英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

メゾン・ド・ポリス  第5話「メゾン・ド・ギルティ」

2019-02-11 13:12:22 | ドラマ・映画
 事件の真相や人間の業など深く、面白かった。
 『トレース』『相棒』『刑事ゼロ』などが沈降していくなか、回を追って面白くなってきている。
 ひよりとメゾンのメンバーの息が合ってきて、ストレスなく視聴できていることもあるが、ドラマとして深く丁寧に作られているからなのであろう。


 “面白い”と書いたが、今回は私の人徳と言うか人格と言うか情操と言うか……そういうものに自信がなくなってしまった。


 刑事ドラマ、サスペンスドラマには“クズ”、もっと言うと“クソ”のような人物がよく登場する。
 今回の加害者(被害者でもあった)もそういった類の輩であった。
 
事件の背景を説明すると……
 2週間ほど前に三崎(亀田佳明)という会社員が歩道橋から転落死する事故が起きていた。
 ひよりが声を掛けた年配女性・春子(島かおり)が「男を階段から落とした」と呟いたので、その関連を調べ始めた。
 春子の夫の工場の社員たちが突き落としたという供述を引き出したが、実は転落殺人と同じころに姿をくらましていた工員・安達が真犯人。
 しかも、安達が14歳の時に連続幼女誘拐殺害を犯していた(春子の娘も被害者)。改正される前の少年法だったので、早くに社会復帰していたが、30年たってもその性癖は変わらず、春子が街で幼女を盗撮しているのを見かけ、思わず階段から突き落としてしまった。
 転落のけが自体はそれほど重くなかったようだが、記憶を失っていて、記憶のない安達に復讐しても意味はないと考え、工場で雇うことにした。

 しかし、安達が三崎と揉めて階段から突き落とし殺害したのを目撃した際、記憶喪失は嘘だったということが判明し、背後から殴打。
 気絶した三崎をがんじがらめに縛り、掘った穴に生き埋めに……(安達も幼女を生きながらにして埋めた)
 意識を回復した安達が許しを懇願したが、「娘と同じ目に遭わせてやる」と土をかけ続けるので、安達は本性を現し、凶暴な言葉を吐くが、そのまま生き埋めにされる……


私は春子の復讐を後押ししたい気持ちで見ていたのだ

 よく“殺されても良い人間など、いない”という言葉を聞くが、本当にそうだろうか?
 今回の安達は、自分の性癖を満たすために4人の幼女の命を奪い、贖罪の気持ちも持たなかった。さらに、強請られていたとは言え、躊躇なく岬を突き落していた。生きていて悪行は留まらず、被害に遭う人間も増えていくだろう。

 加害者が少年であっても、心神喪失であっても、被害者の命、被害者の傷は変わらない。




【ストーリー】番組サイトより
 ある日、ひより(高畑充希)と伊達(近藤正臣)が愛犬バロンを散歩していると、ひとりの老人がフラフラと歩いてきた。その老人・金森春子(島かおり)はぼんやりとしていて、認知症を患っているようだ。伊達が声をかけると、人を殺したと言う。伊達とひよりに保護されメゾンにやってきた春子は非常連絡先のメモを持っていた。やはり認知症のようだ。そんな春子は男を階段から落としたと口にする。
 やがて、連絡を受けた丸山栄一(大谷亮介)が部下の西条(内藤大輔)・岡嶋(木下政治)とともにやってきた。3人は春子の亡き夫が創業した零細工場の社長と従業員だった。ひよりは春子の殺人発言を伝えるが、3人は表情を変えることもなく認知症のせいだと一蹴する。その態度に違和感を覚えたひよりは転落事故の有無を調べる。すると2週間ほど前に三崎(亀田佳明)という会社員が歩道橋から転落死する事故が起きていた。その三崎は営業職で取引先には春子の工場も…。事故として処理されていたがひよりはメゾンおじさまたちを巻き込んで捜査を始める。
 ひよりは夏目(西島秀俊)を伴い春子を訪ねるが、意識こそはっきりしているものの先日のことを覚えておらず…。また、最近工場を辞めた男の存在、さらには春子の過去など不可解な事実が次々と明らかになる。

脚本:黒岩勉
演出:城宝秀則
コメント
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