漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【遇酒且呵呵】

2016-12-18 06:45:18 | 雑記
 今、朝の五時半。
 早起き(といっても、個人的には「いつもの時間」ですが)は基本的には気持ちの良いものですが、この季節はまだ外が暗いのが玉に瑕です。自室にある東向きの窓の向こうがほんのりと明るくなっていくさまは、それはそれでなかなか良いものですけれど。


 さて、きょうは 【遇酒且呵呵】 。料理研究家の大原千鶴さんがご自身のアトリエに付けた名前で、中国五代十国時代の漢詩の一節。ご本人が出演するTV番組の中でも時折紹介されています。

 読み下すと 「酒に遇(あ)いては且(しば)し呵呵たれ」 。酒を飲んだらひとしきり大笑いしよう、くらいの意味でしょうか。料理の「りょ」の字も知らないと言うべき私ですが、大原さんの軽妙洒脱なおしゃべりと手際の良さは、そんな私にも楽しい時間を過ごさせてくれます。あまりお酒が強くないので、飲んで大笑いするほど楽しく酔うということもほとんどないのですが、何か人生の楽しみを一つ知らずにいるようで、たくさん飲める人を羨ましく感じることもありますね。(笑)

 だいぶ空が明るくなってきました。きょうは、このところサボっていた大学院の授業を少しまとめて視聴しようかな。



「あてなよる」
http://www4.nhk.or.jp/atenayoru/5/



『花間集』菩薩蠻其四  韋莊

勸君今夜須沈醉  君に勸む 今夜 須(すべか)らく沈醉すべし
樽前莫話明朝事  樽前に 話す莫(なか)れ 明朝の事を
珍重主人心    珍重す 主人の心
酒深情亦深    酒深くして 情も亦た深し

須愁春漏短    須(すべか)らく愁ふべし 春漏の短きを
莫訴金杯滿    訴ふる莫れ 金杯に滿ちたるを
遇酒且呵呵    酒に遇(あ)ひては 且(しば)し呵呵たれ
人生能幾何    人生 能(よ)く 幾何(いくばく)ぞ