英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 最終話「遊びをせんとや生まれけむ」

2012-12-23 18:31:42 | ドラマ・映画
よい最終回だったような気がする
   ………西行、大活躍?

 前回のラストで、清盛の生霊?が西行のもとに現れた。
 ≪なぜ、西行?≫と思ったが、なるほど、イタコ(口寄せ)の役目だった。


 一門、それぞれにやさしい言葉をかける。
「維盛、資盛…そなたたちは亡き重盛の血を引くもの、その心根の清さ、己が宝と思うて生きよ」
「経子…重盛にそなたのような良き妻がいてくれたことは、救いであった。重盛にも、わしにも」
「経盛、教盛…二人そろって一人前とは、よう言うたものじゃ。これより先も兄弟支え合い、平家の文と武の軸たれ」
「忠度…そなたの歌の冴えは日本一じゃ。わしが認める」
「頼盛…きっと守り抜いてくれ。父上と母上の平家の血を」
「宗清…何があっても、そなただけは頼盛の忠実な家人でおれ」
「貞能…父・家貞と変わらぬそなたの忠義。甲斐甲斐しき働き、忘れぬぞ」
「忠清…お前がおらねば、とおに一門は滅んでおったであろう。長きにわたり、よう平家の武を支えてくれたのぅ」
「宗盛、知盛、重衡…わしの逞しき倅(せがれ)たちよ、きっと勝て。勝って、勝って、勝ち続けよ」
「徳子…そなたほど見事な働きをした武士(もののふ)は、国中どこを探してもおらん。あっぱれな娘じゃ」
「時忠…そなたなくして、平氏は平家になれなんだであろう。時忠非ずんば、平家に非ずじゃ」
「盛国……いいや……鱸丸…お前はこの平家という船に踊り込んだ鱸のごとき者。お前に巡り会えたは、わが生涯随一の恵みであった」
「時子……そなたこそが、わしの紫の上じゃ」

 それぞれの人物に、的を射た言葉で、私は当人ではないが、うれしい気持ちになった。
 最優秀賞は「時忠非ずんば、平家に非ずじゃ」、優秀賞は「重盛にそなたのような良き妻がいてくれたことは、救いであった」と「そなたこそが、わしの紫の上じゃ」、特別賞が「二人そろって一人前とは、よう言うたものじゃ」。
 頼盛だけ、ねぎらいの言葉はなく、使命を持たせたのは可哀そうだった。

 その後、怒涛のごとく平家は最後の時を迎えた。それぞれの顛末も、示してくれたのもありがたかった。
 ラストシーンで、清盛の登場を迎える一門のやさしい笑顔、特に頼盛の笑顔を見ることができ、ほっとした。良い締め括りだったと思う。(『タイタニック』を思い出してしまった)

【最終話の細かい感想】
1.史実(平家物語?)での清盛の遺言が「頼朝の首を、わが墓前に供えよ」だったためであると思われるが、前回に清盛は頼朝の目指す武士の世を認めていたので、この遺言にこだわるのはおかしい。
2.清盛の臨終の倒れるシーンは、ホラー的でちょっと怖かった。
3.最後まで平家の笑劇場を見せてくれた。清盛を冷やそうとした水が熱い鉄板の上のように蒸発し、「体ごと水に浸けてはどうか」と、バカなことを言うと思ったら、「もうそれは試した」って(笑)
4.頼朝と西行(清盛)の対面は要らないように思う。本作はあくまで『平清盛』であって、『武士の世を起こした者たち』ではないのだから、頼朝を清盛のライバルにして、無理やり頼朝を立てなくてもよい。
5.同じ意味で、頼朝と義経の諍いも要らないと思うが、ここまで義経と弁慶を描いたのだから「弁慶の立往生」は見せないと大河ドラマとしてバランスが悪いか。
6.最後に、清盛の意志を継いでいることを子兎丸らが出てきて示したのには意表を突かれた。「室町時代に、清盛が礎を築いた国と国との交易がおこなわれることとなった」…かなり強引。

テレビ画面について(第1話、第2話の感想も少し)
第3話「源平の御曹司」
第4話「殿上の闇討ち」
第5話「海賊討伐」
第6話「西海の海賊王」
第7話「光らない君」
第8話「宋銭と内大臣」
第9話「ふたりのはみだし者」
第10話「義清散る」
第11話「もののけの涙」
第12話「宿命の再会」
第13話「祇園闘乱事件」
第14話「家盛決起」
第15話「嵐の中の一門」
第16話「さらば父上」
第17話「平氏の棟梁(とうりょう)」
第18話「誕生、後白河帝」
第19話「鳥羽院の遺言」
第20話「前夜の決断」
第21話「保元の乱」
第21話「保元の乱」その2
第22話「勝利の代償」
第23話「叔父を斬る」
第24話「清盛の大一番」
第25話「見果てぬ夢」
第26話「平治の乱」
第27話「宿命の対決」
第28話「友の子、友の妻」
第29話「滋子の婚礼」
第30話「平家納経」
第31話「伊豆の流人」
第32話「百日の太政大臣」
第33話「清盛、五十の宴」
第34話「白河院の伝言」
第35話「わが都、福原」
第36話「巨人の影」
第36話「巨人の影」その2
第37話「殿下乗合事件」
大河ドラマ『平清盛』の清盛考
第38話「平家にあらずんば人にあらず」
第39話「兎丸無念」
第40話「はかなき歌」
第41話「賽の目の行方」
第42話「鹿ヶ谷の陰謀」
第43話「忠と孝のはざまで」
第44話「そこからの眺め」
第45話「以仁王の令旨」
第46話「頼朝挙兵」
第47話「宿命の敗北」
【補足】第43話「忠と孝のはざまで」
第48話「幻の都」【訂正補足】あり
第49話「双六が終わるとき」
最終話「遊びをせんとや生まれけむ」

【ストーリー】番組サイトより
 1181年1月、清盛(松山ケンイチ)は熱病で死の淵にいた。源氏との決戦に勝利し、頼朝(岡田将生)の首を墓前に供えよと叫び、清盛は世を去る。4年後、一門の運命は坂をころがるように変転し、安徳(田中悠太)を抱いた時子(深田恭子)は「海の底にも都はある」と壇ノ浦に入水、盛国(上川隆也)は捕虜となり鎌倉で息絶える。そして頼朝は義経(神木隆之介)を追討し、幕府を開く。ある日、頼朝のもとを西行(藤木直人)が訪ねてくる。頼朝は西行を通じ、亡き清盛の霊と対面を果たす。
コメント (4)
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