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AM2:30起床。
・・・寝れた。
睡眠時間は少ないが、珍しくしっかりと寝れた。
朝食をとる。
オニギリ・梅干し・バナナ・餅などにオレンジジュース。
裸になりワセリンを塗る。
全く寒くないのは湿気のある曇天のせいか・・。
脚にテーピング、足マメも保護。
洗顔後、ゆっくりとストレッチをして眠気を覚ます。
着替えを済ませた頃、メールの着信音が鳴りケータイを覗く。
「今、家の前に到着しました。心の準備が整ったら出てきてください」
今回も嫁の同僚カワイ娘ちゃんキクちゃんが送迎してくれる。
心の準備は全く出来ていないが、お迎えの車に乗り込む。
外はまだ真っ暗だ。
「おはよう!お世話になります!」
キク「今年は完走してくださいよ~!」
「ん~~っ、頑張ります!」
キク「今回はこれを付けて沿道にいますんで、見つけてくださいね~」
ピカピカと光るミッキーマウスの耳のカチューシャを取り出す。
キク「2つもあるんですけど・・」
「・・・」(嫌だ・・付けたくない)
キク「どうやら今日は後半雨ですね~」
そう、起床後に何度もチェックした天気予報は午後から雨マークだった。
キクの車はワイパーを揺らすこともなくスタート会場に向かう。
スタートからの雨だけは勘弁してもらいたいものだ・・。
「じゃあ、ありがとう!」
会場付近で車から降りる。
オレンジ色の街灯に照らされた橋の上は荷物を持ったランナー達が列をなす。
列の前方、暗闇の中にポッカリと浮かび上がる蕨岡中学校グラウンドがスタート会場。
一条太鼓がランナー達を出迎える。
鶏小屋の前を通ったが、どうやら今年は鶏を避難させたようだ。
グラウンドはすでにランナー達で埋まっている。
仮設トイレの長い列に並んでトイレを済ます。
グラウンドの端にシートを広げ、腰を下ろして心を落ち着かせる。
「おはようございます!調子はどうですか?」
去年、嘔吐が続きリタイアした知り合い大柄ランナーが現れた。
「いや~、とりあえず不思議と寝れたのがいい感じくらいかな・・」
開会式が始まり、ゲストランナーの千葉真子さんが盛り上げる。
近くにレース中には会いたくない「14時間」のペースランナー達もいた。
開会式も終わらないうちに荷物を預けてスタートゲートに向かう。
今回もかなり前の方に並んだ。
空を見上げたが星が見えない。
雨はいつから降り始めるのだろうか・・、
ビニールポンチョは60km地点で受け取れる荷物の中に入れた。
練習のロング走はほとんどが雨だったんで、多少の雨は気にならない。
いつの間にか前も後ろもランナーだらけになり、スタート前のマイクアナウンスが始まる。
有力ランナー達が紹介され、そのたびに拍手がおきる。
最後にゲストランナー千葉さんのエール。
「さぁ~いよいよですね~!」
「ゆ~っくり、ゆ~っくりと走って下さいね~!」
「ど~~せ、しんどいんですから、しんどくなってから頑張ればいいんです~!」
楽しいエールに緊張がほぐれる。
今回の目標は「完走」。ただそれだけ。
しかしそれがいつも難しい・・。
「しんどくなってから頑張る」はかなり的を得ている。
スタートのカウントダウンが始まり、辺りは急に静かになる。
「パンッ!!」
AM5:30、号砲とともにフラッシュがたかれ、暗闇が光り出す。
「いってらっしゃーい!!」
マイクアナウンスの叫びが響く中、ぞろぞろと走り始める。
スタートゲートは特に明るく、沿道の声援も多くてお祭りモード。
千葉さんがハイタッチでランナー達を見送る。
すぐに辺りは暗闇に戻り、タイマツの炎が目立ち始める。
この炎の材料はヒノキなのだそうだ。
メラメラと燃える炎は闘争心を掻き立てる。
さあ始まった!
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