英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

真田丸 第13回「決戦」(先週放送)

2016-04-14 22:35:02 | ドラマ・映画
レビューは全く書いていませんが、緻密で大胆なストーリーで、非常に面白いです。

 第4回だったと思いますが、真田親子と信長が対面するまでの息が詰まるような腹の探り合いのシーンは最高に面白かったです。
 その後も、いろいろと三谷脚本らしい人物の描き方やストーリの見せ方にニヤリとさせられました。
 しかし、この13回に限っては、解せず、納得できませんでした。(今までスルーしておいて、ケチだけつけるのは心苦しいですが)


1.梅の行動
 これまで思慮深く慎重な言動を続け、時には強(したた)かさをも感じさせた梅であったが、この回は、危険な戦場を行ったり来たり。授乳を優先させたり、合戦(作戦)に加われなかったことを残念がったりと、浅慮で無謀な行動が目立った。
 思うに、今回で梅が死亡すると予想されていたので、そういった心理を逆用し、『「“命を落とすか、落とすか”と思わせて実は助かった」と安心させて、最後に“どんでん返し”する』という仕掛けを狙ったのではないだろうか?
 しかし、ミステリーや刑事ドラマに有りがちな『視聴者の意表を突くことに重きを置きすぎて、登場人物の言動が不可解なものになったり、一貫性がなくなってしまう』という失敗を犯してしまったように思えてならない。

2.昌幸の策
 “敵の戦力を分断して叩く”というのは、数的不利を補うのに有効な戦術だが、今回の場合、分断した戦力を各個撃破するには、真田の戦力が不足していたように思う。
 敵の主力が先陣に偏っていたので、先陣が通り過ぎたのを見計らって柵を使用して分断し、孤立した先陣を集中的に狙うのが実戦的だった気がする。
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上広瀬の桜 2016

2016-04-13 16:46:59 | 歳時

 一昨年昨年と訪れています。
 全般的に、枝垂桜はソメイヨシノより開花が遅いような気がします。





 街道の北側を吉野瀬川が流れています。(「吉野瀬川の桜 2016」「吉野瀬川の桜 2016 その2」の上流です)

 こちらの桜は市内と同様に、もう葉桜です。(花弁が多く残っているのは、八重咲きの桜です)
 でも、わずかに残っている花弁とガクの紅色に若葉がミックスして、霞のような紅色に風情を感じます。

 橋の欄干が赤いのですが、神社に繋がっているからなのでしょう。

 雷神社(いかずちじんじゃ)と言うそうです。(詳しくはここ
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2016白山(しらやま)の桜

2016-04-13 16:33:33 | 歳時
 少しだけ山間(やまあい)の地区は、里より3日~1週間くらい桜開花が遅いようです。越前市は花弁が少し残っていましたが、葉桜状態と言ってよい状況でした(タイムラグは年によって違います)。
 土曜日の段階では旧宮崎村、旧織田町ではほぼ満開でした。今日の白山(しらやま)地区もほぼ同様な状況だったのではないかと推測できます。


 満開は少し過ぎていましたが、美しいです。(一昨年も訪れていて、この時は満開がわずかにすぎた状態でした)

 枝が低いところまで伸びているので、シートを敷いてお花見すると、本当に間近で桜が楽しめそうです。
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2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その2

2016-04-12 22:41:42 | 将棋
「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その1」の続きです。


 ▲6四角(第1図)に対して、前例の△9二飛ではなく△7三角を合わせ、▲6五歩に△6四角▲同歩と角を消して(交換して)△7三桂(第2図)と跳ねたところ。
 手順に先手の歩が伸びてくるので抵抗を感じるが、渡辺棋王用意の策だと思われる(ほとんど時間を使わず着手していた)。
 これに対する佐藤天八段の指し手が注目されたが、将棋世界・観戦記を引用すると
『棋王の真意を探り、どう打開していくのか。47分の考慮の後、大方の予想通り▲6三歩成。△同銀にノータイムで▲4五歩と突いた。控室で検討されていた手順だ。4六の空間に角を打ち込めば、相手の攻めをかなり牽制できる。好点の角打ちは約束されたようなもの。それで悪いはずがない、と見るのが普通なのだが………。ここで昼食休憩に入った。』
 また、中継解説では
『控室の継ぎ盤には▲6三歩成△同銀▲4五歩が並ぶ。谷川九段は「本来は▲2九飛や▲4一角で、6四の歩を生かした組み立てをしたいのですが。▲6三歩成から▲4五歩は、妥協した順ではありますね。▲4五歩と突いて▲4六角と打てば、後手の攻めは止まります」と話す。』
 さらに、その数手後、久保九段
「先手は▲6三歩成と成るしかなかったのなら、後手番としてはまずまずの進行に思えます」と解説している。


 以上をまとめると、控室の大方の評価は「▲6三歩成△同銀▲4五歩が当然の指し手」、谷川九段、久保九段は「妥協、不本意」と考えている。
 “渡辺世代の思想”(といって良いかは自信がないが)は「自分だけが攻めたい」……今回の場合、≪相手がくれた6四の歩を利用して(成り捨てる)、ゼロ手で相手の攻め駒の5四の銀を後退させ、▲4五歩と先攻できるのはかなりの利である。しかも、4六に角を置ければ後手の攻めを牽制できる≫
 “谷川世代の思想”(今回、久保九段は谷川思想に近かったようだが、羽生世代の考え方は不明)……≪せっかくの拠点を成り捨てるのは、勿体ない≫
 私も後者。≪▲4一角と打ちたいところだが、諸々の含みを持たせて、▲2九飛と自陣を整えておけば、後手は歩切れなので強烈な攻めはないはず≫と思うのだが、どうなのだろうか?
 ちなみに、局後の佐藤天八段の感想では
「▲6三歩成に代えて▲2九飛△7五歩▲6三歩成は△同銀で、つまらないと思いました」と。


 ……▲2九飛は“つまらない”そうだ。
 それはともかく、佐藤天八段の思考の土台は、▲2九飛を指すにしても▲6三歩成と成り捨てるものらしい。

 実戦は、▲6三歩成△同銀▲4五歩に△6四銀と再び銀を前線に繰り出す(▲6三角には△6五銀で7四をカバーしながら攻勢に出る)。
 これに対し、佐藤天八段は予定通り▲4六角と角を据える。

 これで後手の攻め足が止まるはずだったが……

「その1」「その3」「その4」
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2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その1

2016-04-11 23:40:19 | 将棋
 現在、『将棋世界』4月号(先月号)を読んでいます。しかも、まだ3分の1程度。
 通常は1か月で1冊ペース(これもかなり遅い)ですが、時折、新しい号が来ても何日も封を開けない時はあったのですが、これだけ遅れたのは過去に1回あるかないかです。
 原因は、『週刊将棋』の休刊です。3月いっぱいで終わりなので、いつもより『週刊将棋』を優先して読んでいました。4月に入って、新刊が配達されなくなり、寂しさを実感しています。

 さて、その4月号、巻頭のカラーページの王将戦第3局観戦記『わからないからこそ』(記・大川慎太郎氏)は面白かった(参照:「不可思議な将棋」・拙ブログ)。やはり、大川氏の観戦記は面白い。
 第2局は要点の解説のみ(2ページ)で、しかも、その解説も中継棋譜の解説とほとんど同じで、対局当時の私の感動は全く蘇らない内容だった。『週刊将棋』の休刊によって、今後は名局、好局、熱局が埋もれてしまう可能性が高くなるのだろう。
 棋王戦は第1局が採り上げられていた。『渡辺棋王、驚愕の構想で先勝』(記・津江章二氏)には、指し手の解説に加えて、対局者の心理も、突っ込んで書かれてあった。
 観戦記は指し手の解説だけを書けばよいわけではない。対局者の心理や場の空気なども必須の要素である(こちらの方が重要かもしれない)。
 もちろん、この記事も面白く読ませてもらった。しかし、対局当時、分からない点が2点あって、この記事でその疑問が解消されると期待したが、そうはならなかった。

 将棋は角換わり腰掛け銀となり、昨年の王位戦第5局と同じ道を辿った。
 道を違えたのは第1図。

 王位戦では図の△7三角で、△9二飛と指し、以下▲6五歩△6三銀▲5五角△5四銀に▲6六角(▲6四角なら千日手の可能性)△7三桂▲2四歩△同歩▲2五歩△6五桂▲6八銀△9五歩▲同歩△9七歩▲2四歩△6九角▲8四角(好手・参考図1)△3六角成▲4七金△2七歩▲3八飛△2六馬▲6六歩△6七歩▲同銀引△3五歩▲6五歩△3六歩(参考図2)と進み、▲2五桂が巧手で△同馬▲3六金△2八歩成▲2五金△3八と▲3五桂で広瀬八段がリードして終盤に入った。



 実戦は、第1図以下▲6五歩△6四角▲同歩△7三桂(第2図)と進む。

 王位戦中継の解説では「△7三角は▲6五歩の調子がいいので、△9二飛でしょうか」と記され、『将棋世界』の観戦記でも「自然に先手の歩が伸び、後手が苦しそうな気がする」と。
 しかし、王位戦の進行も後手が好んで指す展開ではなく、渡辺棋王も事前の研究で本譜の順を掘り下げたのであろう。

「その2」「その3」「その4」
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タンスの奥に ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年3月号

2016-04-10 22:30:35 | 詰将棋
『将棋世界』2016年3月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第9問)です。

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2015年度棋士活躍度ランキング

2016-04-09 21:56:42 | 将棋
 昨年度のランキングの発表が11か月も遅れてしまったので、反省して3月27日ごろに各棋戦の得点者の洗い出し、31日に個人ごとの集計を始め、5日に集計が終わりました。(毎日、作業していたわけではありません)
 さて、今年のランキングですが、このランキングを毎年見ていた方なら、ベスト3の顔ぶれは予想がつくことと思います(2位、3位の順位の予想は難しいですが)。
 ここ数年、若手の活躍(糸谷竜王や広瀬王位の誕生、豊島七段、中村太六段などのタイトル挑戦)は単発的にありましたが、羽生世代やアンダー羽生世代(久保九段、三浦九段など)プラス渡辺竜王の壁が厚いという印象が強いです。ただ、ここ2、3年は若手の挑戦が増え、前回、前々回あたりから、若干、ベスト10の世代分布が変わってきています。
 さて、2015年度はどうだったのでしょうか?

算出基準==================================
 タイトル挑戦して奪取20点、タイトル防衛15点、タイトル挑戦して失敗10点、タイトル失冠は名人、竜王が5点、他の5タイトルを3点。(2012年度ランキングより改正。こちら
 ただし、名人位と竜王位は他のタイトルと区別して、得点を増やす。竜王挑戦・獲得は30点、同防衛は20点、同挑戦・失敗は15点。
 名人挑戦に関しては、4~6月の七番勝負進出のためのA級順位戦は前年度なので、ポイントには加えず、名人に挑戦し獲得した場合は15点、挑戦し失敗した場合は0点、名人防衛は20点、A級優勝(名人挑戦権獲得)は15点。
 さらに、A級2位と竜王挑戦者決定戦(敗退)は8点(1組優勝者の場合は4点)、竜王挑戦準決勝進出(敗退・1組優勝者は除く)は4点とする。 A級残留はかなりの難易度なので5点。
 順位戦各級の昇級もクラスで差をつけるのが妥当と考え、B1→A級は7点、B2→B1は5点、C1→B2、C2→C1は4点。
 竜王戦昇級の評価については、各クラスの昇級人数が4人と多いのと、クラス別の差別化などを考えると複雑なので、1組優勝者は6点、準優勝者は4点、2組以下は均一に優勝者5点、準優勝者3点。昇級者決定トーナメントを勝ち抜くと、かなり勝ち星を稼げるので昇級に対する加点はなし。

 棋戦(全棋士対象)優勝10点、棋戦準優勝6点叡王戦は全棋士参加ではないのですが、こちらに含めました
 参加棋士限定棋戦(新人王戦、日本シリーズ、大和証券杯)優勝7点、同準優勝4点。

 あと、挑戦者決定戦で敗れたり、棋戦3位などの評価をしないのも誤差が生じそうだが、そこまで勝ち進めば勝ち星が多いはずなので、1勝=1点とすれば反映できる。
 ==================================


 【参照】
『放電日記的 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年3月31日)
『修正版 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年4月19日)
『放電日記的 2009年度棋士活躍度ランキング』(2010年4月2日)
『放電日記的 2010年度棋士活躍度ランキング』(訂正あり)(2011年4月4日)
『放電日記的 2011年度棋士活躍度ランキング』
『2012年度棋士活躍度ランキング 「渡辺竜王・棋王・王将vs羽生王位・王座・棋聖」編』
『2012年度棋士活躍度ランキング』
『2013年度棋士活躍度ランキング』
『2014年度棋士活躍度ランキング』


 今年もベスト20の下位から発表していきます。
20位 32点 広瀬八段(2014年度36点、12位)
 王位挑戦失敗10点、A級残留5点、(NHK杯3位)
……今年度成績22勝23敗(2014年度28勝16敗)
 王位挑戦やNHK杯3位とそれなりの活躍をしたが、年度後半はA級に辛うじて残留とイメージを下げた。このランキングはイメージは関係ないが、昨年度12位から8ランク下げた。
 勝ち数が昨年度に比べ6勝減ったことと、NHK杯3位(無得点)が惜しかった。
 これまでのランキングは、2009年度・9位42点、2010年度・4位61点、2011年度・7位46点、2013年度・14位34点、2014年度・12位36点、2015年度・20位32点。王位を奪取した2010年度当時と比べると、A級に上がり勝ち星を上げる難易度が高くなったとはいえ、色褪せ感が漂う。


20位 32点 森内九段(2014年度51点、6位)
 朝日杯準優勝6点、A級残留5点
……今年度成績21勝19敗(2014年度16勝27敗)
 昨年度は2大タイトルの失冠とイメージは悪かったが、失冠点5点×2にNHK杯優勝の10点で6位に踏みとどまったが、今年度は朝日杯準優勝はあるものの、後退度が大きかった。
 これまでのランキングは、2008年度・10位37点、2009年度・8位48点、2010年度・9位41点、2012年度・18位33点、2013年度・3位82点、2014年度・6位51点、2015年度・20位32点。


20位 32点 行方八段(2014年度53点、5位)
 第73期名人位挑戦失敗0点(A級順位戦1位の得点は前年度扱い)、A級2位8点、(その他…叡王戦3位・0点)
……今年度成績24勝17敗(2014年度23勝17敗)
 名人挑戦、今年度のA級も最後まで挑戦権を争うなど“A級上位”のイメージが定着したが、得点は意外と伸びず20位に留まった。昨年度に比べ、A級1位→2位、竜王戦関連の得点がなくなったのが痛かった。
 これまでのランキングは、2012年度・12位39点、2013年度・6位42点、2014年度・5位53点、2015年度・20位32点。


19位 34点 佐々木勇五段(2014年度33点、18位)
……今年度成績34勝13敗(2014年度29勝18敗)
 昨年度の新人王準優勝の4点分を勝ち数でカバーし、順位も得点も昨年度とほぼ同じ。
 これまでのランキングは、2013年度・7位39点、2014年度・18位33点、2015年度・19位39点。


15位 37点 石井四段(昨年度22点)
……今年度成績37勝15敗(2014年度22勝16敗)
 昨年度より15点の上乗せの大躍進で、ベスト20入り。
 順位戦は7勝3敗だが成績優秀者との対局がほとんどなかった。王位戦は予選決勝で行方八段に敗れリーグ入りならず。朝日杯は1次、2次予選を勝ち抜き本戦1回戦で羽生名人に敗れる。棋王戦も本戦3回戦まで進み佐藤康九段に敗れるなど、勝ち進むもののあと一歩突き抜けることができなかった。


15位 37点 阿部光六段(2014年度39点、9位)
……今年度成績37勝20敗(2014年度29勝18敗)
 3年連続のベスト20入り。
 順位戦は5勝5敗と振るわなかったものの、竜王戦では4組へ昇級(加点なし)、叡王戦でも本戦2回戦まで進出(郷田王将に敗れる)、王位戦56期は挑決リーグ・1勝4敗、57期は予選決勝進出(瀬川五段に敗れる)、NHK本戦2回戦で深浦九段を破る(3回戦で久保九段に敗れる)など、実力の片りんを見せた。
 これまでのランキングは2013年度・14位34点、2014年度・9位39点、2015年度・15位37点。


15位 37点 船江五段(2014年度18点)
……今年度成績37勝14敗(2014年度18勝11敗)
 順位戦は8勝2敗で4位とあと一歩及ばず。棋王戦・本戦3回戦進出(佐藤天八段に敗れる)など、勝ち星を積み重ね、躍進した。
 C級1組に昇級を果たした2011年度・14位36点以来のベスト20入り。


15位 37点 山崎八段(2014年度20点)
 叡王優勝10点
……今年度成績27勝16敗(2014年度20勝15敗)
 ここ数年、低迷感が強かったが、叡王戦優勝、第56期王位リーグ残留など存在感をアピールし、2012年度(竜王戦挑戦者決定戦進出)の17位35点以来のベスト20入り。
 しかし、2004年度NHK杯優勝、このランキングにおいても2009年度・7位52点の活躍を思うと、まだまだ物足りない。せめて順位戦B級1組で昇級争いをするくらいはしてほしい(今期は5勝7敗)。
 これまでのランキングは、2009年度・7位52点、2010年度・18位33点、2012年度・17位35点、2015年度・15位37点。


14位 38点 増田康四段(2014年度5点・新四段)
 竜王6組2位3点、(加古川青流戦準優勝)
……今年度成績35勝12敗(2014年度5勝3敗)
 森下九段が“天才”と認めた大器。35勝12敗は“天才”にふさわしいかは微妙だが、立派な成績。順位戦は7勝1敗同士で迎えた9戦目の対宮本四段(現五段)戦を敗れたのが大きく、8勝2敗の5位に終わった。加古川青流戦でも決勝で稲葉聡アマに1勝2敗で敗れるなど、勝負弱いのかもしれない。今年3月、永瀬六段を破り本戦入りした王座戦決勝トーナメントで真価が問われる。

11位 40点 村山六段(2014年度18点)
 NHK杯優勝10点、竜王4組2位3点(叡王戦3位、朝日杯3位、BⅡに降級
……今年度成績27勝19敗(2014年度18勝14敗)
 B級1組を陥落は痛いが、NHK杯優勝が光る。この他、叡王戦3位、朝日杯3位と今期は早指し(短時間)戦で活躍。
 これまでのランキングは、2010年度・10位39点、2012年度・18位33点、2013年度・8位38点、2015年度・11位40点。


11位 40点 深浦九段(2014年度29点、25位)
 銀河戦優勝10点、日本シリーズ準優勝4点、A級残留5点
…………今年度成績21勝19敗(2014年度24勝17敗)
銀河戦優勝や日本シリーズ準優勝と一般棋戦で活躍するも、王将リーグ残留以外はA級順位戦では3勝6敗と苦戦などタイトルに絡む気配はなし。羽生王位から王位を奪取、翌年のリベンジマッチも跳ね返した2008~2009年度当時と比べると寂しい。
 これまでのランキングは、2008年度・3位56点、2009年度・3位67点、2010年度・16位34点、2011年度・5位48点、2012年度・18位33点、2015年度・11位40点。


11位 40点 郷田王将(2014年度55点、4位)
 王将位防衛15点、叡王戦準優勝6点、(A級陥落)
……今年度成績19勝17敗(2014年度26勝22敗)
王将位を保持していることは昨年度と同じだが、ランキングシステムでタイトル奪取と防衛では5点の差があり、A級陥落(残留点5点がない)、勝ち数の7減少など、マイナス要素が重なり11位と、昨年度の4位より大きく後退してしまった。
 叡王戦準優勝はあるものの他の棋戦はパッとしないうえ、A級陥落は大きな痛手。王将戦で羽生名人の挑戦を退け、何とか存在感を示した。
 これまでのランキングは、2008年度・8位47点、2011年度・3位54点、2012年度・16位36点、2013年度・4位55点、2014年度・4位55点、2015年度11位40点。


ベスト10です。
10位 41点 菅井七段(2014年度50点、7位)
 新人王優勝7点、(その他…王位挑戦者決定戦敗退、竜王戦3組に昇級)
……今年度成績34勝16敗(2014年度43勝11敗)
 新人王優勝、王位戦挑決進出、34勝16敗と及第点以上の成績だが、昨年はもっと勝っていた(43勝)いたため、順位を下げた。B級2組に上がったため、予選で星を稼げなくなったためかもしれない。順位戦も8勝2敗で3位と、一歩届かなかったのも大きかった。
 これまでのランキングは、2010年度・20位32点、2011年度・10位43点、2012年度・8位41点、2014年度・7位50点、2015年度・10位41点。


9位 42点 三浦九段(2014年度26点、28位)
 A級昇級7点、日本シリーズ優勝7点、
……今年度成績28勝14敗(2014年度23勝18敗)
 昨年度A級陥落の憂き目に遭ったが、今年度は日本シリーズ優勝に加えA級復帰を決めた。B級1位以上で28勝14敗の高勝率は見事である。
 これまでのランキングは、2008年度・15位29点、2009年度・9位42点、2010年度・18位33点、2013年度・17位32点、2015年度・9位42点。


7位 45点 豊島七段(2014年度45点、8位)
 棋聖位挑戦失敗10点、(その他…王座挑戦者決定戦敗退、銀河戦3位、日本シリーズ3位)
……今年度成績35勝22敗(2014年度35勝21敗)
 期待が大きいだけに、棋聖位挑戦失敗、順位戦B級1組初戦から5連敗は失望感が大きいが、改めて成績を列記すると立派な成績である。
 これまでのランキングは、2008年度・17位28点、2009年度・5位54点、2010年度・7位45点、2011年度・4位52点、2012年度・6位45点、2013年度・8位38点、2014年度・8位45点、2015年度・7位45点。7年連続一桁ランクというのは見事と言うしかない。


7位 45点 稲葉八段(2014年度31点、22位)
 A級昇級7点、竜王位挑戦者決定準決勝進出4点、竜王戦2組1位5点
……今年度成績29勝13敗(2014年度26勝11敗)
 毎年高勝率で通算勝率も.694であるが、B級1組に上がってもこの勝率を維持(.691)。それどころか、10勝2敗で一期でB1を抜け、A級昇級を果たした。竜王戦でも挑決準決勝進出と活躍(ただし、29期は連敗で2組に降級)。
 これまでのランキングは、2008年度・14位30点、2009年度・17位30点、2010年度・13位35点、2011年度・16位33点、2012年度・10位40点、2013年度・14位34点、2014年度・22位31点、2015年度・7位45点。2014年度の22位以外はベスト20位以内というのも見事である。


6位 46点 千田五段(2014年度35点、15位)
 NHK杯準優勝6点、竜王6組1位5点
……今年度成績35勝18敗(2014年度31勝11敗)
 勝ち数に加えNHK杯準優勝と竜王戦6組優勝の得点を加え、6位に食い込んだ。コンピュータ将棋を活用するなど、独特な言動も注目されている。
 これまでのランキングは、2013年度(新四段)・12位36点、2014年度・15位35点、2015年度・6位46点。


いよいよベスト5!
5位 49点 斎藤六段(2014年度28点、26位)
 B級2組に昇級4点、竜王5組1位5点、
……今年度成績40勝12敗(2014年度28勝15敗)
 順位戦、竜王戦でともに昇級。さらに勝数2位、勝率1位で5位に躍進。
 棋王戦では本戦3回戦でまで進出したが、羽生名人に敗れた。竜王戦挑決トーナメントでは1回戦で千田五段を破ったが2回戦で永瀬六段に敗れた。


4位 53点 永瀬六段(昨年度24点、30位)
 竜王位挑戦者決定戦進出8点、竜王戦4組1位5点、C級1組に昇級4点
……今年度成績36勝12敗(2014年度24勝15敗)
 竜王戦挑決準決勝進出も特筆もので、さらに準々決勝で破ったのが羽生名人(対戦成績は永瀬3勝、羽生0勝)。
 それに、何と言っても、ようやくC級2組を脱出。8勝2敗というのも永瀬六段らしい。
 これまでのランキングは、2011年度・14位36点、2012年度・3位56点、2013年度・5位43点、2014年度・30位24点、2015年度・4位53点。今回の4位で、5位以内が3回目というのも特筆ものである。


3位 80点 渡辺竜王・棋王(2014年度72点、2位)
 竜王位奪取30点、棋王位防衛15点、A級残留5点、竜王2組2位3点、(その他…日本シリーズ3位・0点)
……今年度成績27勝19敗(2014年度26勝14敗)
 竜王位挑戦権を獲得した後、6連敗を喫するなど調子を落としたが、糸谷竜王を4勝1敗で破って復位。また、佐藤天八段を3勝1敗で降し棋王位を防衛。ポイントも昨年度より8点増やした。
 しかし、順位戦は最終局を迎えた時点では挑戦権獲得の可能性はなく、王将リーグも1勝5敗で陥落、王座戦も準決勝で佐藤天八段に敗れるなど、不満も大きい。
 これまでのランキングは2008年度・4位54点、2009年度・4位64点、2010年度・2位74点、2011年度・2位107点、2012年度・2位133点、2013年度・2位84点、2014年度・2位72点、2015年度・3位80点。
 5年連続2位であったが、それが途切れた(渡辺竜王にとっては面白くない記録だっただろうが)


2位 82点 佐藤天八段(2014年度36点、12位)
 第74期名人位挑戦権獲得(A級順位戦1位)15点、王座挑戦失敗10点、棋王位挑戦失敗10点、銀河戦準優勝6点、(棋聖位挑戦者決定戦敗退・0点)
……今年度成績41勝18敗(2014年度29勝11敗)
 ≪誰が、佐藤天八段を止めるのか≫と言われるほど快進撃を続けたが、王座戦では羽生王座に2勝3敗で、棋王戦では渡辺棋王に1勝3敗で敗れた。
 しかし、その内容は素晴らしく佐藤天八段の実力は本物であると感じさせた。また、A級順位戦で8勝1敗と名人挑戦権を獲得したのも素晴らしい。
 ただ、現在、七番勝負中の名人戦も敗れるようだと、3連続挑戦失敗となってしまう。自身としても、他の棋士の認識としても、それは避けたいところだろう(個人的には、避けなくてもよい)。
 最多勝の41勝が大きく、渡辺竜王を2点上回り2位。
 これまでのランキングは2008年度・9位40点、2009年度・19位28点、2010年度・10位39点、2011年度・12位41点、2014年度・12位36点、2015年度・2位82点。



1位 121点 羽生名人・王位・王座・棋聖(2014年度133点、1位)
 第73期名人位防衛20点、棋聖位防衛15点、王位防衛15点、王座防衛15点、王将位挑戦失敗10点、竜王位挑戦者決定戦準決勝進出0点(通常4点だが1組優勝者のため0点)、竜王1組優勝6点、朝日杯優勝10点
……今年度成績30勝17敗(2014年度39勝15敗)
 年度当初より、名人位防衛を始め4連続防衛で四冠を維持。しかし、銀河戦、NHK杯、日本シリーズと短時間将棋棋戦で初戦敗退するなど、勝ち数が伸びなかった。
 鬼の王将リーグを5勝1敗で乗り切り、久保九段とのプレーオフを制し王将位挑戦権を獲得。さらに、朝日杯で優勝と健在を示す。だが、郷田王将に2勝4敗で敗れ、最後の3局3連敗の内容が悪く不安を感じさせ、獲得できなかった分、ポイントも減少した。
 これまでのランキングは2008年度・1位144点、2009年度・1位104点、2010年度・1位131点、2011年度・1位121点、2012年度・1位136点、2013年度・1位130点、2014年度・1位133点、2015年度・1位121点。
 集計を始めて以来、8年連続1位。一番危なかったのは、渡辺竜王・棋王・王将に3点差に迫られた2012年度


ベスト20位以降は次の通り ――20位が3名いるため23位から――
23位 31点 中村太六段(2014年度25点、29位)
 B級2組に昇級4点
……今年度成績27勝10敗(2014年度20勝14敗)

24位 30点 糸谷八段(2014年度65点、3位)
 竜王位失冠5点、B級1組に昇級5点
……今年度成績20勝16敗(2014年度30勝9敗)

24位 30点 八代五段(2014年度33点、18位)
 竜王5組2位3点、(新人王3位)
……今年度成績27勝17敗(2014年度33勝13敗)

24位 30点 青嶋五段(2014年度0点・新四段)
 C級1組に昇級4点、(新人王3位)
……今年度成績26勝11敗(2014年度0勝0敗)

27位 29点 藤井九段(2014年度17点)
……今年度成績29勝16敗(2014年度17勝21敗)

27位 29点 戸辺六段(2014年度23点)
 (朝日杯3位)
……今年度成績29勝15敗(2014年度23勝12敗)

27位 29点 及川六段(2014年度20点)
 竜王3組2位3点
……今年度成績26勝14敗(2014年度20勝15敗)

30位 28点 黒沢四段(2014年度7点・新四段)
……今年度成績28勝14敗(2014年度7勝2敗)

 糸谷八段、中村太六段は物足りない得点だが、ちゃっかり昇級している。
 藤井九段は順位戦で4戦目までで3敗した後、澤田六段、野月七段、菅井七段、戸辺六段、鈴木八段、中村修九段をなぎ倒している。ランキングの得点も伸ばしている


その他の有力棋士
31位 27点 佐藤康九段(2014年度30点、23位)
A級残留5点、(その他…王位挑戦者決定戦敗退)
……今年度成績22勝23敗(2014年度成績25勝17敗)

31位 27点 阿部健六段(2014年度25点)
……今年度成績27勝15敗(2014年度25勝13敗)

31位 27点 宮本五段(2014年度15点・新四段)
C級1組に昇級4点
……今年度成績23勝12敗(2014年度15勝16敗)

--位 25点 木村八段(2014年度37点、10位)
……今年度成績25勝20敗(2014年度27勝18敗)

--位 24点 久保九段(2014年度27点、27位)
 (王将リーグ・プレーオフ敗退、NHK杯3位、A級陥落
……今年度成績24勝18敗(2014年度19勝15敗)

--位 24点 飯島七段(2014年度15点)
 B級1組に昇級5点
……今年度成績19勝15敗(2014年度15勝15敗)

--位 24点 横山六段(2014年度37点、10位)
……今年度成績24勝16敗(2014年度30勝11敗)

--位 23点 屋敷九段(2014年度32点、21位)
A級残留5点、(その他…銀河戦3位)
……今年度成績18勝16敗(2014年度21勝19敗)

 A級の佐藤康九段、久保九段、屋敷九段は寂しい得点。
 特に久保九段は王将リーグ、NHK杯と活躍した割には得点が伸びなかった。とにかく、あと1勝が欲しかった(順位戦)

 
以下は、各棋戦ごとに、まとめたもの
 名人戦 
防衛20点・羽生名人 挑戦失敗0点・行方八段 
  A級1位15点・佐藤天八段 2位8点・行方八段 残留5点・渡辺、佐藤康、屋敷、森内、広瀬、深浦 降級・郷田、久保
  B1→A級7点・稲葉八段、三浦九段  降級・村山七段、先崎九段
  BⅡ→BⅠ5点・糸谷八段、飯島七段  降級・島九段、杉本七段、安用寺六段、豊川七段、高橋九段
  CⅠ→BⅡ4点・中村太六段、斎藤六段  降級・大平五段、神谷八段、浦野八段
  CⅡ→CⅠ4点・宮本五段、青嶋五段、永瀬六段  降級・小倉七段、田中魁九段(引退)

 竜王戦
奪取30点・渡辺竜王 防衛失敗5点・糸谷八段 挑決8点・永瀬六段 準決進出4点・稲葉八段(羽生名人は一組優勝者なので加点なし)
  1組1位6点・羽生名人 2位4点・阿久津八段  2組1位5点・稲葉八段 2位3点・渡辺竜王
  3組1位5点・真田七段 2位3点・及川六段   4組1位5点・永瀬六段 2位3点・村山七段
  5組1位5点・斎藤六段 2位3点・八代五段   6組1位5点・千田五段 2位3点・増田康四段


 王位戦
防衛15点・羽生王位 挑戦失敗10点・広瀬八段 挑戦者決定戦0点・菅井七段
 王座戦
防衛15点・羽生王座 挑戦失敗10点・佐藤天八段 挑戦者決定戦0点・豊島七段
 棋王戦
防衛15点・渡辺棋王 挑戦失敗10点・佐藤天八段 挑戦者決定戦0点・佐藤康九段
 王将戦
防衛15点・郷田王将 挑戦失敗10点・羽生名人 挑戦者リーグ2位0点・久保九段
 棋聖戦
棋聖 防衛15点・羽生棋聖 挑戦失敗10点・豊島七段 挑戦者決定戦0点・佐藤天八段

叡王戦  優勝10点・山崎八段 準優勝6点・郷田王将 3位0点・行方八段、村山七段
NHK杯 優勝10点・村山七段 準優勝6点・千田五段 3位0点・久保九段、広瀬八段
朝日杯  優勝10点・羽生名人 準優勝6点・森内九段 3位0点・村山七段、戸辺六段
銀河戦  優勝10点・深浦九段 準優勝6点・佐藤天八段 3位0点・屋敷九段、豊島七段

大和証券杯  2013年度より開催されず
日本シリーズ 優勝7点・三浦九段 準優勝4点・深浦九段 3位0点・渡辺竜王、豊島七段
新人王    優勝7点・菅井六段 準優勝4点・大橋三段 3位0点・青嶋五段、八代五段

【獲得点なし】
加古川青流戦 優勝・稲葉聡アマ 準優勝・増田康四段 3位・甲斐三段、黒田三段
【非公式戦】
達人戦   2015年度より開催されず  2013年度に参加棋士が10→6人に縮小

2015年度 勝数ランキング
勝数ランキング
1 佐藤天八段 41    12羽生名人  30
2 斎藤六段  40    13藤井九段  29
3 阿部光六段 37    13稲葉八段  29
3 船江五段  37    13戸辺六段  29
3 石井四段  37    16三浦九段  28
6 永瀬六段  36    16黒沢四段  28
7 豊島七段  35    18渡辺竜王  27
7 千田五段  35    18山崎八段  27
7 増田康四段 35   18村山七段  27
10 菅井六段  34    18中村太六段 27
10 佐々木勇五段34   18阿部健六段 27
               18八代五段  27


 最後に、ランキングをもう一度。
2015年度活躍度ランキング
 1位 121点 羽生名人・王位・王座・棋聖(昨年度133点、1位)
 2位  82点 佐藤天八段(昨年度36点、12位)
 3位  80点 渡辺竜王・棋王(昨年度72点、2位)
 4位  53点 永瀬六段(昨年度24点、30位)
 5位  49点 斎藤六段(昨年度28点、26位)
 6位  46点 千田五段(昨年度35点、15位)
 7位  45点 稲葉八段(昨年度31点、22位)
 7位  45点 豊島七段(昨年度45点、8位)
 9位  42点 三浦九段(昨年度26点、28位)
10位  41点 菅井七段(昨年度50点、7位)
11位  40点 郷田王将(昨年度55点、4位)
11位  40点 深浦九段(昨年度29点、25位)
11位  40点 村山六段(昨年度18点)
14位  38点 増田康四段(昨年度5点・新四段)
15位  37点 山崎八段(昨年度20点)
15位  37点 船江五段(昨年度18点)
15位  37点 阿部光六段(昨年度39点、9位)
15位  37点 石井四段(昨年度22点)
19位  34点 佐々木勇五段(昨年度33点、18位)
20位  32点 行方八段(昨年度53点、5位)
20位  32点 森内九段(昨年度51点、6位)
20位  32点 広瀬八段(昨年度36点、12位)
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「手品」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-04-08 17:37:32 | 詰将棋
「手品 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年3月号」の解答です。



 初形から1六に玉を呼んでの▲2六金までの詰み形が見えます。
 なので、角を取る▲1六飛が絶好手に見えます。


 確かに、この手に△1六同玉なら▲2六金で思惑通り詰みますが、△2五玉とかわされると

 以下、▲4三角と捕まえようとしても、△3五玉で逃げられてしまいます。

 ▲1六飛は好手なのですが、2五に逃げられて失敗してしまいました。
 ならば、▲2五金△同角と角で玉の脱出口を塞ぐのが正解です。


 こうしておいて、▲1六飛とすれば2五には逃げられないので、取らざるを得ません。

 ここで、取り方が2通りありますが、
 △1六同角(第4図)の局面は、

 初形から2六の飛車を消去したことになっています。
 実は、2六の飛車は邪魔駒だったのです。というわけで、こちらが作意手順です。
 ▲2六金と打って詰め上がりです。


 4手目△1六同玉にも▲2六金で詰みです。

 取れる角を取らず、逆に金を捨てて角を逃がしておいてから▲1六飛で詰ますという詰将棋の面白さを感じさせる作品でした。

 この作品が問題として出題された場合、4手目以降△1六同角▲2六金でも△1六同玉▲2六金でも正解となります。
 詰将棋の決まりとして、玉方が最善の受け(①最長手順、②攻め方の駒を使わせる)をすることになっています。
 理想は最善の受け(正解手順)は一通りだけにしたいのですが、なかなか最後まで手数を一通りに限定するのは難しいのです。本作のように玉方の最終手の非限定は許容範囲とされています。

詰手順……▲2五金△同角▲1六飛△同角▲2六金まで5手詰
 
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2016年 名人戦第1局 感想

2016-04-07 22:13:17 | 将棋
 封じ手の局面は、ほとんどの棋士が「後手の模様が良い(指しやすい・有利)」という形勢判断。(“ほとんどの棋士”と言うより、先手(羽生名人)側を持ちたいという棋士は皆無だった)
 封じ手の候補が、有力と見られた△2三銀(三浦、稲葉、飯塚、千田、竹部)、△7四歩(飯塚、窪田)、△8八歩(三浦、稲葉)の他にも、△3五飛(三浦、稲葉)、△6二玉(田丸)、△2八歩(三浦)、△4五桂(三浦)が挙がっていた。三浦九段は5候補、稲葉八段は3候補挙げている。複数の候補を挙げるということは、端的に言うと「どの手も良さそうで、絞れない」ということなのだろう。もちろん、≪形勢が苦しくて、どう指してもつらい≫ということもあるが、苦しい手をいくつも挙げるという行為は普通はしない。………候補手の多さが、「後手良し」を物語っているように感じた。
 実際は、封じ手局面だけでなく、その少し前、角交換で7七金型になり△3六飛と回られた辺りで、≪先手陣は危なかっしいぞ。先手がわざわざ誘導する局面とは思えない≫と、非常に不安になっていた。

 ところが、2日目の午後に入って、「先手も悪くない」「後手の指し手が難しい」という声が上がっていた。
 渡辺竜王はご自身のブログで「後手の模様が良さそうだけども敗因がはっきりしないという深い将棋でした。詳しくは観戦記を待ちたいと思います」と述べている。……あなたが頼りなのに、何を言っているんだ!
 竜王がわからず、感想戦でも敗因が特定できない(一応、「45手目の▲4六角に対し、△6四角とすべきだった」という結論が出たが)。
 そんな難解な将棋を渡しが解明できるわけがないのだが、「飛車の働きは後手が優っていたが、交換になった」「飛車打ちに対しては、後手の方が隙が多い」「持角が後手の主張点であったが、角を打ったにしては働きがイマイチだった」などなど、ぼんやり考えている。

 余力があれば、掘り下げて考えてみたいのですが……
コメント (4)
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近所の枝垂れ桜・昼景(2016年4月5日撮影)

2016-04-06 11:21:43 | 歳時

前回(4月2日撮影)は夜間のライトアップされたものでしたので、昼も観たくなりました。



 日差しが弱く、青空も薄かったのが残念でしたが、最後の2枚は却ってそれが良かったのかもしれません。


 これを撮ったのはお昼前でしたが、午後3時ごろからやたら晴れだし、ほぼ快晴になってしまいました。
 “快晴になってしまいました”……悔しいので、2度言いました。
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