英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

夏の名残

2014-11-30 16:12:32 | 歳時
トサカケイトウ(10月16日撮影)


 9月9日の記事「キバナコスモスとケイトウ」で、ウモウケイトウをご紹介しましたが、こちらはトサカケイトウです。
 ケイトウというと夏のイメージを持っていたのですが、夏から秋にかけて咲くとのことで、記事タイトルとは少しズレるかもしれません。

マツヨイグサ(待宵草)(11月6日撮影)

 マツヨイグサの仲間には、マツヨイグサ(待宵草)、コマツヨイグサ(小待宵草)、オオマツヨイグサ(大待宵草)、メマツヨイグサ(雌待宵草)がありますが、私がよく見かけるものは「メマツヨイグサ」ではないかと推測しています(2012年9月10日の記事「メマツヨイグサ【8月2日撮影】」)。今回のものは、草丈が低いのでコマツヨイグサ(小待宵草)かもしれません(季節外れが原因で丈が低いのかもしれません)。
 アカバナ科マツヨイグサ属。北アメリカ原産の越年草で明治後期渡来の帰化植物で、花期は6~9月で、今回の写真のモノはかなり時期が外れています。(実際、今でも咲いているのを見かけます)

イモカタバミ(芋片喰)(11月12日撮影)


 当ブログにはこれまで何度も登場しています(2010年2011年2012年)。
 今年も5月13日記事「小さき花たち……和蘭耳菜草、烏野豌豆、蒲公英、芋片喰、そして…」で顔を見せてくれています。
 春になると見かけるので、春の花のイメージを持っていましたが、花期は4~9月だそうです。そう言えば、夏でも秋でも見かけます。
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『将棋世界』12月号  ~竜王戦展望対談……森下九段×中村太六段~

2014-11-30 01:11:32 | 将棋
「竜王戦七番勝負展望 森下卓九段×中村太地六段」
 「森内竜王、糸谷挑戦者の強さ、棋風、将棋観の分析」、「初タイトルの緊張感、重圧など」、「世代対決の考察」と興味深い話が続いた。
 ただ、世代交代の解釈に関して、森下九段は、
「谷川先生が四冠を達成した1992年は未だ中原先生と米長先生が健在で、新しい時代に移行したとは受け止められていなかったし、自分もそう思いませんでした。やはり(世代交代は)羽生さん以降でしょう。
 また、谷川先生の年に近い、55年組の先生方がタイトルを占めたこともありましたが、やはり新しい時代が来たとは思えなかった。もちろんすごいとは思いましたが、中原先生と米長先生の巻き返しがあるはずだと。
 ただ羽生さん以降が上からタイトルを獲ったときは巻き返せるという感じが全くありませんでした」

と述べていたが、≪それはちょっと違うんじゃないのかな?≫と引っ掛かりを感じた。
 確かに、両巨頭は新世代を跳ねのける強さを見せていたし、さらに大山名人も超人的な強さを維持していて、「“世代交代”が完了した」という印象がないまま、羽生七冠が登場してしまったという記憶がある。

 森下九段は先の発言の前に、「世代交代」の定義として
「今期の糸谷さんと豊島さんが勝っても、まだ羽生さんが三冠、渡辺さんが二冠ですよね。これでは世代交代とは言えません。
 七冠のうち5つ、できれば6つを若い世代が取って初めて世代交代と言えるのではないでしょうか。
 羽生さんが初めて名人を取った1994年度以降、中原先生と米長先生はタイトルを獲れなかった。そこまでいって初めて世代交代と言えます」

 これが適正な基準かはともかく、過去のタイトル戦を検証してみたい。
 

1983年度
名人 谷川-加藤(4-2)新名人誕生
棋聖 森安-中原(3-2)
    米長-森安(3-1)
王位 高橋-内藤(4-2)
王座 中原-内藤(2-1)
十段 中原-桐山(4-2)
棋王 米長-森安(3-1)
王将 米長-森 (4-1)

1984年度
名人 谷川-森安(4-1)
棋聖 米長-谷川(3-0)
    米長-中村(3-2)
王位 加藤-高橋(4-3)
王座 中原-森安(3-2)
十段 米長-中原(4-3)
棋王 桐山-米長(3-1)
王将 中原-米長(4-1)

この2年は、谷川が名人を獲得し、高橋が王位戦で続いたものの、翌年王位失冠。中村が米長棋聖に挑戦するも失敗と、まだまだ旧世代の壁が厚かった。

1985年度
名人 中原-谷川(4-2)
棋聖 米長-勝浦(3-1)
    米長-中村(3-0)
王位 高橋-加藤(4-0)
王座 中原-谷川(3-1)
十段 米長-中原(4-3)
棋王 谷川-桐山(3-0)
王将 中村-中原(4-2)

谷川が名人を失冠したが棋王位を奪取、高橋が王位復位、中村もタイトル3度目の挑戦で王将位に。新世代が3タイトルを保持。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中6人が新世代。


1986年度
名人 中原-大山(4-1)
棋聖 桐山-米長(3-1)
    桐山- (3-1)
王位 高橋-米長(4-0)
王座 中原-桐山(3-0)
十段 福崎-米長(4-2)
棋王 高橋谷川(3-1)
王将 中村-中原(4-2)

高橋が2冠(王位・棋王)を保持、中村も王将防衛の他、福崎が十段位に。7タイトル中4タイトルを新世代。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中6人が新世代。


1987年度
名人 中原-米長(4-2)
棋聖 桐山-西村(3-0)
     -桐山(3-0)
王位 谷川高橋(4-1)
王座 塚田-中原(3-2)
十段 高橋福崎(4-0)
棋王 谷川高橋(3-2)
王将  -中村(4-3)

谷川(王位・棋王)と南(棋聖・王将)が2冠、塚田(王座)、高橋(十段)と6冠を制覇。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中10人が新世代。
ここ3年で、新世代のタイトル保持数が3→4→6と着々と世代交代が進行し、この年度で完了したと見ることができる(“森下定義”もクリア)。



1988年度
名人 谷川-中原(4-2)
棋聖 田中- (3-2)
    中原-田中(3-2)
王位 森 -谷川(4-3)
王座 中原-塚田(3-0)
竜王  -米長(4-0)
棋王  -谷川(3-2)
王将  - (4-0)

十段戦が発展解消し、初代竜王に島が。谷川も名人復位。南が棋聖を田中寅に奪われ(後期で中原が奪取)、王位、王座と森、中原の逆襲にあったが、棋王、王将の2冠を南が保持。新世代が4タイトル(2大タイトルを含む)を保持。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中9人が新世代。


1989年度
名人 谷川-米長(4-0)
棋聖 中原- (3-1)
    中原-屋敷(3-2)
王位 谷川-森 (4-1)
王座 中原-青野(3-2)
竜王 羽生 (4-3)
棋王  -大山(3-0)
王将 米長- (4-3)

新世代対旧世代は3対2で拮抗。タイトル数も谷川(名人・王位)、南(棋王)、中原(棋聖・王座)、米長(王将)と3対3。
しかし、ここで羽生が登場!島を破り竜王位に。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中6人が谷川世代。


1990年度
名人 中原-谷川(4-2)
棋聖 屋敷-中原(3-2)
    屋敷-森下(3-1)
王位 谷川佐藤(4-3)
王座 谷川-中原(3-1)
竜王 谷川羽生(4-1)
棋王 羽生 (3-1)
王将  -米長(4-2)

名人位に中原が復位。失冠した谷川は羽生から竜王を奪取。3世代対抗戦の様相だが、谷川が竜王の他、王位、王座と合わせ3冠。南の王将と合わせ、谷川世代が4冠。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中6人が谷川世代。


1991年度
名人 中原-米長(4-0) 
棋聖  -屋敷(3-1)
    谷川 (3-0)
王位 谷川中田(4-2)
王座 福崎谷川(3-2)
竜王 谷川-森下(4-2)
棋王 羽生 (3-1)
王将 谷川 (4-1)

谷川が4冠(竜王・棋聖・王位・王将)、福崎の王座と合わせて谷川世代が5冠。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中11人が谷川世代。
ここ数年、旧世代の逆襲や、羽生世代の台頭はあった。しかし、谷川の活躍、この年度は実らなかったが南の奮闘もあり、谷川世代の時代到来かと思われたが……


1992年度
名人 中原-高橋(4-3)
棋聖 谷川郷田(3-1)
    谷川郷田(3-0)
王位 郷田谷川(4-2)
王座 羽生福崎(3-0)
竜王 羽生谷川(4-3)
棋王 羽生谷川(3-2)
王将 谷川村山(4-0)

中原が名人を維持するものの、名人戦以外は「谷川世代VS羽生世代」の様相。その結果、羽生が3冠(竜王・王座・棋王)を保持、郷田の王位と合わせ、羽生世代が4と過半数。谷川は棋聖戦で郷田を連破、王将戦で村山を退けたものの、王位、竜王、棋王で敗れる。福崎も王座を羽生に奪われ、谷川世代のタイトルは2に減少。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中8人が谷川世代。


1993年度
名人 米長-中原(4-0)
棋聖 羽生谷川(3-1)
    羽生谷川(3-2)
王位 羽生郷田(4-0)
王座 羽生谷川(3-1)
竜王 佐藤羽生(4-2)
棋王 羽生 (3-0)
王将 谷川-中原(4-2)

名人戦は旧世代対決で、米長が念願の名人位に。
その他は羽生が4冠(棋聖・王位・王座・棋王)、佐藤が羽生を破り竜王。
谷川は棋聖戦で羽生に2連敗、王座でも羽生に敗れる。辛うじて王将を死守。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中、谷川世代は5人と減少。


 
1994年度
名人 羽生-米長(4-2)
棋聖 羽生谷川(3-1)
    羽生 (3-0)
王位 羽生郷田(4-3)
王座 羽生谷川(3-0)
竜王 羽生佐藤(4-2)
棋王 羽生-森下(3-0)
王将 谷川羽生(4-3)

羽生が名人と竜王の2大タイトルも手中、6冠を保持!
谷川が王将を死守し、羽生の7冠制覇を阻止。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中、谷川世代は4人。


1995年度
名人 羽生-森下(4-1)
棋聖 羽生三浦(3-0)
王位 羽生郷田(4-2)
王座 羽生-森 (3-0)
竜王 羽生佐藤(4-2)
棋王 羽生高橋(3-0)
王将 羽生谷川(4-0)

羽生、7冠制覇!
タイトル戦登場棋士、述べ14人中(棋聖が1年1期に)、谷川世代は2人と、タイトル戦登場もままならない。


 この後、谷川が竜王や名人を羽生から奪還するなど意地を見せ、羽生7冠制覇以降、竜王2期、名人1期、棋聖1期、王位2期、棋王1期を保持したが、2003年度の王位、棋王を最後に、タイトル位から遠ざかっている。
 谷川以外の谷川世代?は、1991年度の南(棋聖)、福崎(王座)を最後にタイトル奪還はない。
タイトル挑戦も1997年の王座戦の島以来、遠ざかっている。



 1983年度、谷川新名人。
 1985年辺りから新世代が台頭し始め1987年6冠を占め「世代交代」の感が強くなった。
 この後、旧世代の逆襲、羽生、屋敷のタイトル獲得はあったものの、1991年度には谷川世代が5タイトルを占め、谷川世代が棋界をリードするかと思われたが、羽生が7冠制覇に邁進してしまった。
 羽生に続き、佐藤、森内、郷田、丸山が羽生を追いかけ、谷川世代を飲み込んでしまった。
 谷川はひとり踏みとどまり抵抗したが、力尽きた感がある。情けなかったのは、55年組。少し浮かれていたような気もするが、あまりにも羽生世代の波が早く到達し、その波高が高かったのは不運かもしれない。それにしても、淡泊だった。
 ここで、ひとつ、大きな分岐点に思えたのが、1992年度の名人戦。
 高橋九段が名人位に手が届きかけたが、中原名人が辛くも防衛。この時は実力以外の風が吹いたように感じた。
 それはともかく、ここで高橋名人が誕生していたら、流れは大きく変わっていたかもしれない。


 ここで注目すべきは、1986年~1991年の6年間は谷川世代が棋界をリードしている点。
 現在の時点から観ればたった6年間だが、その当時、それを実感した者にとっては6年間は決して短いものではないはずだ。
 まして、森下九段は若手バリバリの時期で、谷川世代を目標にしていた時期である。実際、1991年には谷川竜王に挑戦しているのである。
 そういう事実もさることながら、私が森下九段の言葉に抵抗を感じた一番の理由は、
一度もタイトルを取っていない棋士が、タイトルを何期も取った先輩たち実績を軽視した点である。



この対談は、最強世代について論じているのだが、ここで森下九段から信じられない言葉が飛び出したのである。(続く)
コメント (6)
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