず。そのことが家族の崩壊に拍車をかけたのではなかったのでしょうか?家族が崩壊していくのを、認知症を装うことで自分の殻に閉じこもり、見て見ぬふりです。
 母(義母)に殺人の罪をなすりつけようとした昭夫、八重子(西田尚美)夫婦、そして息子らはどうしようもないです。
 しかし、それを知って、息子たちの仕打ちを黙って受け入れるというのならいざ知らず、軍手や指に口紅を塗って間違いを訴える(しかも分かりにくいアピールです)というのは、卑怯です。母として、祖母として、間違っていることは間違っていると、しっかり正す責任があるのではないでしょうか。
 昭夫の妹(政恵の娘)の晴美(富田靖子)もよくわかりません。晴美自身の家庭の事情で母を引き取れないものの、母の元へ毎日通う甲斐甲斐しさを見せています。
 しかし、認知症が芝居なのを知っているのに、なぜそのことを兄夫婦に打ち明け、相談しなかったのでしょうか?認知症の振りをし続けている状態が一家にとって良いはずがありません。面倒は兄に押し付け、自分だけはよい娘でいたかっただけとしか思えません。
 この二人(政恵と晴美)も相当罪が重いはずです。加賀もこの辺りを指摘しないとダメだと思うのですが。
コメント (6)
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