『将棋界(順位戦)の歪み その6「棋界全体の実力分布(年度成績~分析~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その5「棋界全体の実力分布(年度成績~概況~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その4「棋界全体の実力分布(通算成績~下位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その3「棋界全体の実力分布(通算成績~上位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その2「昇級争いにおける対戦相手の分析とC級2組の実力分布の偏り」』
『将棋界(順位戦)の歪み その1「菅井悲劇をもたらした棋界の現状」』の続きです。
【「その6」の補足】
③負数
「その5」で、次のように推測したので、検証してみる。
フリークラスの属する棋士は順位戦がなく、参加制限のある棋戦への参加はまずないと思われるので、9~11敗と考えられる(年度をまたぐ棋戦によって上下することもある)。
順位戦参加棋士は負数に幅が生じるが、順位戦指し分け棋士で14~16敗、若手棋士だと新人王、加古川戦で負数が増える可能性がある。
各棋戦で8敗、竜王戦で3敗、順位戦を10戦全敗し、若手棋士だとプラス2敗すると計23敗となる。これが最大なので、年度成績で20敗近くしている棋士は逆にどこかで活躍(タイトル戦登場やリーグ入りし痛い目に遭っている)していると考えてよいかもしれない。
負数が20以上の棋士は、久保九段が26敗、丸山九段が23敗、佐藤王将、三浦八段、青野九段が21敗、深浦九段、藤井九段、村山六段、窪田六段が20敗とそうそうたるメンバーが並んでいる。
以下19敗が9人、18敗17人、17敗15人、16敗18人、15敗18人、14敗12人、13敗13人、12敗9人、11敗8人、10敗16人、9敗10人、8敗1人、7敗1人、5敗以下8人(後期新四段と引退棋士)。ほぼ予想通りの分布だ。
主な棋士では、羽生三冠、森内名人が19敗、郷田棋王、高橋九段が18敗、谷川九段が17敗、屋敷九段、行方八段が13敗、渡辺竜王が12敗、橋本八段が10敗。
フル出場棋士で最少敗は、中村(太)六段の7敗(40勝)。勝率1位(歴代2位の高率.851)なので当然だが、さすがに少ない負数である。2か月にほぼ1敗というペースだ。
試案Ⅰ 通算負け越し50
4割がボーダーライン、16敗が分布の中心とすると、11勝6敗で.407、12勝18敗、10勝15敗で.400、11勝17敗で.393で、負数が5~6上回る。9年から10年で負数が50上回る。
通常、四段昇段後しばらくは5割以上は勝つので、その貯金を考えると、試案は妥当な線ではないだろうか。
ただ、これはボーダーが.400と仮定しての話。実は、年度勝率を検証してみて、このラインは厳しいのではないかと疑問を持った。そこで、.333をラインとすると8勝16敗で負け越し50への到達期間は約6年となり、若干厳しい基準かもしれない。
ちなみに、今年度引退した石田九段は680勝730敗(.482)で、負け越し50であった。また、昨年度引退した勝浦九段は714勝697敗(.506)で、年間10負け越しても、あと7年は現役でいられる。名棋士(大棋士)と称される棋士はこういう状況になる。なので、この基準は、次項で上げる試案Ⅱと、「どちらかの条件を満たした場合」という条件付けにすべきであろう。
基準を「負け越し50」とすると、昨年度終了時点で28人が該当する(昨年度引退した6棋士を含む)。また、「負け越し80」とすると該当者は17人となる。
『将棋界(順位戦)の歪み その5「棋界全体の実力分布(年度成績~概況~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その4「棋界全体の実力分布(通算成績~下位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その3「棋界全体の実力分布(通算成績~上位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その2「昇級争いにおける対戦相手の分析とC級2組の実力分布の偏り」』
『将棋界(順位戦)の歪み その1「菅井悲劇をもたらした棋界の現状」』の続きです。
【「その6」の補足】
③負数
「その5」で、次のように推測したので、検証してみる。
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フリークラスの属する棋士は順位戦がなく、参加制限のある棋戦への参加はまずないと思われるので、9~11敗と考えられる(年度をまたぐ棋戦によって上下することもある)。
順位戦参加棋士は負数に幅が生じるが、順位戦指し分け棋士で14~16敗、若手棋士だと新人王、加古川戦で負数が増える可能性がある。
各棋戦で8敗、竜王戦で3敗、順位戦を10戦全敗し、若手棋士だとプラス2敗すると計23敗となる。これが最大なので、年度成績で20敗近くしている棋士は逆にどこかで活躍(タイトル戦登場やリーグ入りし痛い目に遭っている)していると考えてよいかもしれない。
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負数が20以上の棋士は、久保九段が26敗、丸山九段が23敗、佐藤王将、三浦八段、青野九段が21敗、深浦九段、藤井九段、村山六段、窪田六段が20敗とそうそうたるメンバーが並んでいる。
以下19敗が9人、18敗17人、17敗15人、16敗18人、15敗18人、14敗12人、13敗13人、12敗9人、11敗8人、10敗16人、9敗10人、8敗1人、7敗1人、5敗以下8人(後期新四段と引退棋士)。ほぼ予想通りの分布だ。
主な棋士では、羽生三冠、森内名人が19敗、郷田棋王、高橋九段が18敗、谷川九段が17敗、屋敷九段、行方八段が13敗、渡辺竜王が12敗、橋本八段が10敗。
フル出場棋士で最少敗は、中村(太)六段の7敗(40勝)。勝率1位(歴代2位の高率.851)なので当然だが、さすがに少ない負数である。2か月にほぼ1敗というペースだ。
試案Ⅰ 通算負け越し50
4割がボーダーライン、16敗が分布の中心とすると、11勝6敗で.407、12勝18敗、10勝15敗で.400、11勝17敗で.393で、負数が5~6上回る。9年から10年で負数が50上回る。
通常、四段昇段後しばらくは5割以上は勝つので、その貯金を考えると、試案は妥当な線ではないだろうか。
ただ、これはボーダーが.400と仮定しての話。実は、年度勝率を検証してみて、このラインは厳しいのではないかと疑問を持った。そこで、.333をラインとすると8勝16敗で負け越し50への到達期間は約6年となり、若干厳しい基準かもしれない。
ちなみに、今年度引退した石田九段は680勝730敗(.482)で、負け越し50であった。また、昨年度引退した勝浦九段は714勝697敗(.506)で、年間10負け越しても、あと7年は現役でいられる。名棋士(大棋士)と称される棋士はこういう状況になる。なので、この基準は、次項で上げる試案Ⅱと、「どちらかの条件を満たした場合」という条件付けにすべきであろう。
基準を「負け越し50」とすると、昨年度終了時点で28人が該当する(昨年度引退した6棋士を含む)。また、「負け越し80」とすると該当者は17人となる。