《感染防止と経済活動両立》……よく政府関係者や都道府県首長が口にする言葉だ
この両立は相当困難で、これを論ずる時の例えとして「ブレーキとアクセルを同時に踏むようなもので矛盾している」と言われることが多い。
しかし、困難ではあるが、“感染防止と経済活動”とした場合は、矛盾しているとは言い切ることはできない。マスク、消毒、手洗いなどの感染防止対策を講じながらの生産活動や、テレワークなどが難題をクリアできているのかもしれない。
ただし、“感染防止とGoToトラベル”ついて言及する場合は話は別で、“両立”という表現を使用するのは矛盾に近い
旅行は、感染する機会を増やす行為だからだ。
確かに、自家用車で移動、キャッシュレス払い、マスク、アルコール消毒、更に、ホテルや旅館、観光施設が消毒や換気に努めれば、感染のリスクは低下するが、旅行しない場合と比べると、感染のリスクが増えるのは紛れもない。
各施設が消毒に努めても、テーブル・椅子、自動でないドアノブ、共有する可能性のある備品、施設内でのエアロゾル……感染するリスクがないとは言えない。エレベーターは大丈夫なのか?
旅館での朝食は、施設によっては食堂使用かもしれない。名所などでの昼食を取るレストランは大丈夫なのか……同席食事での感染のリスクはスーパーコンピュータ富岳によるシミュレーションでも指摘されている。
福井県の感染者の内訳を見ると、県外への滞在者、あるいは仕事で県内を訪れた人の感染者が少なくない。移動によって感染のリスクが高まるのは、間違いない。
「GoToトラベルが、感染拡大の主要な原因であるとのエビデンス(=根拠)は、現在のところは存在をしない」と菅総理をはじめ政府関係者は言い切っているが……
確かに、分科会などには「キャンペーンを利用した4000万人のうち、コロナ陽性になったのは180人」というようなデータが上がってきているようだが、それはきちんとした調査がなされていないからであろう。
保健所からの電話に出ないとか、きちんと回答してくれないという人が、若年層を中心に多数いるらしいし、保健所の調査が追い付いていないことも考えられる。
さらに、無症状のキャンペーン利用者による感染も多数考えられるので、政府が根拠とする「キャンペーン利用者4000万人のうち、コロナ陽性になったのは180人」という数字をそのまま信用できない(全く信用できない)。
保健所の聞き取りチェック項目に、《キャンペーン利用者かどうか》、《身近にキャンペーン利用者がいないかどうか》という項目はあるのだろうか?
そんな訳で、GoToトラベルと感染拡大の因果関係は強いと考えるのだが、他の要素も考える必要はある。
①GoToイート
上述したように、会食の際の感染リスクは低くない。会食にアルコールが加われば、更にリスクは高くなる。「現在の感染拡大はGoTo イートが主因である」というのは間違いない。
富岳による飛沫のシミュレーションが示され、分科会の尾身会長も「マスクを使用しての正しい会食の仕方」を会見で伝授していたが、《会食しても楽しくないし、おいしくないだろうなあ》と思ってしまう内容だった。それはともかく、分科会や政府も会食による感染リスクは認知しているのだから、税金を投入して感染を助長するようなキャンペーンは富岳のシミュレーションが出た時点で、即刻停止すべきである。
ただし、現在の感染拡大はGoToイートが主因であっても、感染拡大の原因すべてがGoToイートであるわけではない。
②冬季(季節)による原因
寒い時期の方がウイルスの活動力は高いらしく、感染拡大の一因となっている可能性もある。
また、寒いことによって換気も頻繁に行いにくいという実情もある。
北海道の感染拡大は、冬季によるものと考えることもできる。
しかし、新規感染者の多くが、札幌のススキノの関係者であることは、季節に因るものだけとは言い難い。
「GoToキャンペーンは、即刻辞めるべき」だと声を大きく主張するのだが、「経済を止めてしまうと、それによって命を落とす人の数は、感染による死亡数より遥かに多い」と三浦瑠麗氏は主張しており、その意見に同意する人も多い。
次回は、その点について述べたい。
この両立は相当困難で、これを論ずる時の例えとして「ブレーキとアクセルを同時に踏むようなもので矛盾している」と言われることが多い。
しかし、困難ではあるが、“感染防止と経済活動”とした場合は、矛盾しているとは言い切ることはできない。マスク、消毒、手洗いなどの感染防止対策を講じながらの生産活動や、テレワークなどが難題をクリアできているのかもしれない。
ただし、“感染防止とGoToトラベル”ついて言及する場合は話は別で、“両立”という表現を使用するのは矛盾に近い
旅行は、感染する機会を増やす行為だからだ。
確かに、自家用車で移動、キャッシュレス払い、マスク、アルコール消毒、更に、ホテルや旅館、観光施設が消毒や換気に努めれば、感染のリスクは低下するが、旅行しない場合と比べると、感染のリスクが増えるのは紛れもない。
各施設が消毒に努めても、テーブル・椅子、自動でないドアノブ、共有する可能性のある備品、施設内でのエアロゾル……感染するリスクがないとは言えない。エレベーターは大丈夫なのか?
旅館での朝食は、施設によっては食堂使用かもしれない。名所などでの昼食を取るレストランは大丈夫なのか……同席食事での感染のリスクはスーパーコンピュータ富岳によるシミュレーションでも指摘されている。
福井県の感染者の内訳を見ると、県外への滞在者、あるいは仕事で県内を訪れた人の感染者が少なくない。移動によって感染のリスクが高まるのは、間違いない。
「GoToトラベルが、感染拡大の主要な原因であるとのエビデンス(=根拠)は、現在のところは存在をしない」と菅総理をはじめ政府関係者は言い切っているが……
確かに、分科会などには「キャンペーンを利用した4000万人のうち、コロナ陽性になったのは180人」というようなデータが上がってきているようだが、それはきちんとした調査がなされていないからであろう。
保健所からの電話に出ないとか、きちんと回答してくれないという人が、若年層を中心に多数いるらしいし、保健所の調査が追い付いていないことも考えられる。
さらに、無症状のキャンペーン利用者による感染も多数考えられるので、政府が根拠とする「キャンペーン利用者4000万人のうち、コロナ陽性になったのは180人」という数字をそのまま信用できない(全く信用できない)。
保健所の聞き取りチェック項目に、《キャンペーン利用者かどうか》、《身近にキャンペーン利用者がいないかどうか》という項目はあるのだろうか?
そんな訳で、GoToトラベルと感染拡大の因果関係は強いと考えるのだが、他の要素も考える必要はある。
①GoToイート
上述したように、会食の際の感染リスクは低くない。会食にアルコールが加われば、更にリスクは高くなる。「現在の感染拡大はGoTo イートが主因である」というのは間違いない。
富岳による飛沫のシミュレーションが示され、分科会の尾身会長も「マスクを使用しての正しい会食の仕方」を会見で伝授していたが、《会食しても楽しくないし、おいしくないだろうなあ》と思ってしまう内容だった。それはともかく、分科会や政府も会食による感染リスクは認知しているのだから、税金を投入して感染を助長するようなキャンペーンは富岳のシミュレーションが出た時点で、即刻停止すべきである。
ただし、現在の感染拡大はGoToイートが主因であっても、感染拡大の原因すべてがGoToイートであるわけではない。
②冬季(季節)による原因
寒い時期の方がウイルスの活動力は高いらしく、感染拡大の一因となっている可能性もある。
また、寒いことによって換気も頻繁に行いにくいという実情もある。
北海道の感染拡大は、冬季によるものと考えることもできる。
しかし、新規感染者の多くが、札幌のススキノの関係者であることは、季節に因るものだけとは言い難い。
「GoToキャンペーンは、即刻辞めるべき」だと声を大きく主張するのだが、「経済を止めてしまうと、それによって命を落とす人の数は、感染による死亡数より遥かに多い」と三浦瑠麗氏は主張しており、その意見に同意する人も多い。
次回は、その点について述べたい。