英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒 Season 10』 第1話 「贖罪」

2011-10-21 19:03:50 | ドラマ・映画
 『相棒』に関しては、純粋に楽しみたいですし、深いですし、何か感じることがないと書かないことにしています。
 今回は、スッキリしません。解決の仕方や結末がスッキリしないというのは今までもありました。今回も確かにそういう面もありましたが、それ以外に、何かスッキリしないものを感じます。
 こう思うのは私だけなのかなと、他のレビューを拝見しましたが、おおむね高評価のようです。納得いかないので、頭を整理する目的と、もしかしたら同意される方もいらっしゃるかもしれないという期待も込めて、書くことにします。

 まず、ストーリーのあらましですが、
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 15年前の殺人事件。犯人とされた男・城戸(池内万作)が出所直後に飛び降り自殺。「オレは、殺していない、神戸尊(及川光博)を許さない」という書き置きを残して。

 で、特命の二人が動き、真相を究明。
 真犯人・若林(大沢樹生)が他にいて、冤罪を作ってしまった関係者(裁判官、検事2人、刑事)をその真犯人が脅迫した。同時期に職を変えていたのは、脅迫され大金が必要で、退職金をそれに当てていた。
 犯人を逮捕したが、15年前に処理された事件なので、自供以外の証拠が乏しいということを逆手にとり、裁判で自供を翻し、一事不再理に持ち込む。(冤罪隠滅4人組の入れ知恵)
 もちろん、そのまま引きさがる右京(水谷豊)ではなく、殺人ではなく強盗致死という罪をでっち上げ真犯人を揺さぶり、冤罪起こしたことによる損害賠償の民事訴訟を起こし、その裁判で証言させるように持ち込む。
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 それにしても、この真犯人、独りよがりの動機で、他人に罪をなすりつける計画殺人。そのうえ、被害者の友人の女性をたぶらかし妻にめとり、裁判関係者を脅迫するといった極悪人。
 冤罪製造隠滅4人組も、無実の人間を台無しにしたという罪の意識は全く持ち合せていない。そのうえ、冤罪が明らかになるのを阻止するため、一時不再理の知恵を与える。犯罪を捌く立場にあったことを考慮すると、許せない奴らだ。
 しかし、15年前の事件なので、新たな証拠を見つけることは困難。結局、上述した寝技に持ち込むしかなかったとはいえ、犯人たちの極悪ぶりを思うと、スッキリ感に乏しい。
 まあ、これは、仕方ないと思うし、逆に決定的証拠が見つかりバッサリ斬れたら、それはそれで無理が生じるだろう。

 では、何が引っかかり、スッキリしないのだろう?

①まず、神部刑事の偽証の件。
 若気の至りなのだろうが、警察は正しく、正義が為されていると思っていた神部が、その時点で冤罪を誘発する偽証をするのは彼の正義感とは矛盾している。

②定年間近な刑事が、その焦りから犯人を決めつけ、でっち上げてしまったというのは、一理あるかもしれないが、有終の美というか、悔いを残さないような捜査をするのが普通だと思う

③犯人にされてしまった城戸のアリバイはどうだったのだろう?せっかく、ストーカーで、指紋ありの凶器という状況を利用すること企てたのだから、当然、城戸のアリバイのない日に決行したと思われるが、なかなか難しいのではないだろうか。
 特捜の二人が、彼の冤罪を晴らすのなら、そういうところを糸口にしたかもしれないが、すでに城戸は自殺し、真犯人・若林の罪を立証するのが焦点となってしまっていた。城戸が死なないと、再捜査はされないとは思うが、彼の死は残念で、モヤモヤの一因である。 

④真犯人の許せない点。
 先述の通り、ほとんど被害妄想のような動機で、ひとりの命を奪い、ひとりの人生を無茶苦茶にした。被害者友人を妻にし、自分の犯した罪をネタに恐喝までした男が、豪邸に住んでいるのは個人的に許せない。そもそも、こんな危ない奴を管理人に採用したのが間違っている。

⑤『ギルティ』での極悪人はここでも極悪人だった。あんな切れやすい男(吉田鋼太郎)が裁判官だなんて世の中、間違っている。


 ①は神部の深い傷となるエピソードで、ドラマとしては深みを増すものだろうけれど、残念です。

 ただ、最後、彼を慰める大河内(神保悟志)が面白かった。

神部「どこまでやれば、贖罪になりますかね」
大河内「お前が有罪にしたわけじゃない」
神部「ですが、嘘をつきました」
大河内「判決に影響が出るような嘘じゃない」
神部「奴の言い分を微塵も信用しようとしなかった」
大河内「だれも信用しなかった」
神部「犯人と決めつけていた」
大河内「みんなそうだ」
神部「信じてやるチャンスがあったのに」
大河内「今だから思えることだ」
神部「奴が憎かった」
大河内「友達が殺されたんだ」
神部「死刑判決を望んでいた」
大河内「当然の感情だ」
神部「警察官だったのに、俺は……警察官だったのに……」

 いい奴ですね、大河内。


 相変わらずの右京さんでした。

角田課長「もはや打つ手なし。流石のあんたも、あきらめるしかない」
右京「僕があきらめると思いますか?」

 視聴者みんなが、「あきらめるはずない」と思ったことでしょう。


若林に対して
「今はあなたに対し同情的なマスコミや世論も、掌を反すに変わるでしょう。そうなった時、必ず思いますよ。「刑務所にいた方が、ずっと楽だった」と。自ら償いのチャンスを潰してしまったことにあなたはきっと後悔するはずです。
 ところが今、なくしたはずの償いのチャンスが、贖罪の機会が、こうして、また訪れたんです。選択の余地などありませんよ。あの連中を地獄に道連れにすることが、あなたに今、唯一残された贖罪の道なのですからね」

 痛いところを突きますね。でも、極悪人に対して少し優しすぎないでしょうか。いつもだと、激昂すると思いますが。


神部に対し、裁判での神部の証言に疑問を呈し、(ねちねちと)追求し、神部に告白させる。

神部「立派な偽証罪です」
右京「とっくに時効ですがね」
 「もう許されてもいい頃だ」という意味なのか、「手遅れだ」という意味なのか。


花の里、閉店しちゃいました。
たまきさん(益戸育江)、退場?……さびしい。

 右京さんが、本音をポロリと吐露する場だったのになあ。
コメント (2)
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色づく街、色づく「えぶりほえあ」 【10月12日、10月19日撮影】

2011-10-21 15:06:46 | 歳時
 いよいよ彼らの季節です。
【10月12日撮影】


 はい、セイタカアワダチソウです。河原、堤防、崖、道端、庭先など、少しでも余地があればニョキニョキ伸びてくる黄色の背が高い(背が低いものもありますが)秋の野草です。本当にどこにでも伸びてくるので、私は秘かに「えぶりほえあ」と呼んでいます。
 昨年は残暑が長く厳しく、秋の訪れも遅く、さすがのセイタカアワダチソウも「秋はまだだろう」と思っているうちに、いきなり秋が来たので、虚を突かれたのか、花の部分が小さく咲ききれずに冬が来てしまったという感がありました。
 そのせいか、私のセイタカアワダチソウの記事のアップも咲き始めの一回きり(2010年9月28日記事)でした。写真は撮ったのですが、アップし損ねてしまいました。
(一昨年の記事はこちら
 今年も、昨年と同様猛暑で、残暑も長く厳しかったのですが、そこはさすがのえぶりほえあ、しっかり対応してきました。例年より個体数も多く、背も高いです。

 崖一面に咲いているので、視界的には黄色がずっと続いているように見えました。8部咲きといったところで、もう少し日が経ってから撮った方が黄色がもっと鮮やかだったと思われますが、撮る機会がありませんでした。
 道路わきのアスファルトの隙間からも当然のように伸びていて、コンクリートの白に良く映えていました。



【10月19日撮影】

 いつもの空き地です。
 同じ空き地でも、生育状況が違います。今が盛りのものもあれば、これから色づくものもあります。花弁が形成されてから、ゆっくりゆっくり色づいていきます。



 生育条件が似ているのでしょう。ススキがペアのように伸びています。


 仲良く咲いているように見えますが、強力なライバル関係かもしれません。
 実際、セイタカアワダチソウは根から植物の成長を抑制する化学物質を出すらしいです。(何年もそれが蓄積されると、セイタカアワダチソウ自身もそれによって抑制されてしまう)
コメント
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