英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その1

2016-04-11 23:40:19 | 将棋
 現在、『将棋世界』4月号(先月号)を読んでいます。しかも、まだ3分の1程度。
 通常は1か月で1冊ペース(これもかなり遅い)ですが、時折、新しい号が来ても何日も封を開けない時はあったのですが、これだけ遅れたのは過去に1回あるかないかです。
 原因は、『週刊将棋』の休刊です。3月いっぱいで終わりなので、いつもより『週刊将棋』を優先して読んでいました。4月に入って、新刊が配達されなくなり、寂しさを実感しています。

 さて、その4月号、巻頭のカラーページの王将戦第3局観戦記『わからないからこそ』(記・大川慎太郎氏)は面白かった(参照:「不可思議な将棋」・拙ブログ)。やはり、大川氏の観戦記は面白い。
 第2局は要点の解説のみ(2ページ)で、しかも、その解説も中継棋譜の解説とほとんど同じで、対局当時の私の感動は全く蘇らない内容だった。『週刊将棋』の休刊によって、今後は名局、好局、熱局が埋もれてしまう可能性が高くなるのだろう。
 棋王戦は第1局が採り上げられていた。『渡辺棋王、驚愕の構想で先勝』(記・津江章二氏)には、指し手の解説に加えて、対局者の心理も、突っ込んで書かれてあった。
 観戦記は指し手の解説だけを書けばよいわけではない。対局者の心理や場の空気なども必須の要素である(こちらの方が重要かもしれない)。
 もちろん、この記事も面白く読ませてもらった。しかし、対局当時、分からない点が2点あって、この記事でその疑問が解消されると期待したが、そうはならなかった。

 将棋は角換わり腰掛け銀となり、昨年の王位戦第5局と同じ道を辿った。
 道を違えたのは第1図。

 王位戦では図の△7三角で、△9二飛と指し、以下▲6五歩△6三銀▲5五角△5四銀に▲6六角(▲6四角なら千日手の可能性)△7三桂▲2四歩△同歩▲2五歩△6五桂▲6八銀△9五歩▲同歩△9七歩▲2四歩△6九角▲8四角(好手・参考図1)△3六角成▲4七金△2七歩▲3八飛△2六馬▲6六歩△6七歩▲同銀引△3五歩▲6五歩△3六歩(参考図2)と進み、▲2五桂が巧手で△同馬▲3六金△2八歩成▲2五金△3八と▲3五桂で広瀬八段がリードして終盤に入った。



 実戦は、第1図以下▲6五歩△6四角▲同歩△7三桂(第2図)と進む。

 王位戦中継の解説では「△7三角は▲6五歩の調子がいいので、△9二飛でしょうか」と記され、『将棋世界』の観戦記でも「自然に先手の歩が伸び、後手が苦しそうな気がする」と。
 しかし、王位戦の進行も後手が好んで指す展開ではなく、渡辺棋王も事前の研究で本譜の順を掘り下げたのであろう。

「その2」「その3」「その4」
コメント
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