英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ビブリア古書堂の事件手帖』 第4話「春と修羅」

2013-02-04 23:03:17 | ドラマ・映画
目の前に同じ本できれいなものと汚れているものがあれば、誰しもが綺麗な方に手を伸ばします。
この本のように、汚れやシミのある本を好んで手に取る人はいません。
しかしこの本は、なぜかきれいな本以上に多くの人たちから求められているのです。
いったい…この本にはどんな秘密が隠されているのでしょうか?

 (この語りかけ、たどたどし過ぎて聞きづらい。それに、「いったい」の後の溜めはもう1拍欲しい)


 今回は、強引な論理(推理)や深くない推理(服装、近道など)が目立った。初版本と言っただけなのに『春の修羅』と言ってしまった奇妙さは、栞子なら即座に気がつくはず。『錯乱』があったのを知っていたということが決め手となったが、「池波正太郎の賞を取った」という情報から『錯乱』を思いついたということもあり得る。
 冒頭の謎かけも、初めから想像できたし、栞子の勿体ぶり度が強くなっていた。
 酩酊した志田が貴重な古書を、はずみで売ってしまった相手の玉岡聡子に辿り着いたのは奇跡的で面白かったが。

 それはともかく、玉岡一族の心情があやふやだったのが不満。

聡子
 屋敷を売ることになり、父の蔵書を処分。「処分」という言葉に本への愛情は感じられない。それに、古本屋に売るというのも……図書館や大学に寄贈するとか考えないのかな。
 これは性格ではないが、おっとりした話し方が栞子の引っ込み思案な?話し方と、ゆっくり度が重なり、まだるっこさが倍加された。

一郎と小百合
 一郎はもともと本が好きなので、昴と気が合いそうだし、聡子とも揉めそうな気がしない。栞子の推理の材料にされただけ?
 小百合はフェイクなので、「金にうるさい」という分かりやすい設定はいいと思う。


 余計なことを話し過ぎ(自らボロを出し過ぎ)。

 
亡父
 「テナルディー軍曹に気をつけろ」って、却って昴を惑わしそう。それに、聡子も言っていたが、娘を盗人扱いするとは酷い。聡子と昴が仲良くなるよう願った人の言葉じゃないよね。
 それに、聡子と昴が仲良くなるよう願って、直接、昴に本を渡さなかったというが、昴にさっさと譲っていれば、聡子が本が惜しくなって、昴を遠ざけるなんてことはしなかったと思う。
  
 

【ストーリー】番組サイトより
 篠川栞子(剛力彩芽)は、客の自宅に出張して本を買い取る「宅買い」に五浦大輔(AKIRA)を連れて行く。訪ねた先は「玉岡」という邸宅で、依頼者の玉岡聡子(森口瑤子)は、3ヵ月前に他界した父親の蔵書を処分して欲しいという。
 蔵書は主に純文学や詩集で、なかには中原中也の『在りし日の歌』の初版本など貴重なものもあり、栞子は密かに心躍らす。聡子はそんな栞子に、買い取りとともに、昨日この書斎から盗まれた宮沢賢治の『春と修羅』の初版本を取り戻して欲しいと依頼。父親は『春と修羅』の初版本を二冊持っていたが、状態の良くない方が盗まれたのだという。聡子がその消失に気づいたのは、昨夜、遺産のことでクレームを付けに来た兄・一郎と姉・小百合が帰宅した直後だった。ふたりの来訪の直前まで書斎にいて存在を確認していた聡子は、帰宅したふたりに電話で問い詰めたが、どちらも犯行を否定しているという。それを聞いた栞子は、ふたりの服装について尋ねる。
 栞子と大輔が「ビブリア古書堂」に戻ると、そこに疲れ切った志田肇(高橋克実)がいた。志田は先日、酔った勢いで仕入れた古書すべてを1000円で売ってしまう、という失態を演じていたのだ。
 翌日、栞子と大輔は一郎に事情を聞きに行き、その後、小百合とは甘味処で待ち合わせをした。しかしやって来たのは、息子・昴(今井悠貴)だった。小百合に頼まれて来たという昴は、栞子と大輔を自宅へと連れて行き…。
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A級順位戦 8回戦の結果と最終局の予想

2013-02-04 20:35:07 | 将棋
A級順位戦
 2月1日に8回戦が行われた。
郷田 真隆棋王(5勝3敗)○-●高橋 道雄九段(2勝6敗)…23時59分
佐藤 康光王将(4勝4敗)○-●屋敷 伸之九段(4勝4敗)…0時2分
谷川 浩司九段(2勝6敗)●-○橋本 崇載八段(2勝6敗)…0時9分
羽生 善治三冠(7勝1敗)○-●渡辺 明 竜王(5勝3敗)…0時46分
三浦 弘行八段(6勝2敗)○-●深浦 康市九段(3勝5敗)…0時56分
 (時刻は終局時刻)

 羽生-渡辺戦は終盤、大波乱が起こった。

 羽生三冠が△6八角成の王手に、8八の銀を上がって移動合をしたところ。歩頭の銀捨てである。普通の▲7七歩より後手の馬取りのプレッシャーがあり、後手の指し手に制約を与えている。しかし、平凡に△7七同歩成とされて、後手玉は詰まないという結論が控室の研究で出されている。
 形作り?……しかし、数手前に玉を6七に逃げる手も有力だったのに、あえて7七に逃げ△5九角と王手をさせ、合駒の銀を桂で取られ(桂銀交換)、さらに△7六歩にわざわざ8六に玉を逃げ△6八角成と王手で金をぽろっと取らせる順を選んだからには、△7七同歩成には、後手玉が詰むか誰も気がつかない詰めろ逃れの詰めろがあるのではないかと淡い期待を抱いていた。
 ………△2三歩??、≪何、この手?≫
 ▲3四桂△5二玉▲3三龍……何か、すごく得したような。先の△2三歩は▲3三龍と入ってくださいという1手パスに思えた。≪何が起こったんだ?≫
 羽生三冠が△7七同歩成とされた時に後手玉が詰むと錯覚していたのは一連の指し手から想像できる。しかし、渡辺竜王も全く同様な錯覚をしていたという。両者とも「ちょっと前の局面で、先手の持ち駒が銀1枚でも詰みだったので、△7七同歩成の局面も当然詰む」と思い込んでいたらしい。取り敢えず、先手龍の利きを逸らして、それから先手玉の詰みを考えようとした△2三歩だったようだ。
 長時間の激闘、時間切迫の中、読みを省略、エネルギーを節約して、この先の難解な局面を読み切ろうとした。しかも相手は羽生三冠である。さらに、如何にも詰みがありますよという羽生三冠の手順である。
 結局、龍の利きが変わっても先手玉は詰まず、大逆転となった。

 それにしても羽生三冠、今期の順位戦は神がかり的な運だ。2局目の郷田戦以外、負け寸前、敗勢の局面からの逆転勝ちばかり。敗れた前局の三浦戦は逆に楽勝に思えた。2勝6敗と残留争いをしていても不思議ではない内容だった。

 この結果、挑戦権争いは、7勝1敗の羽生王位・王座・棋聖と6勝2敗の三浦八段に絞られた。



 残留争いは、剣が峰に立たされている橋本八段が勝ち、谷川九段と高橋九段が星を伸ばせなかったため、2勝6敗で谷川九段、高橋九段、橋本八段が並び、八回戦で敗れた3勝5敗の深浦九段も残留を確定できなかった。
 それにしても、深浦九段はA級順位戦では勝負弱い。
 八回戦の相手の三浦八段とは因縁があって、19年前のC級2組の最終局、ともに7勝2敗だった両者が対局し激戦の末、三浦八段が勝ち、来季の順位を上位にしたのが因縁の始まりで、翌年(53期)のC級2組、第58期B級2組で両者同星ながら、頭ハネで三浦八段のみ昇級。さらに、A級順位戦においても、第63期・第65期・第67期も同星ながら三浦八段が残留、深浦は降級している。
 その順位戦の不運とは逆に、両者の対戦は現在、深浦九段が12連勝中であった。(以上の情報は、中継の実況解説より)
 現在、降級の危険度は、橋本>高橋>谷川>深浦の順。橋本八段と高橋九段は負けると即降級、橋本八段は勝っても、谷川九段、深浦九段、高橋九段のうち二人に勝たれると降級。また、高橋九段は勝っても、谷川九段と深浦九段の両者に勝たれると降級という状況。
 谷川九段は最終局に敗れても、高橋九段と橋本八段がともに敗れると残留。深浦九段は敗れても、谷川九段、高橋九段、橋本八段のうち2人以上敗れると残留できる。
 深浦九段の降級の確率は、勝率を5割と仮定すると、16分の4で25%。最終局に敗れたとしても、残留確率は50%はある。とは言え、過去3度降級し(4勝5敗での降級が2度の不運)、まだ残留したことのない深浦九段は背筋の寒い感覚が消えないところだろう。

A級最終局(3月1日)の対戦カードは以下の通り。

△羽生 善治三冠(7勝1敗)-▲橋本 崇載八段(2勝6敗)
△三浦 弘行八段(6勝2敗)-▲高橋 道雄九段(2勝6敗)
▲渡辺 明 竜王(5勝3敗)-△郷田 真隆棋王(5勝3敗)
△佐藤 康光王将(4勝4敗)-▲深浦 康市九段(3勝5敗)
▲屋敷 伸之九段(4勝4敗)-△谷川 浩司九段(2勝6敗)

 ところで、久しぶりに『将棋世界』2月号の「A級順位戦予想クイズ」に応募しました。いつも対戦表に勝敗予想は書き込んではいるのですが、投函するのを忘れてしまうのです。今年は締切当日に投函できました。
 その予想ですが、8回戦で三浦-深浦戦を外してしまいました。今期こそ深浦九段に残留して欲しいと思ったからですが、深浦九段の8、9回戦での失速ぶりを考慮した最初の予想を貫くべきでした。

 さて、最終局のクイズの私の予想は、
○羽生 善治三冠-橋本 崇載八段
○三浦 弘行八段-高橋 道雄九段
○渡辺 明 竜王-郷田 真隆棋王
 佐藤 康光王将-深浦 康市九段○
○屋敷 伸之九段-谷川 浩司九段

 羽生三冠の勝利は当然として(橋本八段ごめんなさい)、三浦八段のA級順位戦の最終局は、過去9年で6勝3敗(ここ5年は4勝1敗、3連勝中)の強さを考えると三浦八段の勝ちは動かない。渡辺-郷田戦は棋王戦や王将戦での流れで変動しそうだが、竜王の強さと先手番を考えて竜王の勝ち。
 佐藤-深浦戦は私の希望。屋敷-谷川戦は、谷川九段に復調の気配はあるものの、順位戦先手番の屋敷九段の鬼のような強さを考えると屋敷九段の勝ち。
 降級の有力3名が全員敗局で、降級者は高橋九段、橋本八段ということになるが、最終局の私の予想は昨年は5局中2局しか的中せず、一昨年は全局外しているので、当てにはならない。
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