「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その1」
「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その2」
「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その3」の続きです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/45/dd940731693896a70ed20378ebf3c209.png)
前記事でスルーしてしまったが、△4四銀と逃げられた第6図は先手が思わしくないので、やはり、その直前の△8六歩(第5図)の瞬間、▲3三桂成と銀を取るほうが良かったかもしれない。
桂馬を渡すのは嫌だが、足掛かりになりそうな4四の歩を駒損を避けつつ取り除かれるのは、かなりの損のような気がする。
第6図以下、▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲2四歩△8六飛▲8七銀△8四飛▲2五飛(第7図)と進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/dc/081b5afdc19b86133bb8a32f32692f2f.png)
第7図から、渡辺棋王は巧妙に△7七歩▲同金△7六歩▲7八金を利かす。
そして、△8六歩(第8図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/d9/7daabe1bfc75a23c407e88e614fd4cf4.png)
これに、▲7六銀(第9図)とかわした手に、△4三角が決め手。
以下、▲3四歩△4五金▲同銀△7六角▲4四銀△8七歩成で、佐藤天八段、投了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/63/981b319061768061afc572cbb014cf03.png)
渡辺棋王が、新手の△7三角により主導権を握り(形勢は微妙)、徐々に引き離しての勝利だった。
さて、ここで第7図から局面図が多いことに気がつきませんか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/66/7f06c4ed896d645bee8d8150eac38add.png)
渡辺棋王が、第7図から巧妙な歩使いで先手玉を攻略したが、その手順に不思議な点があることに気がついた。
第7図から△7七歩▲同金△7六歩▲7八金を利かして△8六歩(第8図)▲7六銀(第9図)と進んだのだが、第7図から直ちに△8六歩(参考図1)と打っても△7六銀(参考図2)と進む。
だとすると、実戦の巧妙な歩使いは単なる“歩の無駄遣い”ではなかったのか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/57/c8e8c9d1a3f7fed276a538ed5e6d8e75.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/be/86a0ab7f3daa455afc4afb60311e72e9.png)
いったい、どういうことなのか?………………
…………おそらく、第8図、参考図1の△8六歩に対して、非常手段気味に▲8六同銀とする手が関係しているのだろう。
この▲8六同銀とされた時、7六の歩の有無が関わってくるのではないだろうか?
おそらく渡辺棋王は、この2つの△8六歩▲7六銀を比較して細かい歩使いをしたのだろう。だとしたら、スルーされた渡辺棋王は残念だったかも。
『将棋世界』の観戦記だが、
・新手の成否にかかわる局面の掘り下げの物足りなさ……「その2」の第2図の周辺
・「▲4六角が“疑問手”」と記しながら最善手を示さなかった点……「その3」の第3図、第4図周辺
・▲3三桂成はなかったか?……「その4」(本記事)
・2つの△8六歩▲7六銀の違い……「その4」(本記事)
と、≪少し浅いんじゃないの?≫と残念に感じた。
申し訳ないが、要注意観戦記者の候補に挙げさせていただく。
「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その2」
「2016年棋王戦 佐藤天八段-渡辺棋王 その3」の続きです。
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前記事でスルーしてしまったが、△4四銀と逃げられた第6図は先手が思わしくないので、やはり、その直前の△8六歩(第5図)の瞬間、▲3三桂成と銀を取るほうが良かったかもしれない。
桂馬を渡すのは嫌だが、足掛かりになりそうな4四の歩を駒損を避けつつ取り除かれるのは、かなりの損のような気がする。
第6図以下、▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲2四歩△8六飛▲8七銀△8四飛▲2五飛(第7図)と進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/66/7f06c4ed896d645bee8d8150eac38add.png)
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第7図から、渡辺棋王は巧妙に△7七歩▲同金△7六歩▲7八金を利かす。
そして、△8六歩(第8図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/39/85e9cb7847f496d2bbd83d17428b4635.png)
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これに、▲7六銀(第9図)とかわした手に、△4三角が決め手。
以下、▲3四歩△4五金▲同銀△7六角▲4四銀△8七歩成で、佐藤天八段、投了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/63/981b319061768061afc572cbb014cf03.png)
渡辺棋王が、新手の△7三角により主導権を握り(形勢は微妙)、徐々に引き離しての勝利だった。
さて、ここで第7図から局面図が多いことに気がつきませんか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/66/7f06c4ed896d645bee8d8150eac38add.png)
渡辺棋王が、第7図から巧妙な歩使いで先手玉を攻略したが、その手順に不思議な点があることに気がついた。
第7図から△7七歩▲同金△7六歩▲7八金を利かして△8六歩(第8図)▲7六銀(第9図)と進んだのだが、第7図から直ちに△8六歩(参考図1)と打っても△7六銀(参考図2)と進む。
だとすると、実戦の巧妙な歩使いは単なる“歩の無駄遣い”ではなかったのか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/dc/081b5afdc19b86133bb8a32f32692f2f.png)
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いったい、どういうことなのか?………………
…………おそらく、第8図、参考図1の△8六歩に対して、非常手段気味に▲8六同銀とする手が関係しているのだろう。
この▲8六同銀とされた時、7六の歩の有無が関わってくるのではないだろうか?
おそらく渡辺棋王は、この2つの△8六歩▲7六銀を比較して細かい歩使いをしたのだろう。だとしたら、スルーされた渡辺棋王は残念だったかも。
『将棋世界』の観戦記だが、
・新手の成否にかかわる局面の掘り下げの物足りなさ……「その2」の第2図の周辺
・「▲4六角が“疑問手”」と記しながら最善手を示さなかった点……「その3」の第3図、第4図周辺
・▲3三桂成はなかったか?……「その4」(本記事)
・2つの△8六歩▲7六銀の違い……「その4」(本記事)
と、≪少し浅いんじゃないの?≫と残念に感じた。
申し訳ないが、要注意観戦記者の候補に挙げさせていただく。