エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

第22回四万十川ウルトラマラソン ~かなり私的な完走記(4)~

2016年11月03日 | 四万十川ウルトラマラソン~レポート

■4■

ライダーズイン四万十。

ライダー達の宿泊施設がこの時だけランナー用のトイレとして使用できる。

完全個室の贅沢なトイレ、使用したいが長い列ができていたのでスルーする。

黙々と復活を信じて走る。

1kmごとの表示を目標に、さらに約2kmごとの給水エイドを目標に、ただひた走る。

黄色のゼッケン60kmの部の歩いているランナーを交わし始める。

【50kmすぎ】JR予土線の高架コンクリートが左側に壁となって長い直線が続く。

少し調子が出てきた自分を追い抜いて走るガッチリ体形のランナー、

サロマのフィニッシャーTシャツの背中に「12時間23分」の文字が刻まれている。

足取りの良いこのランナーの背後に張り付き、ピッチを刻むことに集中する。

呼吸がリズムを刻み、腕が振れるようになり、体全体が躍動し始める。

低速で走るランナーさえも抜き始める。

GPSウォッチはキロ6分フラットを表示し続けている。

リズムというのは大事なもんだ・・。

サロマランナーのおかげで苦しい50km以降を快適に走りはじめた。

高架コンクリートが左側から消えると賑やかなエイドが現れる。

【53.6km】半家(はげ)沈下橋。


この沈下橋は往復。


業者の撮影ポイントでもあり、この時だけはどのランナーも笑顔が弾ける。

山沿いをひた走ってきたランナー達は恐いくらい間近な四万十川の渓流に接し、

橋の上では体一杯にマイナスイオンのシャワーを浴びる。

癒しの後にはしっかりと試練が待ち構えている。

「峰半家峠」

堂ヶ森に比べると全くたいしたことはないが、50km以上も走ってきた脚は悲鳴を上げる。

ここにきて調子が上向いた自分は走って上り始めるが、後半に備えてあえて歩く。

「歩きなさい!」と号令が出ているかのようにみんな歩いている。


小さな峠といえども結構な高さまで上っている。


下りはかなりな急勾配で脚の攣りに気を付けながらゆっくりと下る。

下りきると関門所。

まだ関門時間には余裕がある。

ここで飛脚応援隊を発見。


有難いことに我らがチーム飛脚にはいつも応援隊がいてくれる。

彼女もランナーだが今年も抽選漏れ。

60kmの部出場のご主人、飛脚、高知市内のランニングクラブなどいろんな応援に忙しい。

応援隊は移動応援禁止のルールをしっかり守って、

このあと窪川まわり(かなりの遠回り)でゴール地点に向かう。

応援で力をもらい、走り出す。


【61.5km】レストステーション「カヌー館」。

100kmの部にとって、一度荷物が受け取れる場所。

西土佐高校の学生ボランティアが手際よくゼッケン付きの荷物を手渡ししてくれる。

青い芝生が広がり、おにぎりや味噌汁まで食事も充実している最大給食エイド。

60kmも走り抜けてきたランナー達にとっては「オアシス」だ。


少し雨に打たれたせいか、温かい味噌汁が体に溶け込んでいく。

荷物の中から高価なゼナを取り出して滋養を補う。

後半の強い雨に備えてビニールポンチョを着こむ。

関門時間は1時間も残しているが、「完走」が意識できるうちは先を急ぐ。

後半戦出発。

オアシスの滞在時間が短かったおかげで脚が固まらずに行ける。

雨の降っていないビニールポンチョは蒸れて暑くなり、脱いでポーチにくくり付ける。

【65.3km】西土佐の赤い大橋のたもとは給水エイド。

地元の中学生達が元気よく水を渡してくれる。

そういえば以前届いた封書に地元の中学生からのメッセージが同封されていた。

「あなたならできる・・」から始まる応援メッセージ。

「あなたが完走できると思って走ればきっと完走できるはず」

まさにその通りだ。

最後に「ファイト!」と締めくくられたメッセージに今一度勇気をもらう。

前日、手に書いてもらった子供達からのメッセージも「Fight!」「あきらめるな!」だ。

まだまだ先は長い、Fight!あきらめずに走ろう!

2車線の車道に合流してからは先の分かりづらい直線が続く。

心が折れて歩き出すランナー達も増えてきた。

地元ランナーの自分は土地勘がある。

「もう少しで岩間の沈下橋ですよ!頑張りましょう!」

抜きざまに声を掛け続ける。

自分の声で再び走り出すランナーも多い。

「あと少し」「もう少し」、その言葉は魔法となりランナー達の脚を進める。

【68.6km】岩間沈下橋。

沈下橋に向かって下る途中、前を歩く女性飛脚ランナーを発見。

「コラーッ!飛脚は歩いたらイカーン!!」

今回60kmの部に初出場の同級生ランナー。

「ハハハ、私ビリかもしれんね」

「大丈夫、大丈夫、まだまだ間に合う!マイペースで頑張って!」

岩間沈下橋。


沈下橋を渡って少しの登り坂。


少しの上りも脚に負担が掛かり、歩いてしまう。

【71km】茅生大橋。

橋を渡りきったら第4関門。

ここで関門時間を30分残していればギリギリゴールに辿り着ける。

関門時間はまだ45分残している。

大丈夫、行ける。

雨が降ったりやんだりで、ポンチョの着脱が忙しくなる・・

■4■

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第22回四万十川ウルトラマラソン ~かなり私的な完走記(3)~

2016年11月03日 | 四万十川ウルトラマラソン~レポート

■3■

スタート直後は、まだランナー達のバタバタという足音が地鳴りする。

タイマツの炎はキャンドルに変わり、幻想的な雰囲気に包まれる。

内川地区の暗闇に揺れる灯りは1kmもつづく。

沿道に光モノを頭に乗せたキクちゃんを発見し、ハイタッチ。

隣にいた母親の頭にも光モノが乗っかっていた。

(次回はあの光モノを渡されそうな気がして怖い・・)

地区の人達も所どころ拍手で応援してくれている。

オジサン「がんばれよー!!ゴールはすぐそこ!あとたったの99kmーっ!!」

失笑するランナー達と2車線の道いっぱいに通り過ぎる。

2車線の道はやがて1車線となり、ランナーの列も細く縦に伸びる。

【4.8km】第1給水所。

全く口にすることなく通り過ぎる。

5km付近はいつも明るくなりはじめるが、曇天のせいでまだ薄暗い。

毎回この辺りから立小便をするランナーが現れるが、今年は少ない。

マラソンブームで全国に大会が増えたことで、そのへんのマナーが徹底されてきたのだろうか・・。

9km地点の竹屋敷地区に着く頃にはさすがに辺りは明るくなった。

過疎化が進む竹屋敷集落、やはり沿道の応援が少ない。

徐々に上り始めるが、まだ脚に負担がかかるほどではない。

エイドに黄色のボランティアジャンパーを着た友人を見つける。

仮設トイレの横で水差しを持って立っている。

「その水は何のため?」

「トイレ後の手洗い(笑)」

なるほど、そんなボランティアもあるのか・・。

民家も少なくなる頃、道は山道に入っていく。

「標高600mの堂ヶ森の峠」に突入。

前を行くランナー達が前傾姿勢になる。

【15km過ぎ】ヘアピンカーブから一気に傾斜がキツくなる。

ここからの6kmが最初の難関となる。

さすがウルトラランナー達、キツい坂道も駆け上がる。


キロ8分台にまで落ちてきたが、歩かないように頑張る。

【20kmを通過】

シューズのチップで通過とタイムが計測される。

「2時間21分」

過去一番遅いが、ちゃんと走れているので問題ない。

しかし結構しんどい。

試走で走った時よりも疲労の色が濃い。

【21.3km】頂上エイドに到着。


頂上というのはやはり気持ちのいいものだ。

辺りに休憩ムードが漂う。

給食エイドなのでオニギリがある。

「美味しい・・」

無理矢理胃に詰め込むのではなく、ちゃんと美味しく食べられる。

たまたま仮設トイレに空きがあったのでトイレを済ます。

大幅なタイムロスを考えると、あまり並ばないようにするのも大事なポイント。

軽く屈伸をして下りに向かう。

下りは9km。

上手に下らないと後半の脚に必ず影響がでてくる。

これまでの経験を活かし抑え気味に走る。

多くのランナーに抜かれたが気にしない。

【33km地点】下りはほぼ終了しているが疲労が激しい。

正直、もう歩きたくなる気持ちが強いが、

周りのランナーが皆走っていることに励まされて何とか走る。

【36.6km地点】昭和大橋第一関門。

関門はまだ余裕たっぷりだが、到着時刻は過去より遅め。

エイドで給水して、橋を渡り長い直線の車道へと向かう。


四万十川を左手に見ながら走る車道は応援ポイントでもあり、

たくさんの人が大きな声で応援してくれる。

応援は疲れた脚を動かしてくれる。

トンネルをくぐり、小野大橋を渡ると四万十川を右手に見るようになる。

【40km地点通過】「4時間53分」

去年よりも20分も遅れた。

【41.8km地点】給食エイド。

地元の中学生達が元気よくハイタッチで迎えてくれる。

60kmの部のランナーとの合流地点の赤い橋だが、

彼らはもうとっくにスタートしていて辺りにはいない。

オニギリが美味しい。

太もも前がかなり痛むのと調子の悪さから早々とロキソニンを飲んだ。

初めて飲むロキソニン(いつも飲み忘れる)、効果があればうれしいが・・。

【42.195km】


とりあえずフルマラソンは走り切った。

レースは中盤に差し掛かる・・。

■3■

コメント (2)
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