「謀(はか)る」と「謀(たばか)る」
【旺文社 国語辞典より】
「謀(はか)る」……
(「計・図・謀」で一括りにされていて)
①企てる。計画する。くふうする。
②だます。あざむく。
「謀(たばか)る」……
①思いめぐらす。くふうする。
②相談する。
③あざむく。だます。
「たばかる」の方が悪意が強いと思っていたが、ほぼ同じ意味。
しかし、「たばかる」の「た」は接頭語ということ。ということは、「た」プラス「はかる」で「たばかる」になったのだろうか?となると、意味的には「たばかる」の方が意味が強いとも考えられる。
「はかりごと」は「謀」の1字。意味は、「うまくいくように、あらかじめ考えた計画。計略」で思ったより建設的。
これが、「謀略」となると、「人をおとしいれたり、国を滅ぼしたりするはかりごと。策略」で、かなりの悪意が内在する。
「たばかる」に「相談する」の意味があるのは意外。
さて、如水の「謀(はか)る」の真意は?……
★今回の「我が道を行く」如水の動き
Ⅰ北政所に西の丸を家康に譲るよう勧める
表向きは家康が大坂城にいつまでも居座るのは、豊臣陣営を挑発するため。北政所が自ら西の丸を譲れば、豊臣方も振り上げ掛けた拳を下ろさなければならない。
真の目的は、家康が我が物顔で西の丸に居座ることで、豊臣方を苛立たせること。
それにしても、北政所は鋭すぎる。表向きの理由も、真意も見抜くとは。
せめて、「家康殿が同じ城にいては、淀殿はさぞ嫌がるでしょうね」のあと……ハッと気づくぐらいでないと、官兵衛の思惑が分かりにくい。
Ⅱ来たるべき日に備えての下準備
・中津にいても中央の情報を迅速に掴むため、九郎右衛門に手筈を整えさせる
・この先、三成が各大名の妻子を人質に取ることを予見し、善助、太兵衛に指示を出しておく
・各国の動きをシミュレーション
自分のために策を練る如水は楽しそうだ。
光の「天下をお取りなさいますか?」の問いに「はははは、それも良いのぉ」と。真意は?
Ⅲ長政の意志を確認
「天下の為にも、黒田家が生き残るためにも、徳川に付くしかない」と長政。
幼い秀頼では、天下はまとまらないと分析し、「官兵衛が秀吉を天下人にしたように、自分も家康を天下人に押し上げたい」と語る。
長政の成長を喜び、「当主のお前の好きにしろ」と(自分も好き勝手するとも)。
しかし、長政は家康にいいようにたぶらかされているようにしか見えないのだが……
「家康の道具にされるぞ」ぐらいの忠告をしてもいいのでは?
Ⅳ三成を訪問
『上杉に挙兵させ、出陣した徳川軍の背後を突き、挟撃する』策を教授する。
しかし、それは家康は見通しており、待ち受けていると、やめるよう正す。
「策を立てるのと、まことの戦では、まるで別物」と最後の忠告。
せめて、挟み撃ちの策ぐらい、三成に発案させてあげればよいのに。
あくまで、『三成が関ヶ原の戦いを誘導した』という流れにしたいようだ。
“忠告”と断ってはいたが、指差していたから、挑発だよな。
“策と実戦は別物”というのは、“三成は人望がないので、思い通りには事が運ばない”ことを示唆しているが、 三成は“嫌われている”自覚はあるのだろうか?
官兵衛としては、挑発だけでなく忠告して、戦の均衡を保つ意図もあったのかもしれない。
Ⅴ毛利を偵察
(久々に恵瓊登場)
恵瓊……我ら(恵瓊と官兵衛)が築いた豊臣の天下を守りたい
輝元……「大老職を全うするだけ」(人は良いが煮え切らない)
吉川広家……三成が嫌い
小早川隆景のようなまとめ役がおらず、分裂必至
“隠居の身”は便利。今後の動向を訊かれても(三成の時も)、“隠居の身”と、煙に巻く。
Ⅵ「双方、潰し合えばよい」
上杉に謀反の気配(疑い)
≪家康が討伐に動き、三成も動く≫、更に、≪三成の動きを承知して、自らが動き、三成を誘う≫と予見
(実際に、そのような動きになる。長政、珍しく、家康の意図を察する)
長政、糸を離縁、家康の養女・栄と婚姻(6月6日)
6月16日、家康率いる上杉討伐軍が出陣(長政も同行)
三成、発つ。総大将は毛利輝元(恵瓊が確約)。奉行衆連名の『家康弾劾状』を作成。
「(西軍メンバーは)毛利、宇喜多、小西、島津、長宗我部、小早川、西国の諸将はほとんどすべて。
大義はこちらにある。数もこちらが優っている」……(あんたは嫌われてるんだってば)
Ⅶ「いよいよじゃ。九郎右衛門、兵を挙げるぞ」
中津にはわずかな兵しか残っていない……官兵衛の秘策は?
今話を単独で観ると、面白い!しかし……
前々回、≪秀吉に『天下泰平』が願いで、野望はない≫と断言。
前回、≪天下に大乱を起こし、敵味方を分別整理し、天下を取る家康は許せない≫
しかし、≪今回、自らが大乱を誘発し、それに乗じて天下を取る≫
官兵衛の心の転換の早さに、非常に抵抗を感じるのだが……
綺麗事で済まそうとする長政の再婚
糸を心の病にさせ、円満離婚の趣に……
家康の天下取りの為、栄と政略結婚。
「生き残るために選ばれた道でございましょう
大殿が思われている以上に若殿は、しっかりなさっているようで」(by九郎右衛門)
官兵衛の項Ⅲでも述べたが、長政は単に家康に踊らされているだけなので、糸との離縁も強引に断行した方がすっきりする。
「味方はどれほど集まる?」…大谷吉継、登場したが……
演じるのは村上新悟さん。ほとんど無名に近い方だと思うが、いい声だった。
でも、配役(俳優の格)からすると、あまり活躍の場はなさそう。
仮面(マスク)で顔を隠すので、俳優としては敬遠される役かもしれない。
言いたい放題の侍女、“くノ一”りら、当身の一発でも食らわせろ!
以前も、長政が不用意な言葉で糸を傷つけてしまった際、長政から冷たく菊を取り上げてしまった侍女。
今回も、長政に冷たく当たったうえ、別れの際、差し出がましくも、光を非難。
何をぼ~としている侍女頭(阿知波悟美)、何のためにテーマ曲の俳優クレジットで16人目に登場しているんだ?(栄姫の次で、2人列記では一番最初。「毛利輝元、吉川広家、大谷吉継」なんて3人列記だぞ)
くノ一・お道(福島リラ)も、何のために怖い顔をしているのだ!
【旺文社 国語辞典より】
「謀(はか)る」……
(「計・図・謀」で一括りにされていて)
①企てる。計画する。くふうする。
②だます。あざむく。
「謀(たばか)る」……
①思いめぐらす。くふうする。
②相談する。
③あざむく。だます。
「たばかる」の方が悪意が強いと思っていたが、ほぼ同じ意味。
しかし、「たばかる」の「た」は接頭語ということ。ということは、「た」プラス「はかる」で「たばかる」になったのだろうか?となると、意味的には「たばかる」の方が意味が強いとも考えられる。
「はかりごと」は「謀」の1字。意味は、「うまくいくように、あらかじめ考えた計画。計略」で思ったより建設的。
これが、「謀略」となると、「人をおとしいれたり、国を滅ぼしたりするはかりごと。策略」で、かなりの悪意が内在する。
「たばかる」に「相談する」の意味があるのは意外。
さて、如水の「謀(はか)る」の真意は?……
★今回の「我が道を行く」如水の動き
Ⅰ北政所に西の丸を家康に譲るよう勧める
表向きは家康が大坂城にいつまでも居座るのは、豊臣陣営を挑発するため。北政所が自ら西の丸を譲れば、豊臣方も振り上げ掛けた拳を下ろさなければならない。
真の目的は、家康が我が物顔で西の丸に居座ることで、豊臣方を苛立たせること。
それにしても、北政所は鋭すぎる。表向きの理由も、真意も見抜くとは。
せめて、「家康殿が同じ城にいては、淀殿はさぞ嫌がるでしょうね」のあと……ハッと気づくぐらいでないと、官兵衛の思惑が分かりにくい。
Ⅱ来たるべき日に備えての下準備
・中津にいても中央の情報を迅速に掴むため、九郎右衛門に手筈を整えさせる
・この先、三成が各大名の妻子を人質に取ることを予見し、善助、太兵衛に指示を出しておく
・各国の動きをシミュレーション
自分のために策を練る如水は楽しそうだ。
光の「天下をお取りなさいますか?」の問いに「はははは、それも良いのぉ」と。真意は?
Ⅲ長政の意志を確認
「天下の為にも、黒田家が生き残るためにも、徳川に付くしかない」と長政。
幼い秀頼では、天下はまとまらないと分析し、「官兵衛が秀吉を天下人にしたように、自分も家康を天下人に押し上げたい」と語る。
長政の成長を喜び、「当主のお前の好きにしろ」と(自分も好き勝手するとも)。
しかし、長政は家康にいいようにたぶらかされているようにしか見えないのだが……
「家康の道具にされるぞ」ぐらいの忠告をしてもいいのでは?
Ⅳ三成を訪問
『上杉に挙兵させ、出陣した徳川軍の背後を突き、挟撃する』策を教授する。
しかし、それは家康は見通しており、待ち受けていると、やめるよう正す。
「策を立てるのと、まことの戦では、まるで別物」と最後の忠告。
せめて、挟み撃ちの策ぐらい、三成に発案させてあげればよいのに。
あくまで、『三成が関ヶ原の戦いを誘導した』という流れにしたいようだ。
“忠告”と断ってはいたが、指差していたから、挑発だよな。
“策と実戦は別物”というのは、“三成は人望がないので、思い通りには事が運ばない”ことを示唆しているが、 三成は“嫌われている”自覚はあるのだろうか?
官兵衛としては、挑発だけでなく忠告して、戦の均衡を保つ意図もあったのかもしれない。
Ⅴ毛利を偵察
(久々に恵瓊登場)
恵瓊……我ら(恵瓊と官兵衛)が築いた豊臣の天下を守りたい
輝元……「大老職を全うするだけ」(人は良いが煮え切らない)
吉川広家……三成が嫌い
小早川隆景のようなまとめ役がおらず、分裂必至
“隠居の身”は便利。今後の動向を訊かれても(三成の時も)、“隠居の身”と、煙に巻く。
Ⅵ「双方、潰し合えばよい」
上杉に謀反の気配(疑い)
≪家康が討伐に動き、三成も動く≫、更に、≪三成の動きを承知して、自らが動き、三成を誘う≫と予見
(実際に、そのような動きになる。長政、珍しく、家康の意図を察する)
長政、糸を離縁、家康の養女・栄と婚姻(6月6日)
6月16日、家康率いる上杉討伐軍が出陣(長政も同行)
三成、発つ。総大将は毛利輝元(恵瓊が確約)。奉行衆連名の『家康弾劾状』を作成。
「(西軍メンバーは)毛利、宇喜多、小西、島津、長宗我部、小早川、西国の諸将はほとんどすべて。
大義はこちらにある。数もこちらが優っている」……(あんたは嫌われてるんだってば)
Ⅶ「いよいよじゃ。九郎右衛門、兵を挙げるぞ」
中津にはわずかな兵しか残っていない……官兵衛の秘策は?
今話を単独で観ると、面白い!しかし……
前々回、≪秀吉に『天下泰平』が願いで、野望はない≫と断言。
前回、≪天下に大乱を起こし、敵味方を分別整理し、天下を取る家康は許せない≫
しかし、≪今回、自らが大乱を誘発し、それに乗じて天下を取る≫
官兵衛の心の転換の早さに、非常に抵抗を感じるのだが……
綺麗事で済まそうとする長政の再婚
糸を心の病にさせ、円満離婚の趣に……
家康の天下取りの為、栄と政略結婚。
「生き残るために選ばれた道でございましょう
大殿が思われている以上に若殿は、しっかりなさっているようで」(by九郎右衛門)
官兵衛の項Ⅲでも述べたが、長政は単に家康に踊らされているだけなので、糸との離縁も強引に断行した方がすっきりする。
「味方はどれほど集まる?」…大谷吉継、登場したが……
演じるのは村上新悟さん。ほとんど無名に近い方だと思うが、いい声だった。
でも、配役(俳優の格)からすると、あまり活躍の場はなさそう。
仮面(マスク)で顔を隠すので、俳優としては敬遠される役かもしれない。
言いたい放題の侍女、“くノ一”りら、当身の一発でも食らわせろ!
以前も、長政が不用意な言葉で糸を傷つけてしまった際、長政から冷たく菊を取り上げてしまった侍女。
今回も、長政に冷たく当たったうえ、別れの際、差し出がましくも、光を非難。
何をぼ~としている侍女頭(阿知波悟美)、何のためにテーマ曲の俳優クレジットで16人目に登場しているんだ?(栄姫の次で、2人列記では一番最初。「毛利輝元、吉川広家、大谷吉継」なんて3人列記だぞ)
くノ一・お道(福島リラ)も、何のために怖い顔をしているのだ!